中間玲子のブログ

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『B型自分の説明書』

2008-06-26 20:15:40 | 生活日記
またまた血液型の本が流行っていますね。
心理学は、血液型と性格は関係あるの?という議論については概ね否定的な見解を示しているのですが、それにも関わらず、根強く血液型ブームが繰り返し到来するので、現在は主に「なぜ人は、血液型占い(など)を信じるのか?」という方向で議論が展開されています。

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その説明は、色んな観点からなされています。

1. 誰にでも当てはまるような性格用語を用いている
全ての人にあてはまるような一般的な性格記述が書いてあるのに、自分だけに当てはまると感じてしまうということです。
さらにそこに、占い師の鑑定や、心理テストの結果として聞かされる、つまり、そこに権威がつき、説得力が増す場合、ますますそれを、「自分だけにあてはまる傾向」だと思ってしまうようになります。
→“バーナム効果”

2.一旦信念が作られると、そこだけに目が向いてしまう。
たとえば「この人は~型だから」とその人を血液型イメージで見ると、当てはまる行動にばかり目が行ってしまう。その結果、「やっぱり~型っぽい!!」という情報が重なります。
→“認知のバイアス”、“記憶のバイアス”
また、その人の行動を、全く他のところに理由があるにもかかわらず、血液型のせいにして理解してしまうようなことも起こります。
→“錯誤帰属”

3.「これがあなたの性格」と断言されると人は信じてしまいやすい。
性格というのは、他人はもちろん自分のものでも不確かでわかりにくいため、単純明快に「あなたはこうです!」と言われると、「おおっ、そうだったのか!そういわれればそうだな」と思いたくもなるのです。
→自己理解、自己確認への欲求、とも言えますし、思考停止とも言えます。
「分からない状況」を打破するため、なんでもいいから説明がほしい。

4. 情報の効率化:人を4つのタイプに分けれれば手っ取り早い。
他者についての情報は、とても複雑です。自分についても他人についても分からないことはとても多い。そのため、私たちは対人関係において色々な効率化をはかっています。
→“ステレオタイプ”的認知による思考の効率化
それによってある程度そつなく人間関係が進むとするならば…
→「親和欲求」(「人と一緒にいたい」という気持ち)や「社会的外向性」(人付き合いが好き)とも関連するかも?
 
5.皆が信じているから
人は、周りに同調してしまうところがあります。流行っているものにはとりあえずノッてみるなど。
それのみならず、みんなが血液型性格診断を信じていると、それは疑う余地のない常識のようになってしまうこともあります。

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と、前置きが長くなりましたが、こんだけ流行っているのでYahooで立ち読みしてみました(同調)。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31937185
めちゃくちゃあてはまるじゃないか!!
「皆さん、これは、私の説明書です~」と言いたくなるほど。

バーナム効果、思考停止、すべて分かっていながらも、「あてはまる!!」と思ってしまいました。未熟者です。
・楽天的だけど結構考えてるけど楽天的な時もある。根暗。
・自分が認めている自分らしさを人から言われると嬉しい。けど「あなたはこう!」と言い切られるとムカッ腹立つ。
・あまり人になつかない。けど、なつくととことん。
・人との会話中に思い出し笑いをする。
・地味にいたずらする。効果はでかい。
・結構アナログ好き。でもいつもはいやだ。
などなど。

しかし、このまま単純に「あてはまる♪」と浮かれていては研究者倫理に関わる問題なので(?)、立ち読みの部分だけでどの程度あてはまるか計算してみましたところ、38項目中31項目(81.6%)のあてはまり度合いでした。
(…実際計算してみたらこんなもんだったかーと少し冷静になりました。
 読んでるときは、ほぼ100%当たってる!とか思ってしまったんですが)

AB型の説明書も立ち読みであったので、比較してみたところ、47項目28項目(59.6%)のあてはまり度合いでした。
(まあ、それでも結構なあてはまりっぷりですね。単なる自意識過剰なのかもしれません。cf.self-as-target現象)

わたしの回答の構え自体にもバイアスかかっていると思うのですが、とりあえずそこは統制の努力をしたつもり。
項目のレベル(どの程度万人にあてはまるか)の検討もしてないのでこれは本当、素人の感想としてとらえてほしいのですが、うーん、やっぱり、B型に書いてあること、自分に合っているな~と感心してはみたものの…

私、O型なんですよね

結論
これって、B型かどうかとかは関係なく、「自分のことをヘンだと思っていて、でもそのヘンさをどうしようもないので、それも含めて自己受容している人の説明書」なんじゃないの??

やっぱ、血液型と性格との関連説には、無理があるんじゃない??
それとも、「私はB型です」と血液型詐称してしまった方がいいのでしょうか。
自己理解の上ではそっちの方がスッキリしそうです。
あるいは、もしかして、ここ数年献血をしないうちに、私は血液型が変わってしまったのでしょうか。

ああ、おそるべしステレオタイプ。
このままでは「血液型同一性」なんて言葉も生まれかねません

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