2015年2月25日、漁業者に対し頭を下げる新妻常正・東京電力福島復興本社副代表(中央)。野崎哲・福島県漁連会長(左)は硬い表情を崩さなかった=福島県いわき市
こういう場面ってこの4年間数限りなく見てきた気がするけど、こんなに繰り返すってのは全く反省してないってことだよね!
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安倍首相が東京オリンピック誘致のために、福島原発は完全にコントロールしているという大嘘を言い放ちました。
特に、放射性物質は外洋とは遮断されていて、一切外には出ていないと言い切ったのは記憶に新しいところです。
しかし、実際には放射能汚染水の処理と管理の問題さえ全くクリアできていないことがまた明らかになりました。
まず、2015年1月23日、東京電力は、福島第1原発のタンク内に保管している高濃度汚染水を2014年度内にすべて処理するという当初の目標を断念したことを明らかにしました。
もともと東電は2013年9月、オリンピック開催地決定と言う世界が注目する場で「原発事故はコントロールしている」と大見得を切ってしまった安倍首相から、敷地内のタンクにたまった汚染水の処理を2015年3月末までに完了するよう命じられていましたが、やはり無理だったのです。
東電 放射能汚染水 年度内処理を断念 安倍首相は福島原発事故をアンダーコントロールにしていない
こんな外洋に直接出るところに汚染水の排水路と排水溝があるのがおかしいでしょう。
さらには、今回、福島原発でまた深刻な問題が発生していたことが明らかになりました。高濃度の放射性物質を含む汚染水が、少なくとも2014年4月から雨が降るたびに外洋に流出していたことがわかったのです。
漏れたのは、2号機の屋上にたまっていた雨水です。これが雨どいなどを伝って、外洋へつながる福島第1原発の排水路の一つから、放射能を含んだ雨水が外洋に流出していたというのです。
この屋上部にたまっていた水からは、1リットル当たり放射性セシウムが2万9400ベクレル検出され、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質も同5万2000ベクレル含まれていました。
この排水路は外洋に通じており、出口付近の放射性セシウムの濃度は高い時で1050ベクレル、ベータ線を出す放射性物質も同1500ベクレル程度が測定されていました。
こんな外洋直結の排水溝があったのも信じられません。
雨のたびに放射能汚染水がダダ漏れです。
しかも、雨が降るたびに、排水路の放射性物質の数値が上がっていたのだそうで、つまり雨が降るたびに高濃度放射能汚染水が外洋に流れ出していたわけです。
ところが、東京電力は2014年4月に、海に流れ出ていることを把握していたのですが、10ヶ月間もその事実を公にせず、当然国にも原子力規制委員会にも報告していませんでした。
このデータを公表しなかった理由について、東電は
「原因調査をして結果が出てから公表しようと考えた」
と説明していますが、不都合な真実をなんとか隠蔽しようとしていたのははっきりしています。
「排水路の清掃に目を奪われ、情報公開の観点が欠けていた」
とも言い訳していますが、言っていることの意味さえわかりません。
なんで、この外洋直結排水口を修繕して閉じることくらいしないのか。
これでは港湾を遮蔽して、外洋に汚染水が出ないようにしている意味が全くない。
福島県の漁業関係者は、また風評被害が起こるとおっしゃって怒っておられます。
もちろん、関係者の方々が当選の度重なる嘘に怒りをもたれるのは当然ですが、風評被害とは本当は被害・損害が出ていないのに出ていると噂が立って漁業に従事する方々が言われのない損害を被ることです。
しかし、放射能汚染水を垂れ流して起こる被害は風評被害ではありません。
本当に日本に住む人々、さらには世界の人々が被曝します。そして、実際に健康被害をこうむる可能性があるのです。
2017年から始まる日本の海への放射能汚染水放出で起こる被害は「風評被害」ではなく、現実の「健康被害」だ
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冒頭に書いたように、安倍首相は東京オリンピック誘致のために、福島原発事故を完全にコントロールしていると大嘘をつき批判されたため、東電に汚染水処理を急がせていましたが、頓挫しました。
安倍首相以下、国と原子力ムラが一丸となって、福島原発事故の処理が進んでいるかのように見せかけ、原発事故を過小評価させ、原発再稼働を容易にしようと一丸になっているのです。
ですから、今回の汚染水排出の隠蔽も、安倍首相の指示とは言いませんが、安倍首相の意図を忖度したことは間違いないでしょう。
国も電力会社も嘘をついており、いったいどんな深刻な出来事がいつどれくらい起こっているかも皆目わからない状況下で、原発が安全かどうかの判断が出来るわけもありません。
隠さなければならないようなこと、嘘をつかねばならないようなことが起こり続ける原発と、我々が共存することは出来ないのです。
原子力ムラの「隠蔽体質だけは絶対変えない」という決意の固さには感心します。
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毎日新聞 2015年02月24日 21時39分(最終更新 02月25日 04時08分)
東京電力は24日、福島第1原発2号機の原子炉建屋の屋上に高い濃度の汚染水がたまっていたと発表した。一部が雨どいなどを伝って排水路に流れ、外洋に流出したという。22日に汚染水が流出した場所とは別の排水路。昨年4月以降、放射性物質濃度の上昇が確認されていたが、東電は濃度のデータを約10カ月間公表せず、国にも報告していなかった。
排水路は1〜4号機のすぐ西側を通る。東電は、昨年4月から今年2月中旬にかけ、この排水路の排水口で、降雨が多い時に放射性物質の濃度が上がるのを確認。この間の最高値は放射性セシウムで国の放出限度(告示濃度限度)を超える1リットル当たり1050ベクレル(昨年5月21日に検出)だった。ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質は最高で同1500ベクレル(昨年8月26日に検出)だった。東電は「排水口近くのモニタリングポイントの海水の放射性物質濃度に変化はなく、異常はみられない」としている。
データを公表しなかった理由について、東電は「原因調査をして結果が出てから公表しようと考えた」と説明している。
東電によると、2号機原子炉建屋の屋上にたまっていた汚染水からは放射性セシウムが同2万9400ベクレル検出された。事故当時の水素爆発などで飛散した放射性物質が屋上に残っていたとみられる。排水路に放射性物質の吸着材を設置するなどの対策を取るという。
福島県原子力安全対策課の担当者は「外洋に流出していたのはゆゆしき事態。東電が濃度のデータを報告しなかったのも遺憾だ」と話している。【岡田英、斎藤有香】
流出非公表、東電に憤り 「信頼揺らぐ」 福島第一汚染水
2015年2月26日05時00分 朝日新聞
東京電力福島第一原発から港湾外の海に汚染水が流出していた問題で、地元の福島県からは25日、流出を公表してこなかった東電の姿勢に一斉に反発の声が上がった。建屋周辺の地下水をくみ上げ、浄化後に海に流す「サブドレン計画」の交渉は棚上げに。信頼関係が失われ、廃炉計画に影響する可能性も出てきた。
福島県漁業協同組合連合会(野崎哲会長)は25日午前、いわき市で組合長会議を開いた。東電幹部が出席、雨が降るたびに排水路の水の放射性物質濃度が高まることを把握しながら公表しなかったことを陳謝した。
東電が排水路の放射性物質の定期測定を始めたのは昨年4月。8月には、ベータ線を出す放射性物質で通常の10倍以上の1リットルあたり約1500ベクレルを検出した。
これに対し、漁業者からは「なぜ我々に黙っていたのか」「情報隠しだ」と批判が相次いだ。この日はサブドレン計画について協議する予定だったが、持ち越しとなった。会合後、野崎会長は「東電との信頼関係を揺るがせる事態だ」と記者団に語り、計画をめぐる交渉を凍結する考えを示した。
県も内堀雅雄知事ら幹部が急きょ対応を協議。内堀知事は「情報の速やかな公表と、その意識の徹底という基本がなされなかったことは極めて遺憾だ」と強い口調で東電を批判した。
排水路には、2号機の原子炉建屋とつながる「大物搬入口」の屋上にたまった雨水が汚染されて流れ込んだとみられる。東電は、外洋と仕切られた港湾内へ排水路の水を流すポンプの設置などを検討するという。
菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、流出先の海水での濃度は低い値だとして「港湾外への汚染水の影響は完全にブロックしている。状況はコントロールされている」と強調した。
ただ、原子力規制委員会にも、検出状況は報告されていなかった。東電は「原因を調べ結果が分かってから公表するつもりだった」と釈明。搬入口が原因と特定できたため24日になって公表したという。規制委の田中俊一委員長は25日の会見で「環境に影響するようなことなら、速やかに発表するべきだ」と指摘した。
東電は過去にも、放射性物質の分析結果や流出を示すデータを公表せず、批判を招いてきた。サブドレン計画をめぐっても、以前から地下水くみ上げを検討しながら、浄化して海に放出する考えを明らかにしたのは昨年8月。計画は汚染水対策に必要として理解を求めている最中だった。
■福島第一原発のデータ公表について東電が批判された例
<2013年6月>
【内容】5月に岸壁近くの井戸で高濃度の放射性物質を検出。対策開始後の6月まで公表せず
【東電の説明】測定に不備があり、念のため追加の分析をした
<13年7月>
【内容】汚染された地下水の海への流出を示すデータを社内で共有できず、流出と判断後も3日間公表せず
【東電の説明】情報共有が不十分、情報を公表する姿勢も積極的でなかった
<14年1月>
【内容】港湾内や地下水中のストロンチウム濃度の計測値を半年分公表せず
【東電の説明】他のデータとつじつまが合わなかった。隠す意図はなかった
<15年2月>
【内容】2号機搬入口上部のたまり水が流れる排水路で、雨のたびに放射性物質濃度が高まることを把握しながら10カ月公表せず
【東電の説明】排水路の清掃に目を奪われ、情報公開の観点が欠けていた
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