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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

祝 オバマ大統領再選 しかし、TPPと沖縄基地問題では日本は対決しなければならない

2012年11月07日 | 海外の話題

 

 最後の最後まで手に汗を握る激戦でしたが、2012年11月6日投票の米大統領選は全米各地で即日開票され、民主党のオバマ大統領(51)が共和党のロムニー候補(65)を破り、再選を果たしました。

 中間所得層重視を掲げたオバマ氏が支持を広げ「小さな政府」を訴えたロムニー氏との激戦を制したわけで、正直ホッとしました。

 議会の抵抗でなかなか成果を上げられなかったオバマ大統領ですが、今回の選挙戦で経済成長には中間所得層の底上げが不可欠と主張し、医療保険改革など1期目の成果を訴え、さらに富裕層には増税などによる「相応の負担」を求め、中間所得層には手厚い減税を実施すると訴え、カギを握る中間所得層の支持を広げました。

 投資家出身のロムニー候補は自身が物凄い富裕層です。オバマ政権の「大きな政府」は財政赤字を拡大させるとともに、民間の経済活動を阻害するなどと批判し、減税と規制緩和による民間主導の経済成長を訴えました。この人が負けたことで、フランスのオランド大統領当選に続き、小さな政府論がもはや先進国では支持されなくなってきたことがはっきりしたことが、今回の米大統領選挙の最大の収穫でしょう。

日米 「たかって」いるのは富裕層か貧困層か ロムニー米大統領候補の低所得層をたかり屋と呼んだ発言発覚す

アメリカ大統領選挙 共和党のロムニー候補の税金逃れ発覚! 日米とも富裕層増税が必要だ

 

 オバマ大統領の富裕層課税の方針はウォール街を占拠せよ運動に押されたものですが、曲がりなりにも富裕層増税を言えるなんて、財界べったり・お金持ち大好きで、庶民泣かせの消費税増税をする日本の民主党とエライ違いです。

 オバマ氏は同日夜、当選を確信して、支持者向けのメールで

「これは運命でも偶然でもなく、あなた方が実現させたものだ」「大統領でいる限り、あなたがたの支援を大切にするつもりだ。きょう(の結果)は普通の米国民が特定の利益団体に打ち勝つことができることを明確に証明したものだ」

と書いたそうです。

ウォール街を占拠せよ 全米でデモ広がる 「国難」東日本大震災に沈黙する日本の富裕層に富裕税の導入を!

 

 

 個人的にオバマ大統領については、人権問題では選挙戦の真っただ中に同性婚を支持する発言をしたのには驚きました。人権擁護とは少数者の人権をこそ守らねばならないという思想をあらためて教えられました。

オバマ大統領 大統領選の渦中に、現職の米大統領として初めて公式に同性婚支持を表明!

 アフガニスタンでの戦争は継続しているものの、イラクからの撤退を実現したり、核兵器廃絶を宣言したりするオバマ大統領の外交姿勢は、ロムニー候補に比べれば良いと思います。外交問題で失言が多く、「強いアメリカ」再生を訴えたロムニー候補には、前の子ブッシュの面影がちらちらしました。

これが軍隊の本質 アフガニスタンで米兵乱射 女性・子どもら16名の市民を虐殺 酩酊して殺害楽しむ 

 

 

 しかし、日本との関係では、誰が大統領になって同じことですが、オバマ大統領もたとえば普天間基地については、辺野古への移設を野田首相に強く迫ったりしています。

 ここは断固として、侵略部隊の海兵隊は日本の専守防衛には要らないと、普天間基地の廃絶を主張しなければいけません。

アメリカ第1 国民2の次の野田政権の卑劣 辺野古環境アセス評価書を沖縄県庁守衛室に朝4時に運び込む!

野田・オバマ日米首脳会談はわずか35分の儀式 普天間基地移設問題に中途半端な「結果」は必要ない

 

 また、TPPを推進しているのはオバマ大統領で、野田首相はアメリカからの圧力にむしろ待ってましたとばかりに乗る気満々ですから、今後も警戒が必要です。

 これもオバマ大統領云々の問題ではなく、私たちがどういう政府を選んでいくかの問題です。

国民の了解を得ずになんでも公約する野田政権こそ独裁だ 普天間、原発再稼働・輸出、消費税増税、TPP

TPP参加でアメリカの医療保険会社が我が国の医療に乱入し、国民皆保険制度と日本人の健康が崩壊する

 

 それにしても、毎回毎回、超大国とはいえ他国の話なのに、日本でのアメリカ大統領選挙報道の量は異様です。日本がアメリカの「属国」なんだなあと思い知らされます。

 他方、長い選挙戦で候補者が鍛えられていくアメリカ大統領選挙の凄みも感じます。日本の選挙は選挙期間も短すぎ、戸別訪問もネット選挙も認めないようなやってはいけないことだらけの「べからず選挙」で、候補者名を連呼するだけで選挙の意味がないことは反省しないといけないと思います。

 また、議会の抵抗を押し切って曲がりなりにも医療保険制度創設という公約を実現したオバマ大統領に、マニフェストをかなぐり捨てる日本の民主党や、コロコロ言うことが変わる安倍自民党や第三極は学ぶべきでしょう。

言葉を大事にするアメリカ大統領選挙と、政治家の言葉に対するチェック機能を失った日本のマスメディア


 

でも、とにかくオバマさんが勝ってよかった!

「貧富の差、健常者、障害者、同性愛者、異性愛者を問わず、この国では努力すれば報われる」というのが勝利演説。

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オバマ大統領が勝利宣言 米大統領選

2012.11.07 Wed posted at 15:39 JST CNN

(CNN) 米大統領選で再選を確実にした民主党のオバマ大統領は米東部時間7日午前(日本時間同日午後)、共和党のロムニー候補が敗北を宣言したことを受け、シカゴで勝利宣言を行った。

オバマ大統領は激戦州オハイオ州などで勝利を確実にして選挙人274人を獲得し、当選に必要な270人を突破した。

大統領はミシェル夫人、2人の娘と手を取り合って登場し、会場を埋め尽くした支持者らの歓声に手を振って答えた。会場からは「あと4年」のかけ声がわき起こった。

大統領は演説の冒頭で合衆国憲法を引用し、「完全な連合体を形成するというわれわれの務めが、今夜皆さんの力によって前進する」と宣言。「われわれは苦楽をともにするひとつの家族」「最高の米国はこの先にある」と続けて喝采を浴びた。

選挙に参加したすべての人々に感謝すると述べ、一部の投票所で有権者の待ち時間が数時間に及んだことにも言及。「これは改善する必要がある」と付け加えた。

接戦を展開した相手のロムニー氏に「拍手を贈ろう」と呼び掛け、バイデン副大統領にも感謝の意を表した。続いてミシェル夫人の名を挙げ、「米国民が私と同じように君に恋するのをみて、最高に誇らしかった」と話した。さらに選挙チームやボランティアスタッフをたたえる言葉を続けた。

 

「これからも論争は起きるだろう。それは自由の印だ」と話す一方、偉大な米国を後世に受け継ぎたいという目標はだれもが共有していると述べた。

選挙戦で国民の声を聞くことによって「皆さんが私をより良い大統領にしてくれた」と語り、党派の壁を超えて新たな決意で2期目に臨む姿勢を示した。

同時に、国民の果たす役割は投票だけではないと強調。「自由には責任がともなう」と、民主政治の精神を説いた。

そのうえで「米国の将来にかつてないほど希望を抱いている」「理想に向かって闘い続けよう」と語りかけ、「一生懸命に努力すれば、人種や貧富の差、障害者かどうか、同性愛者かそうでないかにかかわらず、目標を達成できるのが米国という国だ」「米国は言われているほどに分断されてもいないし、さめてもいない」と、明るい国家像を描いてみせた。さらに「前へ進む旅」「最も偉大な国、アメリカ」という力強い言葉で演説を締めくくった。



 

バラク・オバマ米大統領、再選のスピーチ 全文和訳

gooニュース2012年11月7日(水)20:00

再選を果たしたバラク・オバマ米大統領は米東部時間7日午前1時半ごろ(日本時間同午後3時半ごろ)、イリノイ州シカゴで支援者の前に登壇し、次の勝利演説を行った。生中継したCNNの放送からgooニュースが書き起こした。英語の原文はこちら



ありがとう、ありがとう。本当にどうもありがとう。

元植民地が自分たちの宿命を自ら決める権利を勝ち取ってから200年以上たったこの夜、この国の団結をより完成させるための仕事が、さらに前に進みます。前進するのは、皆さんのおかげです。戦争や恐慌に打ち勝った心を、皆さんが再確認してくれたからです。この国を深い絶望の淵から素晴らしい希望の高みへと引き上げてくれた心のことです。私たちが個々に個人の夢を追求する一方で、私たちはみな同じアメリカの家族なのだと。私たちはひとつの国、ひとつの国民として一緒に浮きも沈みもするのだという、信念のことです。

この夜、この選挙では皆さんが、アメリカの人たちが、念押ししてくれました。私たちの旅路は辛く長いけれども、それでも私たちは立ち上がり、巻き返すために戦ってきたのだと。そしてアメリカ合衆国にとって最高の日々はこれからなんだと、私たちは胸の奥底で承知しているのだと。

この選挙に参加した全てのアメリカ人に感謝したい。初めて投票した人にも、投票するため延々並んだ人にも。ちなみにあれは直さなきゃならない。あちこちの歩道を歩き回った人も。電話をしてくれた人も。オバマ支持の看板を持った人も、ロムニーの看板を持った人も。皆さんは声を上げてくれた。そして変化をもたらした。

つい先ほど、ロムニー知事と話をして、懸命に戦った選挙戦について知事とポール・ライアンに祝意を伝えました。私たちは激しく戦った。けれどもそれは、この国を深く愛しているからこそ。この国の未来をとても大事に思っているからこそです。ロムニー一家は、ジョージからレノア、そしてお二人の息子ミットに至るまで、公共への奉仕を通じてアメリカに恩返しをしてきました。私たちはこの夜、その伝統を尊重し称えます。これから数週間の間にロムニー知事と一緒になって、この国を前進させるためにどう協力できるかをじっくり話し合いたいと思い、楽しみにしています。

過去4年にわたり友人とパートナーでいてくれた人にも感謝したい。アメリカの幸福な戦士、これ以上はないという最高の副大統領、ジョー・バイデンです。

そして20年前に結婚を承諾してくれた女性がいなければ、今の私はありません。ミシェル、公衆の面前ではっきり言わせてもらいたい。今までで一番、君を愛してる。僕が君を愛するように、アメリカ中が君をファーストレディとして愛するようになるのを、僕は眺めてきた。こんな誇らしいことはない。

サーシャとマリーア。みんなの目の前で君たちはどんどん大きくなって、お母さんにそっくりの、強くて賢くて美しい若い女性になっていく。本当にすごく誇りに思ってるよ。ただし当分の間は、犬は一匹で十分だと思う。

政治史上最高の選挙チームとボランティアのみんなにも。最高の、本当に最高の。今回初めての人たちもいたし、一番最初から私の横にいてくれた人たちもいる。みんな、家族です。みなさんが今後何をするにしても、どこへ行くにしても、みんなで一緒に作ったこの歴史の記憶はあなたの中に残る。そしてこの大統領はみなさんに終生、感謝し続けます。ずっと信じてくれて、ありがとう。あらゆる丘の上へ、あらゆる谷間へ、一緒に来てくれてありがとう。皆さんはずっと僕を盛り立ててくれた。皆さんの努力と素晴らしい働きに、僕はいつまでも感謝し続けます。

選挙戦というのはくだらないものに見えることがある。ばかばかしく見えることだってある。それは承知しています。そのせいで、政治なんてしょせんエゴのぶつかり合いでしかないとか、特定利益が支配する領域に過ぎないとか、そうやって斜に構える連中に冷笑されてしまう。けれども実際に私たちの集会に来てくれた人たち、高校の体育館でロープに沿って並んだ人たちの話を聞いてもらったら、あるいは自宅を遠く離れた小さな地区の選挙事務所で遅くまで働く人たちを見てくれたら、たぶん違うものを目にすると思います。

そうすれば、働きながら大学に通う若い活動員の決意のほどを聞くでしょう。どの子供も自分と同じように大学に行けるようにしたいという、彼の強い思いを知るでしょう。地元の自動車工場がシフトを増やしたからやっときょうだいが働けるようになったという、若いボランティアに会えば、彼女がどれだけ誇りに思っているかを知るでしょう。彼女はそうやって誇りをもって、一軒一軒を訪ねて歩いたのです。深夜遅くまで電話をかけ続けた軍人の伴侶からは、国を愛する思いの深さを知るでしょう。国のために戦う兵士が決して、帰国してから仕事や住居で苦労しなくて済むように、その人は電話をかけ続けたのです。

だからこそ、私たちはこうしている。政治にはそういう可能性がある。だから選挙は大事なんです。つまらなくなんかない。大きい。大事なんです。人口3億人の国の民主主義というのは、うるさくてごちゃごちゃしていて複雑なものになりがちです。みんな自分の意見を持っているし、誰もが信じる何かを深いところに抱いている。そして大変な時代を経験している時、国として大きな決断をする時、感情がかき立てられ、対立がかき立てられるのは当然のことです。この夜が明けても、それは変わらない。変わるべきじゃない。私たちが議論するのは、私たちの自由の印です。自分たちが何かを主張しているまさにその時、遠い国々の人たちは、大事な問題について言い争うチャンスのために戦い、命を賭けている。私たちが今日そうしたように、投票する権利のために命を賭けている。それは決して忘れられない。

私たちの間には色々な違いや対立がある。けれどもほとんどの人は、アメリカの未来はこうなって欲しいという一定の思いを共有しています。

子供たちは、最高の学校と最高の教師がいる国で育って欲しい。技術や発明やイノベーションにおいて、世界のリーダーとしての役割を果たす国であってほしい。それがもたらす良い仕事や新しい事業の恩恵を受けられる、そういう国であって欲しい。

子供たちには、借金の重みに苦しんでいないアメリカで生きて欲しい。不平等のせいで衰退したり、温暖化の進む惑星の破壊にさらされたりしない、そういうアメリカで暮らして欲しい。安全な国、世界中で尊敬され憧れられる国を子供たちに残したい。世界最強と最高の軍隊に守られる国を。と同時に、今の戦争の時代を自信をもって乗り越えて、全人類の自由と尊厳が保証される平和を築く側に立つ、そういう国を、子供たちに残したい。

私たちは寛大なアメリカ、思いやり深いアメリカ、寛容なアメリカを信じています。この国の学校で学びこの国の旗に忠誠を誓う移民の娘に対して、彼女の夢に対して寛大で思いやり深く寛容なアメリカを。シカゴのサウスサイドに住みながらもより広い世界を夢見る少年の夢に対しても。医者や科学者やエンジニアや起業家や外交官や、あるいは大統領にもなりたいと夢見る、ノースカロライナの家具大工の子供に対しても。

それが、それが、私たちが望む未来です。それが、私たちが共有するビジョンです。それが、私たちの目指すべきところです。前へ(forward)。私たちはそういう未来を目指さなくてはならないのです。

ただし、どうやってそこに行くべきかについては、意見がぶつかることもあるでしょう。時に、激しく。200年前からそうだったように、進歩のペースはまばらなものです。まっすぐ直線に進むばかりではないし、いつもスムースに進むとも限らない。同じ希望や夢を共有していると認識するだけでは、膠着はなくならないし、問題も解消しない。合意形成のために苦労する代わりにはならない。この国の前進に必要な妥協点を見いだすためには、大変な苦労が必要です。希望は一緒だと認識するだけでは、その代わりにならない。

けれども出発点は、私たちを結びつける共通点です。それが出発点でなくてはなりません。この国の経済は回復しつつあります。10年以上続いた戦争も終わりつつあります。長い戦いは終わりました。そして皆さんに投票してもらう資格が私にあるかどうかはともかくとして、私は皆さんの声に耳を傾けてきました。皆さんから学んできました。皆さんのおかげで、より良い大統領になれました。皆さんの物語や戦いを抱えて、私はホワイトハウスに戻ります。やるべき仕事、待ち受ける未来について、今まで以上に決意を固め、意欲をもって。

皆さんは今晩、私たちが行動することを求めて投票しました。いつも通りの相変わらずの政治でいいと言ったのはない。私たちの仕事が大事なのではない、自分たちの仕事が大事なのだと、皆さんはそのために私たちを選んだ。

なのでこれから私は、両党の協力がなければ解決できない課題に取り組むため、両党のリーダーたちに手をさしのべ、一緒に働くのを楽しみにしています。両党が協力しなければ、税制改革はできない。移民制度を直し、外国石油への依存から自由になることもできない。やるべき仕事はたくさんあります。

だからといって、皆さんの仕事がこれで終わりだというわけではありません。この国の民主主義における市民の役割は、投票で終わるわけではないからです。アメリカは、国は自分たちに何をしてくれるかという国ではありません。そういう国だったことは一度もない。協力し合って何ができるか、それがアメリカです。自治という大変な、なかなか報われない、けれども必要な努力を通じて。その理念こそ、この国の建国の精神です。

私たちが豊かなのは、どの国よりも財力があるからではない。史上最強の軍隊を持っているけれども、だから強いわけではない。この国の大学や文化は世界中からうらやましがられているけれども、世界中の人がこの国にやってくるのは、それが理由ではない。アメリカが特別なのは、地球上でもっとも多様なこの国をひとつに束ねる絆のおかげです。自分たちはひとつの運命を共有しているのだという信念のおかげです。お互いや将来の世代に対する一定の義務を受け入れなければ、この国はうまくいかないという確信です。アメリカではあまりに多くの人が自由のために戦い、自由のために死んでいった。そうやって勝ち取った自由には権利もあれば責任もあるのだ、責任とはたとえば愛すること、思いやること、義務を果たし国を愛することだと。その信念があるからこそ、アメリカは偉大な国なのです。

その心がアメリカ各地で生きているのを見ることができたので、今の私は希望に満ちています。家業の経営で、近所の人たちをクビにするくらいなら自分の給料を減らした方がましだという人たちに、その心を見ました。友達が職を失うくらいなら自分の時間数を減らした方がマシだという労働者にも。手足を失ってもまた再入隊する兵士たちに。自分たちを後ろからしっかり守ってくれる仲間がいると分かっているから、暗闇の中、階段を駆け上っていった海軍特殊部隊の兵士たちに。ニュージャージーやニューヨークの岸辺でも見ました。どの政党かどのレベルの行政府かを問わずかけつけたリーダーたちが、凄まじい嵐に破壊されたコミュニティーを再建するため、ふだんの立場の違いを脇に追いやる姿にも、その心を見ました。

そしてつい先日、オハイオ州メンターでも見ました。そこで会ったお父さんは、長いこと白血病を患う8歳の娘さんの話をしてくれました。保険会社がその子の治療費の負担を止めようというわずか数カ月前に、医療保険改革法案が成立したおかげで、彼女の治療を続けることができたと。そうでなければ、その家族は全てを失っていただろうと。このお父さんの話を聞くだけでなく、素晴らしい娘さんにも会うこともできました。そしてお父さんが会場で聴衆に自分たちの体験を語ってくれたとき、その場にいた全ての親御さんが目に涙を浮かべていました。あの小さい女の子は自分の子供だったかもしれないと、みんな分かっていたから。

そして、女の子の未来が自分の子供の未来と同じくらい明るいものでありますようにと、アメリカ人全員が願っている。私たちはそういう国民だからです。そういう国だからこそ、私は皆さんの大統領としてこの国を率いることができて、本当に誇りに思っているのです。

そして今晩、実にたくさんの困難を経験してきたけれども、ワシントンに不満はたくさんあるけれども、それでもこの国の未来についてこれほど希望を抱いたことはありません。アメリカについて、これほど希望を抱いたことはない。その希望が長続きするよう、皆さんにお願いしたいのです。

やみくもな楽観主義について話しているのではありません。前にたちはだかる仕事がいかに大変かをいたずらに無視したり、道をふさぐ障害物を無視したりする、そんな希望のことではありません。ただ高みの見物を決め込んだり、戦いから逃げ回るだけの脳天気な理想主義のことでもない。私はかねてから希望というのは、自分たちの中にある頑固な何かだと思ってきました。そんなの無理だとどんなに言われても、果敢に手を伸ばし続け、働き続け、戦い続ける勇気があれば、今より良いものが何か待っていると、頑なに信じ続ける何かだと。

アメリカの皆さん、これまでの成果をもとに私たちはさらに前進し、新しい仕事や新しいチャンスのため、中間層のがより安心できる毎日のため、さらに戦い続けることができると、私はそう信じています。建国の約束を守ることができると。一生懸命働く気持ちがあるならば、何者だろうと構わない。どこから来たのでも、外見がどうだろう、どこを愛していようと構わない。黒人だろうが白人だろうが、ヒスパニックだろうがアジア系だろうがアメリカ先住民だろうが構わない。若くても年寄りでも金持ちでも貧乏でも、五体満足でも障害があっても、ゲイでもストレートでも。やる気さえあれば、ここアメリカではなんとかなる。

この未来を、みんな一緒につかめると私は信じています。この国の政治が言うほど、私たち国民は分断していないからです。評論家たちが言うほど、私たちはシニカルではないからです。私たちは、個々人の野心の総和よりもはるかに大きい。そして赤い州や青い州の寄せ集めよりも大きい。私たちはこれまでも、そして永遠に、諸州が団結したアメリカという国(the United States of America)なのです。

皆さんの助けと神の恩寵と共に、私たちは一緒になって前へ前へと旅を続けます。私たちが暮らすこの国がなぜ世界で最も偉大な国なのか、世界中に伝えながら。

 

ありがとう、アメリカ。神様の祝福がみなさんにありますよう。この団結した諸州(united states)を神様が祝福してくれますように。



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5 コメント

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間違いなく ベターな選択 (だめお)
2012-11-07 18:23:54
「どっちになっても同じ」「金持ちの味方は民主党だ。 共和党?大金持ちの味方さ」 などという冷ややかな声が、少なくないアメリカ国民から聞こえるとはいうものの、「アフリカ系&親が外国人」のオバマ大統領がアメリカで再選された意義は大きいです。  よかった。  ついでに日本の民主党も(トップすげかえた上で)がんばれ、ナンチテ…  ←晋三くん、シンタロさん、徹ちゃんトリオよりはマシ

歓迎し、祝福します。 たとえ日本経済への影響にマイナスがあるとしても。 

超巨額の資金が動く一方、草の根保守主義も強まった中で、ジョージ・Wの負の遺産はあるわ、妥協だらけの「決められない政治」との批判もあるわ、の中、よく再選を果たした、と(アメリカ国民に)拍手です。  バラクくんにもそうですが、とりわけ夫人のミシェルさんには大きな期待を寄せるものです。 もう「再選」のことは考えなくていいのだから、やりたいことをやってよ、ね。

ただし、次のようなCNNによる出口調査(回答数26,565)によると、こんなアメリカの実像も見えます。
http://edition.cnn.com/election/2012/results/race/president#exit-polls

・52% の男性がロムニー候補を大統領にしたかった
・40歳以上の男女の50% 以上はロムニーに入れた
・白人男性の62%がロムニーに投票した(白人女性は 56%) (白人は全国民の7割)
  ちなみに、アフリカ系国民の93%はオバマに投票  ヒスパニックでも71%
・年収約400万円以上の世帯のうち、53% がオバマの退陣を求めた

アメリカの「主流」は支持しなかった? いや、「主流」の半数近くが支持したから、オバマ再選がなった、というべきでしょう。

大統領選挙と共に実施された様々な選挙の結果にも、注目すべきことが。
・メイン、メリーランド両州で同性婚が認められる見込み!
・ウィスコンスン州で、ゲイを公言していた女性、ボルドウィン氏が上院議員に当選!
・コロラド州、シアトルのあるワシントン州でマリファナが合法化の見通し!

サンフランシスコやニューヨークではない、アメリカらしい土地柄での結果であることに意義があります。  
返信する
Unknown (ねこのしもべ)
2012-11-08 10:20:41
Lesser in two evils いうやつですな。ところでインフルエンザはもう大丈夫なのですか。どうぞお大事に。
返信する
Unknown (erstea)
2012-11-08 17:18:16
オバマ再選をかんがみて、アメリカはまだ救いがあると思いましたが、日本は、、、

要するに、日本は命数を使い果たしたのです。政治家は権力をもてあそび、富裕層はリーマンショックに見られるように投機的なマネーゲームにのめりこんだ。民主主義を口にとなえながら、それを維持する努力を怠った。いや、市民すら、政治を一部の政治業者にゆだね、それに参加しようとしなかった。専制政治が倒れるのは君主と重臣の罪だが、民主政治が倒れるのは全市民の責任だ。民主党を合法的に権力の座から追う機会は何度もあったのに、自らその権利と責任を放棄し、無能で腐敗した政治家に自分たち自身を売り渡した
返信する
どちらも悪ってのは (H.KAWAI)
2012-11-09 10:33:00
○分からなくもないんですが、人間そのものが善ではない以上、大統領だって善って事は無いんでしょうね。
○でも、オバマ大統領の演説を聴いていて感じたのは、やはり一国のリーダーとして国を一つに纏めて行こうとする強い意思でしたね。
○そりゃ、多人種国家で多民族国家なんだから、当然と言えば当然なんだけれど、一国のリーダーはやはりこうでなくてはならないと強く思いました。
○それに引き替え、我が国の政治家はと言うと、自らの権力欲の為に、統一ではなく分裂を、融和ではなく反目を広げようとしているように見えます。
○領土を巡っての国際的な緊張が高まっている今は取り分け、内部抗争を繰り広げているような状況じゃないんですから、奇妙な「第三極」に惑わされる事なく、健全な保守・進歩の二大勢力を育てる事が大事なんじゃないかって思うんですけどね。
返信する
Unknown (とくもと)
2013-03-02 13:57:32
「全ての人に自由を」と言うなら沖縄においてこそその事例を示すべきでないか
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