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寄生獣

2014-12-05 | 劇場映画れびゅー
劇場予告編が、あまりに原作漫画と完全に同じカットの連続で、期待が膨らんでいた『寄生獣』を公開日の朝イチで観てきました。
★★★★

何度も原作を読んでいる程大好きな漫画の映画化だけど、上映時間の問題を考慮した上で、ファン目線で真正面から受け止めて観ても、上手く纏められていて、プロットのアレンジは鼻に付かなかった。
細かいところで残念な部分はあるけどね、ファンなので。

一ミリ足りとも他も変えてほしくないって人も居るかとは思いますが、それは個人の感性なので否定しません。

公開の直前になって実は続編が有って、前後編での展開である事がこっそり明かされていたので、「1時間50分の縛りで中途半端な端折り方をされたらどうしよう」という不安が取り除かれてからの観賞になったのも良かった。
知らずに観た人には「終わらないのかよ!」と言う激しいツッコミが有りそうなので、宣伝はもっとそこを出しておいた方が言いと思う。
この映画に関してはサプライズにしない方がいい。

特に関心したのはキャスティングの上手さ。
主役の染谷将太は、原作テイストはちょっと違うルックスけど、25年前の漫画に描かれた東京の青年と同じようなルックスと感性ってのもどうかって話なのと、染谷将太自身がいつものように安定して芝居が上手いので、彼流の今風の泉新一を自然に演じて楽しませてくれた。
また、泉新一は“変貌”ってところも鍵になるキャラクターなので、影のある泉新一を描く上でも最良のキャスティングだったと思う。

対して、相棒のミギーに関しては、大筋でCGに関して問題無いものの、会話をする時の標準体形がワンパターンだったところがちょっと残念。もうちょっとウネウネしてるイメージだったので。
そして阿部サダヲの声については、ちょっと感情が有り過ぎるキライが有るのが残念で、エンドロールで流れていたBUMP OF CHICKENのボーカルの、ボコーダーが入った無機質な声の方がミギーには似合っていたかもと感じた。
阿部サダヲがやるなら、舞台版が出来た時なんかに、俳優が具現化したミギーを演じたりする際に彼がやれば、最高に似合っていたはず。

野村里美を演じる橋本愛は、これまで上手いと思ったことが無くて、滑舌の悪いキレ芸ワンパターン女優だと思っていたので、キャスティングするなら原作で言えば加奈の方がスケパンだし風変わりだし似合うのになんて思ってたけど、今回に限っては凄く上手く演じていて、安心して観られて良かった。

新一の母親役の余貴美子も、展開を考えるとベストなキャスティング。
原作では存命だった新一の父親が、過去に亡くなっていることにされているのは残念だけど、息子の年齢を考えると彼女がちょっと歳が行ってる分、愛情の深さをより感じる。

さらに上手かったのはパラサイト側のキャスティングですよ。
原作と似てる似てないじゃなくて、全員が原作のパラサイトの雰囲気を持った“パラサイト顔”。
特に島田役の東出昌大なんて、パラサイト役をやる為にこの時代に役者としてヒットしたかのようなぴったり具合。
田宮良子役の深津絵里は原作程キツイ顔じゃないけど、無表情に演じる“目”が面白く、後編でどう変わるのか楽しみ。

もし、後編に浦上が出てくるなら、是非とも玉木宏に演じて欲しい。

版権を持っていたハリウッドで本当に映画化されていたら、どんな映画になっていたのかな?

ネタバレ
原作では空から降ってきたケランパセランが、何故か海から湧いてくると言う設定に変わっていたところが唯一理解出来ない。
後編への伏線なのかな?

クライマックスの展開から、次回作からは大きくアレンジされるかと思わせておいて、エンドロール後の予告編はやっぱり原作通り風で期待を膨らませてくれた。



寄生獣 完全版全8巻 完結コミックセット
岩明 均
講談社

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