フランス的強さ

 ひゃーすごい!
 フランスがブラジルに勝ちました! (^o^)y
 それともブラジルがフランスに負けたと言うべきか?

 アンリがゴール前フリーで浮くなんて、信じられないですね。
 辛抱強くやってれば勝機は必ずある、という見本みたいなものです。

 強い時のフランスって、ほんとに強いですね。あのブラジルを粉砕したわけですから、日本の人も少し「フランス的強さ」っていうのがあることを理解して欲しいです。「日本は精神力だ!」じゃなくて、「ゲルマン魂」みたいなのでもない、「フランス的強さ」を(日本のアナウンサーは、カーン(今回試合に出て来てませんが)がボールを見事に止めたら「ゲルマン魂!」と絶叫するけど、バルテーズが見事に止めたら・・・なんと言っていいか分からないんですからね)。
 「相手ブラジルか、おもろい、やったろやないけ」Ca m'interesse ! と気合いが入ったときの集中がすごいんです。やっぱりこれラテン系(関西系)ノリというべきだろうか?

 前回日韓大会のフランスの惨めな一次リーグ敗退、しかも一本もゴール決められないまま、というのを思い出します。
 あれは重厚華麗ないつものサッカーをやることに固執したせいではないでしょうか(まあ監督の方針ではあったのでしょうけど)。彼らは形勢不利、調子最悪の時でもカッコだけはつけようとするんですよね。 (^_^;)

 今回のフランス・チームもご覧のとおり移民系うじゃうじゃですが、みな「フランス人」の良いところも悪いところもちゃんと持ってるように見えます。ル=ペンはいろいろ言いたいかもしれないけど、日本から見てたらみんな立派にフランス人に見えるように思いますよ。国歌歌おうが歌うまいが。
 そりゃそうでしょう。明確なエスニックグループを作らず(作らせず)にみなひとつの社会を形成するように頑張ってる国なので(一にして不可分の共和国!)。ひとつの場で押し合いへし合いやってれば、性格はともかく「気質」が似通ってくるのではないでしょうか。
 「フランスは(いつもはシイタゲている)移民を使って勝ってるだけだ」とは、あんまり考えない方がいいです。だってフランスはアラブ・アフリカ移民がめだつようになった時代からじゃなく、ずっと昔から多様な人種を受け入れてやってきた国なので、こういうのがフランスという場の常態なのですから。

 (ただ司令塔のジダンがフランスの中でも異質といわれるマルセイユの出なわけで、このへんもまた話が一筋縄でいかないかもしれませんけど)
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コメント
 
 
 
リべり選手 (ま・ここっと)
2006-07-03 06:12:23
昨日知ったことですが、リべり選手はミュヂュルマンだそうです。奥様がマグレブなので改宗というパターンですね。
 
 
 
なるほど (raidaisuki)
2006-07-03 10:10:56
ま・ここっと様

情報ありがとうございます。 m(_ _)m



Troussier 元日本監督は奥さんと一緒に改宗したんでしたよね?

どうなんでしょう、これはフランス社会一般で多くなった現象なのか、それともサッカー界がちょっと特殊なところがあるのか。



 
 
 
リべりさんの改宗は (ま・ここっと)
2006-07-03 23:43:17
こんにちは!

トルシエ監督の場合はご夫婦揃ってカトリックからイスラーム改宗ですが、リべりさんの場合は奥様から出された結婚条件ですよね。

イスラームにおいて男性は異教(ただし一神教のみ)の女性は2名、多神教や無宗教の娘には改宗を求めますが、イスラームの女性は異教の男性と結婚するためには彼にイスラームになってもらわねばなりません。

わが知人ですが、インドネシア人♀がイタリア系フランス人♂に改宗してもらい結婚しました。イタリア系なんで国境を越えてフランスとイタリアの親戚一同のスキャンダルになっていますよ(笑。彼の両親が彼女をルルドに連れて行ったら、彼女はニコニコ。こりゃ、彼女がカトリックに興味を持ってくれたか!と期待したら、コーランに聖母マリアが登場するので彼女を拝まなければ何の問題もないことだそうです。というわけでルルドは近年イスラームの女性の人気観光地だそうです。

ですから世界のどこであっても異教の男性がイスラームの女性に結婚を求めたらまず改宗を求められる場合が多いということですね。

もうひとつ問題になっているのは、小学校高学年くらいからアラブ系の子供が「カトリックのように準備がいらずに簡単になれる」という言葉で友達をモスクに連れて行って改宗儀式を行ってしまうことです。これはちょっとまずいんぢゃないかな、と傍観中です。
 
 
 
宗教 (raidaisuki)
2006-07-04 07:10:19
ま・ここっと様

たいへん貴重なコメント、ありがとうございます。 m(_ _)m (^_^)y

小学校の話はすごいですね。ほんと宗教は身近で切実な問題ですが、日本にいる人たちはそのへんなかなかぴんとこないんですね。



大学ではそろそろ前期授業フィニッシュを決める段階に入ってきました。ご覧の通り、ブログを受講生への指示に使うというのを考えました。ご意見ご批判とかありましたらお聞かせ下さい。 (^_^)y



 
 
 
生活実感? (ま・ここっと)
2006-07-07 21:28:34
こんにちは、先生。

実は小学生の間での改宗話は近所のシスターから聞きました。親が子供から事実を聞かされて驚いて教会に相談に来るパターンだそうです。

フランスの小学校はライシテ前の水曜日休業(カテシズム受講日)習慣が残っており、親によっては今も水曜日に子供を教会に預けるますが、子供にすれば面倒なこともある(笑)。そういう気持の時にたまたま「僕の宗教は準備いらないよ」という言葉で行っちゃうらしいです。Jeu innocent だと思うしかないのかも?

innocent という語はフランスの日常生活において常に引っかかる単語ですね。スリなども必ずJ\'uis innocent!と叫んで逃げていきます(怒)。

マグレブなどイスラーム系だけでなく、ジタンやロマの定住政策を実施したことでの副作用も生活面、宗教文化面など多々出ていますが、移民関連事項ではここ数日のレギュラリゼが深刻化しているのも心配事項かと思います。いや~、凄いですよ。中国人ばっか(笑。



http://info.france2.fr/france/22771378-fr.php
 
 
 
Unknown (raidaisuki)
2006-07-08 17:41:48
もうページが消えちゃってますが、中国系移民がフランスでも大きなプレゼンスを持つようになってきてますから、その関連記事ですね。

もうそろそろベトナム系を数で超えつつあるのでしょうか。

どういう分野でも、中国が出てくると話がぜんぜん変わってきますね。やっぱり21世紀の大勢力だな。

 
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