まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

タイルの楽園 その2(台湾)

2009-09-10 00:56:23 | ディテール
澎湖島続き。

二かん集落の陳宅は約百年前の伝統的民家で三級古蹟に指定されている。
ひときわ周囲を見晴らす場所に建ち、集落の奥座敷といった感じ。
入場料を払って門を入ると・・・うわぁ~!!


タイルタイル~!!看板建築の看板部分というか、見付の部分に、マジョリカタイルと、
鳳凰の絵付タイルと、小さな花形の形象タイルもある!伝統的な石積みの壁に映える
カラフルなタイルは、まるで宝石のようである。
抜けるような青空をバックに、う~ん、何て美しいんだろう・・・


いろんな種類を一列に並べてあるのをよく見ると中央で対称になっている。
一番端に菊の花の形象タイルがあった。長い布の房飾りのように。


建物は上から見ると「目」の字型になっていて、中庭が3つある。目の字の横棒に
あたる部分は、両側の棟への出入口であり、両棟をつなぐ廊下となっている。

そしてこの中庭がとっても素敵なのだ!!見て!
中庭に面した窓の下にも、マジョリカタイルと形象タイルを組み合わせた装飾がある。


渡り廊下に掲げられている額の周囲には形象タイルが!
深坑の鎮長の家でもこれと同じ使い方がしてあるのを見た。
右端の文字は「大正元年」に見えるが??


中庭に向かって風穴をたくさん取っている。居心地のよさそうな空間だ。
椅子でも出してきて座ってお茶を飲みたくなるなぁ~
ここの窓の下もさっきのと同じ使い方だが違ったデザインにしてある。


窓の下の形象タイルは桜だろうか。八重桜かな。かわいい~


開口部の上に色ガラスがはまっているのを発見。


それにしても何と美しいタイル!多様な使い方!柔軟な発想!
並べる、空間を埋める、縁取る、ポイント使い、囲む、構成する・・・・
タイルは壁を覆ったり床に敷き詰めるだけのものではないことがよくわかる。
何と素晴らしい民家だろう。まさしくタイルの楽園だった。

この日のツアーの途中で車の窓からタイルの貼られたお墓をいくつか見た。
観光スポットで車をおりるたび、周辺にお墓がないかと探していたのだが
残念ながら手の届くようなところには見つからなかった。
今度は是非お墓めぐりをしてみたいと思うのだが(笑)不謹慎と怒られるだろうか。


馬公のまちなかでも古そうな民家や廟を見かけるたびタイルを探したが
見当たらなかった。・・・・ところが。
意外なところでマジョリカタイルに出くわしたのだ!!
LANケーブルが売っていないかとダンナが電気屋に入ったところ、、、、


ええ~~っ!!なんでこんなところにぃ~~~!?うわぁ~~~!!


マジョリカ~~!スペシャルエンボス~~!


中央にはオウム柄のタイルが。


いや、入口の上の壁という位置、左右対称というタイルの配置はさっきの陳宅とも
共通しているではないか。なんと。。。
古い家から剥がしてきたもののようには見えないが、昔入手したが使わずに取って
おいたものだろうか。ビルにまで伝統装飾を施すとは。
真面目なのか、シャレなのか、わからないが・・・・脱帽である。

続く

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 撤去間近の阪和貨物線を見に行く | トップ | 台南の近代建築(台湾) »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mayumama)
2009-09-10 22:24:19
うわぁぁ本当にすごい島ですね。
タイルの館、圧巻です。
私も中庭でお茶飲みたいです。
しかしながら電気屋のタイルが最も驚きました~
それにしてもどのタイルもほんとに発色が美しいですね。
オウムのタイルはなんと愛らしく美しいのでしょう~
返信する
どうして? (yume)
2009-09-11 20:17:29
台湾にはどうしてこんなにたくさんタイルがあるんでしょ?
不思議です。
タイル好きのぷにょさんの興奮した様子が見えてきます(笑)
タイルも素敵ですが、建物そのものの形や古さもとっても魅力的。。

宝物がいっぱいって感じですね。
返信する
mayumamaさん、 (ぷにょ)
2009-09-13 02:07:29
電気屋のタイル、ほんとびっくりでしょ!!
見つけたときの驚きと言ったら!!
電気屋の入口で何枚も何枚も写真を撮っている日本人を
台湾人観光客はどう思ったでしょうね。
言葉ができれば、お店に入って、あのタイルの来し方についていろいろ尋ねたかったのですけどねぇ・・・
返信する
yumeさん、 (ぷにょ)
2009-09-13 02:15:21
これらは日本製のタイルも多いということなんですよ。
しかし、日本統治時代にタイルが入ってきたとしても、
二かん集落にしても他の民家にしても純粋な現地風の建築であり
日本統治よりも前の時代からあった形なのに、
どうしてそこにタイルを貼ることになったのか。
タイルが入ってくる前はどうだったのか。
日本や西洋の建築と共に入ってきたなら近代建築にも
使われていそうなものなのに、そこには使われていないのはなぜなのか。

謎がいっぱいです。
返信する
澎湖島に住んでいます (甘ちゃん@台湾)
2010-01-02 23:04:53
確かに台湾にはタイルが多いですね。以前は外側をタイルにすると、暫くの間はきれいで、汚れも付きにくくて良いのですが、古くなるとタイルが剥がれてきて、高い建物などはその落下が非常に危険でしたが、現在はその問題もクリヤーしているようで、外装をタイルできれいに飾った家が多く見られます。内装も床材として60cm角の大きなタイルを敷き詰めています。まるで大理石の様です。タイルは石よりも硬くて傷も付かないので内装には最適ですね。道教の廟には古代の物語を刻んだタイルがありますし、望安島の中社には飾りタイルがありますよ。
返信する
甘ちゃん@台湾さん、 (ぷにょ)
2010-01-03 01:30:17
こんにちは。2回目のコメントありがとうございます。
確かにタイルの剥落の問題は致命的です。。。
今は接着剤も施工法も進歩してきていますね。
タイルという素材は年月を経ても古びて美しさを増すことが
ない代わりに、汚くもならないのが特徴ではないでしょうか。
だからこそ、タイル一枚一枚の出来が建物の価値を
決めてしまう気がします。

道教の廟の古代の物語を刻んだタイルというのは見てみたいです。
今度澎湖島へ行く時には、いろいろご相談させて下さい。
今年もよろしくお願いします!
返信する
マジョリカタイル (ベル)
2017-09-29 16:16:53
マジョリカタイルで検索していたらこの記事にいきつきました。
台湾にもマジョリカタイルがあちこちで見られるんですね(^_^)
ちなみに、台湾でマジョリカタイルは販売されているところは見かけましたか?
来月台湾に行くのですが販売されている情報があればぜひ購入したいなと思ってるんです
返信する
ベルさん、 (ぷにょ)
2017-10-02 00:55:22
ようこそ、いらっしゃいませ!
台湾にもマジョリカタイルが時々ありますよ。郊外の方ですが。
古い建物がどんどん壊されていっているので、稀少になっています。
売っているところは私はあまり見かけていませんが、探せば
骨董屋さんとかには売っているんじゃないでしょうか。
ただ高いと思いますよ。。。
返信する

コメントを投稿

ディテール」カテゴリの最新記事