クラゲ部長

私の会社には「クラゲ部長」と言う方がいらっしゃいます。
この「クラゲ部長」一応、取締役でらっしゃります。
なのに…全然仕事をなさりませ～ん。

ウチは工場で本社は別な所にあるのですが、
本社から社長がいらっしゃると…馬車馬の様に働きます。
社長がお帰りになると…パッタリとお仕事を止めてしまわれます。
机の上で何やらやってるな～と思えばネット閲覧中。
この間などは、消しても消しても「エッチサイト」が現れる
現象に見舞われ「おっかし～な～、オレ、見てね～のによ～」と
小首を傾けてらっしゃいました。

「見てねー訳がね～だろ！！！」っとツッコミ入れたいのを我慢し、
「おかしいですネ～」っと艶やに笑いかけてあげました。

フラフラとクラゲの様に漂い、いつも何処に居るのか解らないクラゲ部長。
社長がいらして馬車馬の様に働いた次の日は
具合が悪いと会社をお休みになるクラゲ部長。

朝からお見かけしないな～っと心配していると
夕方頃に「いや～病院で点滴受けてたら寝ちゃってよ～、
今日はこのまま休むわ～」との電話。

「病院行く前に会社に電話一本入れろ～！！」っと言いたいのを我慢し、
「大丈夫ですか～、お大事になさってください」と語りかける私。

我社には３Ｆに第一応接室、第二応接室があります。
ある日、第一応接室にお客様をお通しし
「こちらでしばらくお待ちください」っと言ったときに
何やら床からモゾモゾと立ち上がる人影が～～。
クラゲ部長が第一応接室の床で寝てらっしゃいました！！
「ありえね～！！」との言葉を飲み込み
何事も無かった様にお客様をお通し致しました。
お客様も何も見なかった振りをしてくださいました。

それから、2ヶ月後の先日
今度は第二応接室にお客様をお通しし
「こちらでしばらくお待ちください」っと言うと
またもや何やら床からモゾモゾと立ち上がる人影が～～。
「クラゲ！！またオメーか！！」っと思いよく見ると
前回はカーペットがひいてあるとはいえ
薄地ですので…多分…痛かったのでしょう。
何処から持って来たのか、床にダンボールをひいて寝てらした
クラゲ部長。
「…。」お客様も私も言葉を失いました。
ウソ偽りの無い本当にあったお話でございます。