年の名残り雪

今年に別れを告げる為に降る雪
空に　宇宙に別れを告げる

けれど雪だって
別れの次はコンニチハだと
分かっているに違いない

空が更に清められて
明日からの日々が幸せであれと
私は空を見上げた

頬は冷たいけれど

ぶたれた後のように
後から後から熱い涙が頬を伝う
目の前は真っ暗なのに何故だか歩ける状態を
絶望を呼ぶのかもしれないね

どこをどのように歩いたやら
気づいてみれば展望台
家族連れとかカップルとか
何だか映画のエキストラみたいだ

ここで泣く訳にもいかなくて
コインを入れて望遠鏡を独占してみる
そしたらね
ビルや家の明かりが何だか温かくて
例えば親みたいだった
一番最初に私を歓迎してくれた人達のように…

お腹が空いた子供のように
望遠鏡をがっちり握りしめて風景を貪る
おかわり、おかわり…

まだまだ捨てたものじゃない
人も風景も街も
街を歩けばきっと
好きになれるラブソングの１つにも出会えるだろうから

来年がいい年になりますように！

愛を紡ぐ雪

雪に温もりを感じたり
無垢なまでに白いのは
月と星の愛の結晶だからかしらん

私の服や手袋に舞い落ちて
消えてゆく雪もあれば
そのまま大地に貰われて
春に芽吹く命を作ることを手伝う雪もある

確かに
雪の結晶は星のような形をしているから
月と星の愛の結晶なのだろう

町は雪
そして歌っているね
ジングルベル！と

大切な人に言いに行こう
「メリークリスマス！」