紅葉、冬に旅立つ

山あいに今年最後の紅葉がさざめいていた
なのに寂しさを感じなかったのは
風に揺れる時艶やかに笑い転げる娘のようだったから

初めて紅をさした乙女のように
華やかに屈託なく手を振っていたので
私はひそかに
来年また会う約束を交わしてその場を去った

石ころ

誰かに蹴られても
確実に前に進んでいく
それしか知らないにしても
お前が一番強いかもしれないね…

もしも天使がいるのなら

もしも天使がいるのなら
友や恋人
大切な人と一緒の時に初雪を降らせて欲しい
あの美しさは誰かと一緒に喜びたいのです

分かち合うことは倍増させることと同じことだから…

ご無沙汰便り

お元気ですか？
風邪などひいてやしませんか？
私のこと覚えてますか？

最後に会ったのはいつだったかしらね
あの夏の夜初めて天の川を見ながら
星々の果てについて話したわね

決してあなたの事を忘れていたわけではないのよ
寧ろ
あれから私が忙しくなってから
忙しい私が発する言葉が荒削りだったらどうしようと思ってた
荒削りな言葉でもしもあなたを知らずに傷つけてしまったらどうしようと思ってた

また近いうちに会えますか？
一緒に落ち葉を踏みしめながら果てまで歩いてみましょうよ
途中で温かいコーヒーでも飲みながら

私のことことを覚えていてくれたらの話だけど…