Χριστουγεννα(フリストゥーゲナ)
ギリシャでもスペインと同様、クリスマスに子供達がやってくる。違うのは「歌」があるということ。チャイムが鳴ると「歌ってもいい?」の声。「どうぞ」と入り口を開けると、トライアングルを鳴らしながらキリストの誕生を祝う歌を歌うのだ。そして歌が終わるとお金(1人1ユーロくらい)を渡し、「良いクリスマスを!!」の挨拶と共に去っていく。これがΚαλανδα・カランダ。言祝ぎの歌に祝福を込め、人々に広めるという意味があるそうだ。
外国ならではの珍しい経験。家に子供を迎える為に小銭を用意した。男の子は少し照れくさそうに、女の子は愛らしく歌う。街を歩くとあちらこちらに子供達の姿があり、カランダのメロディーがが聞こえる。商店では前のグループが終わるのを待っている混雑風景も。クリスマスの装飾がなされた街に生誕の日ならではの特別の空気が漂っていた。
欲張りな私は日本の子供達の背後からこっそりとついて行き、どんな風にギリシャの人と交流するかを確かめた。彼らは日本人学校の音楽の時間にカランダの歌をギリシャ語で習い、またトライアングルだけではなく笛の練習もしていたという。日頃から周辺の商店の人達とは面識があるので、その辺りは難なくこなしていた。ケーキ店ではお金だけではなく、お菓子までもらってご満悦。子供達は自信がついて、通学路から離れた住宅街に行き、見ず知らずのマンションで適当な部屋のチャイムを押す。
「歌ってもいい?」これも勿論、ギリシャ語。OKをもらって入っていく子供達を見送って私は外で待っていた。随分と時間が経ったような気がするのは、待っていたから。あちこちの家を訪問したからだと声を弾ませて戻ってきた子供達の頬は紅潮していた。どの家でも歓迎され、お金の他にチョコレートやクリスマスの菓子・メロマカロナなどを持たせてくれたり、予想外に多いお金をいただいたり・・ということだった。トライアングルを持って歩く日本人の子供達は目立つようで、道行く人に「歌って」と頼まれ、歌い終わった後に「ブラボー!」と拍手されたこともあった。ちなみに、どれくらいの額が集まるのか・・。午前中一杯の訪問の6人グループで一人あたり40ユーロくらい、という親も子も驚くべき高額な結果となったのだ。でもお金ではない。
短い滞在のクリスマスで経験したことは本当に一面だろうけれど、カランダに挑戦した日本の子供達の笑顔を通してギリシャ人の優しさや温かさを実感。それは私がギリシャの人達との交流の中で感じ取ったものと同じであった。(さ)
いつもありがとう!Ευχαριστω!
どうぞ今年もよろしくお願いしますね。新しい年が皆様にとって素晴らしい日々となりますようにお祈りしています!
クリスマスの歌の話、はじめて聞きました。
子ども達のはにかむ顔や紅潮した顔が目に浮かぶ
ようです。
2005年のクリスマスはアテネで過ごしていたのです
が、人々の生活空間とは違う町中に出ていたから
でしょうか、子ども達に歌ってもらえなくて残念。
でも、さらささんオススメのマロングラッセを
食べたのはその年の良い思い出(美味しい思い出)
です。
今年こそ、お会いできるといいのですが!
トルコでは、イスラムのお祭りの時に子供達がやって来るんですけど、歌は歌ってくれません...。お祝いには、チョコやキャンディーです。
似たような習慣があって面白いですね。
今年も、どうぞよろしくお願いします!
あの時、アテネに旅と聞いたので街情報をお話ししたのですが、よく考えてみたらカランダことも言っておけば良かったなと思いました。
でも、街中で体験するのは難しいですね~。私が住んでいたところは住宅街ですから、そのエリアに住む子供達がやって来たようです。
カランダは地方によって歌もいろいろだとか。
マロングラッセ、懐かしいですね。食べたいな。
すっかり日本に埋没してしまった近況です。お会いしていろいろお話ししたいですね。
トルコではイスラムのお祭りの時に、やはり同じような習慣があるんですね。一つ前の記事「クリスマス」にはスペインの子供の訪問のことが書かれています。どこからどう伝わった習慣なのか・・とても興味深いです。
またアテネに現在も住まれているharulaさんのコメント(スペイン語)には最近の礼儀知らずの子供のことなども書かれています。私は良い思い出しかないのですが、実際はいろいろのようですよ。
こちらこそ、今年もよろしくお願いしますね!
クリスマスに子供達の歌!素敵で楽しそうですね。私も、子供を迎える方ではなくて、歌ってお小遣いをもらったり、お菓子をもらったりする方をやってみたいです!
クリスマスの行事とのことですが、意味合いとしては日本の門付けみたいな感じでしょうか?
日本の子供たちも、カランダに参加したんですか。
どきどきの体験だったでしょうけど、いい体験をしましたね。見ず知らずの人たちからも歓迎され、道行く人たちにまで声を掛けてもらえるなんて、すごいです。
私の部屋にも、三人組の女の子が来てくれました。10歳位の。写真と同じように、トライアングルもって、歌ってくれました。でも、お金を上げるというのを知らないでいたもので、お菓子を出したりしたのですけど、首を振るだけで…。後から、お金だと聞きました。
彼女たちは、ニコニコしながら帰りましたけど…
今度滞在することがあれば(あって欲しい)、ちゃんと答えなくては。
新年のご挨拶もまだ、しておりませんでした。失礼をお許しくださいね。今年もよろしくお願いいたします。
ギリシャ人のあたたかさ、穏やかな光景がまざまざと眼に浮かぶ名文ですね。『地球散歩』の文章にはいつも感動させられていますが、今回の文章は、今後もずっと心に残る大好きなもののひとつになりそうです。子供達の後ろからこっそり着いていき、見守っているさらささんの優しさもたくさん伝わってきます。
ところで、ギリシャではクリスマスの訪問の歌を「カランダ」と言うのですね!実は以前、私のところでリンクさせて頂いている『ルーマニアへ行こう!』で、同じクリスマスの歌(こちらは「コリンダ」と呼ぶようです。名前からしても同じ習慣ですね!)のことが書いてあり、とても興味を持っていたのです。ルーマニアでやって、スペインではやらないということは、正教会的な行事なのでしょうか。おもしろいですね。
自分の日本語力が心配になってしまうようなコメントをしてしまいました。
カランダは迎えるよりも自分が出かける方が楽しいという印象でした。優しいギリシャ人と触れ合える絶好のチャンスですし。後ろからついて行きながら、あぁ、1時間でも子供に変身できたら!と思いましたよ。