『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』斑猫独語(29)**<2007.5. Vol.46>

2007年05月05日 | 斑猫独語

澤山輝彦

<「時は金なり」>

 チケットショップで1枚1400円で買った近鉄全線乗車券を使って、鶴橋から宇治山田行急行に乗り伊勢中川駅で名古屋行の急行に乗りかえ3時間半かけて名古屋へ行ってきた。傍から見ればけちで貧乏臭いが、安く、鉄道ファンの私にはたまらない。

 鶴橋を11時すぎの急行に乗った。電車はクロスシート(ロマンスシートとも言う)を期待したがロングシートだった。でもずっと空いていたから乗客を気にすることなく、楽々と横向きになって窓外の景色を楽しむことが出来た。榛原付近で見た山並みは友人と登ろう登ろうと言いながらまだ登っていない所だ。しばらく忘れていたがまた登りたくなった。沿線のあちこちに桜は咲いていて、室生口駅の桜には車内に乗客の感嘆の声が響いた。やはり桜はすごい。たしかにあれだけ山野を彩ることが出来る花は無い。青山高原通過時には、高校生の時ここへ遠足に来て6、7人で道を間違え先生方にご迷惑をかけたこと、その時の仲間に今はもう亡き者もいるな、など、しばし感傷的な気分に浸ったのであった。途中特急に抜かれるため停車すること度々であったが、大阪から奈良、三重へと電車は快走したのである。乗換駅、伊勢中川駅についての記事を少し前に鉄道雑誌で読んでいたので、乗りかえ時間を利用して駅を見て歩いた。人気の少ない軒をぶらつく私は、不審人物に見えたかも知れない。名古屋まではクロスシートの電車だった。津、桑名、四日市を過ぎる。このあたりあまり縁がなく土地勘に欠ける地だ。空いた車両に乗ったので左右の景色を楽しむことが出来た。名古屋駅には余裕の到着で、駅前や地下街をぶらついてから、所用を達成、歓迎され十分呑まされた。完壁である。

 誰も彼もが新幹線や特急などを使うのが当たり前のように移動(旅)しているこの頃だ。おそらくそうせざるを得ないようなダイヤが組まれているのだろうけれど、時間の余裕が無ければ仕方がないとして、余裕があればゆっくりとした移動(旅)を楽しみたいものだ。皆あわただしすぎる。それも金をかけて。ゆっくりすればいろんなものが見えるのになあ。

 もっとも、同じ車両にこうして名古屋まで行った人を4人みたから、ゆっくり動いている人はいるのだ。4人は道中ほとんど居眠っていたから鉄道ファンではない。きっとこういう移動(旅)に馴れた人たちにちがいない。

 帰りは新幹線を利用した。その日のうちに川西へ帰るにはそれしかないのだ。でも“のぞみ”には乗らず、“ひかり”に乗った。一寸時間はかかるが空いている。遠慮なくビール、つまみを楽しめるのだ。

 以上、考えれば変形「時は金なり」になっているのではないだろうか。

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