『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』横断車道(62)**<2011.1. Vol.67>

2011年01月06日 | 横断車道

“マイカー族”を脱して久しい。ドライバーの視点から、道路交通を見なくなったが。「渋滞」が減少していることは確かなようだ▼“道路族”の建設免罪符に、「渋滞緩和」といってきた。が、新設するたびに、「渋滞」は深刻になった。道路交通工学の立場から、新設により「渋滞」が増えるのは常識だが▼昨今の「渋滞」減少は、経済不況が原因。悩ましい問題だ。戦後、14万台しかなかった自動車が、一貫して増え続け、9000万台にせまった。それが、2007年から減少に転じた▼団塊の世代の青春は、車を買う夢があった。現代の青春には、そんな夢は存在しない。大卒の初任給が20万円。30年来、変らない。20代の勤労者の過半数が非正規。その過半数が、年収200万円以下のワーキングプア。これでは、マイホームどころか、マイカーなど考えない▼経済不況という側面のほか、車を必要としない社会の進行もあるのでは。人々の移動手段として、個人的自由・無政府的に、車移動が発達した。それを必要としない社会の進行も考えられる。インターネットの普及は、実際に行く必要性を少なくしている。反論も多いとは思うが▼さて、今の日本、一体如何なってんねん! 世界的に経済が滞っている。が、中国の昨年の経済成長は10%を越えた。インドなど、新興国は軒並み、GDP(国内総生産)が年間10%程度伸びている。欧米でも、この10年では、数割の伸び。日本だけがゼロである。成長しない国。“失われた10年”どころか“20年”である▼国民生活が厳しいのは実感するところ。では、大企業はといえば、毎期(四半期・3ヵ月毎)利益・率ともに伸びている。内部留保も年間11兆円を増やし、244兆円に。国際競争力というが、日本の大企業のように競争力のある企業は、世界に存在しない▼はて? 企業に国籍なんかあったか? そのうちトヨタはアメリカ企業。パナソニックは中国企業ということに。国民の得るべき所得分配を、給与でも、税金でも、社会保障でも、大企業に譲ってきた。だから、国際競争力も世界一。でも、国内市場が壊滅し、海外に出てゆくしかなくなっている▼企業に莫大な資金があるのに、国民が疲弊して市場が縮小。国内では投資ができない。使えなければ、使ってやる。遠慮しなければよい! そうすれば、日本市場が活性化し、大企業も国内投資ができて、儲けられるのに▼話は飛躍しすぎたが、経済不況で道路建設は縮小し、道路交通も激減し、道路公害も小さくなりつつある。めでたし、めでたし、とゆかないのが悩ましい。政治が変化して、経済活性化が望め、また道路公害で丁々発止とやる時代が来るのか?▼それはないと思う。ネット社会の進化は、思いがけない変化を呼ぶ。閉塞した日本社会の変化も、そうした新しい風が、呼ぶもののように思う。それに気がつかない向きは、結構多いが(コラムX)

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