澤山輝彦
<あの声 この音>
6月4日夜、大阪NHKホールで「上方演芸ホール」という公開番組を見た。大阪放送局のコールサインJOBKを「日本大阪馬場町の角」ともじって笑わせる漫才があったが、その角の放送局は無くなり、あたりも変わっていた。その夜の番組は、漫才、曲芸、マジック、切り紙など賑やかで面白かった。テレビの画面では感じることが出来ない臨場感がものを言っていた。
夢路いとし・喜味こいしの漫才は物売りの声を種にしたもので、昔といってもついこのあいだまで聞いていたとおもうようなものが、今ではもう漫才の種になるのだ。
最近の物売り(物買いもある)の声は、変なアクセント、おしつけがましいいやな調子を、テープに吹き込みスピーカーから流しているだけだ。こんな声を聞くと気分が悪くなる。早く通り過ぎてくれと思うだけだ。
サウンドコピーという二人組の音真似芸があった。自然保護などを話題にして、動物の鳴き声を真似る芸は上手いものだった。山羊と羊の鳴き声を比べると言って笑わせていた。話を今も世界中で紛争は絶えないという所へ持って行き、空襲警報のサイレン、爆弾が空を切って落ちる音、爆発音、連射されるのは機関銃か。
アメリカが空っぽの大儀でイラクを攻めた後のことだ。音真似の上手さを感心してはおれない。手はたたけない。妙な気分になってしまった。横山ホットプラザーズの音楽漫才で笑って会場を出たが、妙な気分を洗い流すには居酒屋のビ−ルが必要であった。
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