『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』道路公害反対運動全国交流集会に参加した*<2003.1. Vol.21>*

2006年01月08日 | 澤山輝彦

道路公害反対運動全国交流集会に参加した

川西自然教室 澤山輝彦

 11月9日、道路公共事業を問う!住民運動交流集会in京都、に参加した。京阪三条着、その日、京都は寒かった。時間に余裕があったので鴨川河川敷を北へ歩いた。北山には雨が降っているのか基部だけ色のしっかりした虹がかかっており、山が虹のベールをかぶったような幻想的風景を見ることが出来た。鴨川には数種のカモ類、サギ類、ユリカモメなどがいた。会場へ着いたが場内清掃中とかで会場にはすぐ入れず、寒さの駄目押しを受けた。

 「皆さん京都駅を通ってこられたでしょう。あの京都駅は巨大なパチンコ屋だと私たちは言っています。京都にはなじまないでしょう。ああいう風な京都の開発が続くと京都はつぶれます。それは道路にもつながっています。倫理的にまちがっています・・・国家の倫理を試す・・・」静かな口調の開会のあいさつではこんな話が印象に残った。続いて基調報告だ。これは経験を積まれた方がとうとうと述べられたので私はリズムに乗ってしまい居眠りをしてしまった。記念シンポジウムについては五日たってこの原稿を書いている今、内容をはっきり思いだせない。メモもとっていない、この時もときどき居眠りをしていたのだ。前日は尼崎で『みちしるべ』の印刷をしている。家に帰ったのは遅かったがいつもと変わらない睡眠は取った。睡眠不足ではない。私は暗い所でじっと人の話を聞いていると眠くなってしまうのだ。人の話ばかりではない。映画館で気に入った映画をみていても居眠ることがある。

 これからは情報産業のようなものが隆盛になるだろうから、物流形態も変わる、よって道路も変わるだろう。質疑応答でもこのことがとりあげられていた。こんなことが話されていたのをかすかに覚えている。特別報告東京大気汚染裁判判決を受けてを聞いて、汚染物質も風で吹き飛べば無いのと同じ、薄い濃度の汚染物質でも蓄積すれば濃くなる、など裁判上のやりとりが私には面白かった。判決を受けて自動車産業界ももう突っぱねてばかりはおれない、少しは変わって行くだろうということだった。自動車を減らさねばならない。物流などにかかわる大型トラックを問題にすることは比較的たやすいだろうが、一般の人々が持つ車、また自動車を持つことに抵抗なくた
やすく流れることについてはあまり論議されない。ここは考えるべきであると私は思う。

 二日目は分科会だ。私は第五分科会「都市再生と高速道路建設」に参加した。アセスメントについて、アセス制度は手続きでしかないということがまた分かった。それでも古いアセスメントは見直し、再アセスメントをさせるべきだ、という働きかけをすることを確認した。それが当該事業に人々の目を向けさせることになるからだ。東京都の環境アセスメント条例改正は住民参加がじゃまだ、アセスを形骸化させようという民間企業の要求に屈したものであると報告された。

 さて恐ろしいのは「都市再生」であった。“都市再生”一見“まちづくり”という言葉にも通じると思えるこの言葉、言葉通りなら都市が生き返るということだ。だがこの都市再生というのは都市再生特別措置法2002年4月5日成立、5月31日施行された法による「都市再生」だったのだ。どんな物か、どこが恐ろしいのか、報告者された標(じめぎ)博重氏の報告資料によると、都市再生法の特徴をわかりやすい言葉でこう項目だてて書いてある。

  • 民間に任せます。民間が都市計画事業を提案してください。
  • 規制なし。お好きなように。
  • 高さ180m、広さ15万平米までアセスは不要。
  • 収用法も使えます。
  • お待たせしません。
  • 資金の面倒も見ます。
  • アセス手続きも省略。

 まとめとして、この「都市再生」は経済への不明確な速効的効果を目論むとともに、民間へのいいなり放題の助成を保証する「無駄な公共事業」であり、厳しい批判と政策転換運動が必要です。とある。

 民間が公的性格を帯び、収用権まで持ってことにあたるのだ、恐ろしくはないですか。私は当日までこの法律が作られていたのを知らなかった。新聞第一面で連日成立か不成立かが報道されるようなものを除いて、新しく成立した法律の存在を知っている者など少ないのではないか。と自分の無知さを他人にもおしつけ少々の安堵感にひたるこのずうずうしさはどうだ。政治には常に厳しい目を、心を向けていないといけないのだ。こんなことを考えさせられた今回の交流集会への参加は私への強烈なカンフル注射となった。

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