『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』横断車道(32)**<2004.11. Vol.32>

2006年01月12日 | 横断車道

思い込みは、社会進歩の妨げになると感じる。日本人にはクラシック音楽は、芸術性の高いものと思われがちである。従って、他の音楽を「軽」音楽と称する。欧米でもライト・ミュージックと称するのか。最近は欧米のオーケストラを見ても、N響かと見まがうばかり、日本人(或いは東洋人)が多くを占める。日本人の音楽レベルが上がったとみるのか、西洋人のクラシック離れが定着したとみるのか、判断は任せよう。音楽理論からは、クラシック音楽は100〜200年前のヨーロッパ地方の民謡。音楽を構成する和声(和音)もリズムも、現代からすれば稚拙だ▼さて、イラク戦争は混迷を極め、アメリカとイラクの大学の共同研究で、開戦以後のイラク人の戦死者は、10万人にのぼる。その過半数が女性と子供であるから、悲惨極まりない。ブッシュなどは、イラク人の価値は欧米人より低く、多少は仕方が無いと思っているのではないか。しかし、日清戦争での日本兵の死者は1万人に過ぎない。多少の犠牲ではない。イラク戦争真っ只中の米兵は、動くものであれば女・子供であれ、何でも銃撃してしまうのではないか。それは単なる戦争の狂気ではなく、明らかなイラク人蔑視の作用であると考えている▼かつて古代メソポタミア文明を構築し、イスラム文化はヨーロッパの一部(現スペイン南部)までも、その勢力圏に入れた誇り高き文明の主人公であった。経済力からハリウッド映画が世界を席巻していると思われがちであるが、退廃的側面から、低俗的と受け止める文明もあることを、ブッシュは知らない。イラク戦争を十字軍に例えたところは、彼の歴史観の浅さを露呈したものである。十字軍の歴史は、攻められたイスラムから見れば、文化水準の低い海賊・山賊の類でしかなかった▼香田生誠氏の人質事件に際し、ブッシュの喜びそうな発言を選んで行った、我が小泉首相の思い込みは何か。ひたすらアメリカ財界の命令で、銀行・企業潰しに奔走する竹中大臣の思い込みは。この二人は世の中が如何になろうと、アメリカの手下になっておけば、国民はどうなろうと自らは安泰との思い込みなのであろう▼我々が道路行政に突き当たる時、当局は住民に情報を与えないことを使命とする。一旦決めた計画は、如何に良い対案であっても、絶対に変更しない。阪神淡路大震災でも、今回の新潟中越地震でも、道路や新幹線高架橋が被害を受けた。さすが今回は「予想を上回る揺れであった」とは言えなかった。しかし、東海・東南海・南海地震に備えない。海洋型地震は直下型地震のようなわけには行かないことは明白なのに▼間違った思い込みは、歴史の進歩でいずれ打ち砕かれるものである (コラムX)

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