『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**歌で繋がった砂場さんとの思い**<2009.2. Vol.56>

2009年02月05日 | 単独記事

歌で繋がった砂場さんとの思い

 

 みちと環境の会 北村美智子

 砂場さんと初めてお会いしたのは南北高速道路に反対する会の第一回総会の時でした。ある講演会に参加した時、何十年ぶりかに再会した知人が「武庫川にもしかしたら高速道路が出来るかもしれない!第一回総会があります」という内容のチラシを配っていて、そんな事実があることを全く知らなかった私は「なんで!?」という驚きと疑問と怒りのようなものを感じその総会に参加しました。

 壇上で真剣に話す砂場さんを見て力強さとどこか険しく厳しい表情をされていた事を覚えています。その後署名活動に伴う会合が何度もあり、いつも凛として厳しい砂場さんが時々優しい柔和なお顔を覗かせて下さり素敵な人だなと思ったものです。骨身を削って一生懸命運動に取り組むその姿と時々見せてくださる優しいその眼差しがなんとも人間らしくて大好きでした。

 今の自分達のことだけでなく、子ども達の未来の為に、もうこれ以上高速道路は要らないみんなそう思っていました。ある時、そんな砂場さんの姿を思い描きながら一曲の歌を作りました。「♪おじいちゃんが言ってた、きれいな空と川のお話し、昔話にならないように高速道路はいらない♪」高速道路が出来ようとしている事実を知って、何もせず環境が破壊され続けていく事をだまって見ていて、ただ昔はよかったよと過去の話のように子ども達に話しをするような無責任な事はしたくない!そんな思いを込めました。

 あの頃私よりもずっと人生の先輩の砂場さんの活き活きとした姿にずいぶん刺激を受けました。他の集会で時々歌を歌わせていただく機会があり、その度に砂場さんは何度も足を運んで下さりいつも遠くの方から見ていて下さいました。そして必ず「よかったよ~」って目を細めて優しく声をかけて下さいました。そんな砂場さんの前で最後に歌わせていただくのがまさかお通夜の席になるとは思いもしませんでした。仕事で遅くなった私達を祭壇の遺影は優しく迎えてくれました…そしてやはりあの歌でお別れさせていただいたのです。砂場さんのご冥福を心よりお祈り致します。

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