パリの日記 パティシエ卵の話

フランスでの留学生活・パティシエ生活・画家生活を綴ります。夫(アゼルバイジャン人)と息子も登場します。

オレンジピール オランジェット orangette

2014-03-19 20:20:51 | お菓子と研究

先週は用事があって、お菓子を大量に作っていました。
その中で、初めて「オランジェット」を作りました。(オレンジピールにチョコレートがかかっているやつ。)
以前書いたゆずピールのレシピを見ながら、そしてクックパッドを筆頭にネットでいろいろな情報を集めました。うむ~。書いてあることが違うんでないの?というものもあって、今回のオランジェット作成は情報収集から調理完成までなかなか面白かったです。

しかし、そうして完成したオランジェットが自画自賛レベルでした。
大量生産したので、この3倍の量を作りました。





これは、自分のためにもレシピを載せないと!!ということで、レシピです。
自分で気になったポイントも書いておきます。
ちなみに、目指すオレンジピールは「苦くない、でもオレンジの香り満載、固くない柔らかめ」です。ゆずぴーるの時は固めに仕上がって噛みごたえあるレシピですが、今回はチョコレートを付けるのでチョコレートの固さに合わせたかったのです。その分柔らかく仕上がっています。


○オレンジの皮(無農薬) 好きなだけ。今回は9個分
○グラニュー糖(大抵のレシピは皮の重量の80%だったので私もそれで)
○レモン汁 適量 今回は1個分

○あとで振りかけるグラニュー糖 適量



1、皮を洗う。

2、皮に4等分に切り込みを入れて剥く。この時、ヘタの部分から皮をはがします。
今回は、皮の白い部分を活かします。なのでできるだけ白い部分が残るように皮をはがすには、ヘタの部分からはがすと良いです。
柑橘系の苦さは、内側の白い皮にあるわけではありません。表面のつぶつぶに入っているオイルが苦いのです。なので、白い皮を残すからといっても苦さはありません。ご安心を。白い皮を残すことによって、ピールがふっくらして、厚みがでます。

3、皮が浸るように水を入れて一晩置く(12時間くらい)。苦みの成分オレンジ油を少し取り除きます。
水がオレンジ色、そしていい香り。オレンジ油が全部出ちゃうんじゃないの?!と思いますが、心配無用です!そんなに簡単にエキスと香りはでまくりません!

4、鍋に皮と浸るくらいの水を投入。強火にかけます。沸騰して5分したら、お湯を捨てて、再び水を投入。
これを全部で3回繰り返します。が、この3回目の時は、自動的に5分でお湯は捨てないで、3回目は皮の硬さを見ながら煮てください。爪で皮が切れるくらい柔らかくなったらOKです。お湯を捨てて皮を水にさらします。(6時間くらい。)
1回目、2回目、と煮ている最中はオレンジ油のいい香りに包まれます。お湯もオレンジ色。湯でこぼしを3回も繰り返して、オレンジの香りも全部飛んでしまうのでは!?と思いますが、心配ご無用。オレンジ油は強いのです!ここでちゃんと煮ることで油の苦みが取れます。でも香りはちゃんと残っています。水にさらすのも最後に苦みを取り除くためです。

5、皮の重量80%のグラニュー糖を計る。
水から皮を引き上げる。白い部分に水が浸透していますが、水切りは適当でOKです。ざっとで。そのままお鍋へ投入。砂糖の3分の1も投入。中火で煮ます。グツグツ言い始めてから20分煮ます。

6、20分経ったら、再び砂糖の3分の1を加えます。再び20分煮込みます。

7、20分経ったら、残りの砂糖を加えます。レモン汁も加えます。煮ている最中は皮から水分が出てくると思いますが、水分が減ってきて水あめ状態になりそうであれば、少し水を加えます。中火から弱火で3度目の20分煮込みです。
最後は20分が目安ですが、皮の仕上がり状態で判断します。食べてみて固ければ煮込み時間を追加してください。
この時点で多少苦くても平気です。後から乾燥させていくと苦みが消えたので。
汁が水あめ状態だと乾燥させる時に時間がすごくかかるので、汁はなるべくさらさら状態にして皮を鍋から取り出すようにします。


網やお皿に広げます。




8、ここで良く乾かします。湿度にもよりますが、1日~2日室内で放置します。ホコリがはいらないように、紙など乗せてね。
たまにひっくり返して、皮の部分と白い部分の乾燥度合いを見ます。

9、乾燥したら、グラニュー糖を付けます。
ほどよく乾燥させておかないと、グラニュー糖が溶けます。



10、室内で1日乾燥。ホコリ防止で紙をかぶせてね。

11、乾燥させると砂糖もしっかり定着して弾力がでてきます。煮た直後に比べて苦みも消えています。オレンジ油が落ち着いた!? 食べやすい細さに切ります。

12、オランジェットにはビターチョコレートが合うと良く見かけますが、私はビターはあまりすきでありません。ビター(75%)のものと、ビターよりのミルク55%を試しましたが、個人的には55%の方が美味しかったです。
チョコレートの温度調節は面倒ですが、チョコレートの艶にもろにでてしまうので、なんとか頑張りました。久しぶりに温度計を使いましたよ。チョコレート作業は好きでないのでホント一苦労でした、、。
湯煎でチョコレートの温度調節です。一度50度前後まで持って行きます。その後かき交ぜて冷やしながら28度まで落とし、その後再び温めて30度に持って行きます。
でも、やっていて感じたのですが、30度だと綺麗になりませんでした。かなり低い温度のほうが綺麗な仕上がりになりました。なんでだ?
なので、お手持ちのチョコレートとご相談しながら温度を決めてみてください。






ちなみに、レモンも作りました。



レモンは最初から細切りにして作業をしました。オレンジの4枚皮と作業的にどっちが良いのかを比べたかったのです。
結果:最初から細切りの方が煮る時間は短くなりますが、ちゃんと真っすぐにならないものがあります。チョコレートをつけたり、またはまっすぐの仕上がりにしたい場合は皮4枚切りで煮込んで、最後の段階で細切りにするほうが真っすぐな仕上がりになります。

ちなみにレモンピールには、チョコレートは付けずに、砂糖を振っただけにしました。レモンのさわやかな香りを楽しむためです。フランス人の間ではオレンジェットよりもレモンピールの方が評判がよかったらしいです。
友人にもさしあげたのですが、友人は○○のオランジェットよりもはるかに美味しいと言ってくれました。嬉しい!!


ということで、無農薬のオレンジやレモンを発見したら、是非お試しあれ!!


10 コメント

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美味しそう! (Ivy)
2014-03-23 13:18:30
こんにちは!ご無沙汰してます~。ずっとブログは拝見しているのですがコメントも残せず自分のブログも更新せずですみません…

オランジェットもレモンピールも美味しそうですU+2661ホントに某お店の以上に!食べたいです~。

またメールしますね(*^^*)
Ivyさん (petitefrance)
2014-03-24 17:38:47
こんにちは!お久しぶりです!Ivyさんのブログの更新がなかったので、お元気かな?と思っていましたが、メッセージ頂いて安心しました♪

オランジェット、、、昨日も無農薬のオレンジを見つけたので皮を目当てにたくさん買ってきました。今度はチョコレートなしのピールにしようと思います。

いつでも気軽にメッセージください♪
Unknown (ランコ)
2016-03-02 23:18:31
初めまして。
オレンジピールの作り方を検索していたら、こちらのブログにたどり着きました。
オレンジの白い部分をなるべく取るようにっていうレシピばかりでしたが、こちらのやりかたがものすごく
くわしく書かれてあって、また何故そうするのかってことも説明されてあったので、きっとおいしいのができるはずって信じて作ってみました。
結果は予想以上の出来で大大満足です。
2歳の息子は口に入れた瞬間、うぉ~って絶叫していました。(笑)
おいしいレシピ載せてくださってありがとうございました。
今度はレモンピールを作ってみようと思うのですが、
レモンもオレンジのように白い部分を多く残して同じやり方で作るのでしょうか?
ランコさん (Petitefrance)
2016-03-03 01:52:23
メッセージありがとうございます!
美味しくできて良かったです!
二歳の息子さんもうなるほどとは、嬉しいです。レシピよりも、お菓子に詰めた母の愛情が伝わったのですよ!
レモンピールもオレンジと同様に作って大丈夫ですが、レモンの皮はオレンジよりも硬いので、皮の表面の仕上がりは若干変わります(皮の内側の白い部分は同じ仕上がりになります。)なので、レモンを選ぶ際は、パリッと張った皮よりも少し柔らかめの皮を選ぶと良いと思います。
オレンジも皮の具合によっては仕上がりが変わったり、正直美味しくない時もあります。
是非いろいろと試してみてください♫
Unknown (ランコ)
2016-03-03 22:28:45
petitefranceさん
こんにちは。
早速お返事ありがとうございます。
レモンは少し柔らかめを選ぶといいんですね。
家族から今度はレモンで作ってって催促されているので、今週末にでもレモンピール作ってみようとおもいます。
ちなみに私もフランスに住んでいます。
柚子ピールの作り方ものせていらっしゃいますが、
フランスに柚子売っているんですか??
私は見た事ないですが。。
これからもおいしいレシピ楽しみにしていますね。
ランコさん (Petitefrance)
2016-03-04 23:54:15
今の時期はマルシェへ行くと、無農薬のオレンジやレモンが結構出回っているので、ピールを作るには良い季節ですよね。
ランコさんもフランスにいらっしゃるのですね。柚子ピールを作った時は、私はまだ日本にいたので実家の庭の柚子で作っていました。パリで柚子を見かけたのは、オペラにある日本食材店くらいでしょうか。でも、ピールを作れるほど気軽に大量に買えないので(汗)、フランスではオレンジかレモンを使っています。
レモンピールは爽やかでとても美味しいですよ!
Unknown (ランコ)
2016-03-06 22:33:59
こんにちは。
パリの日本食材店には柚子も売っているんですね。さすがはパリ!何でも売っていて日本並みの便利さですね。
私が住んでいる所はど田舎で近くに日本食材店もなくとても不便です。だからこそ、いろいろ手作りするようになったっていう利点もありますが。
大好評だったオレンジピールがなくなってしまったので、朝から準備してこれからお砂糖を入れて煮込むところです。
お子さん産まれてまだ間もないんですね。まだまだ寒い日が続きますので、お体お大事になさって下さいね。
子育て頑張って下さいね。
ランコさん (Petitefrance)
2016-03-07 22:13:59
手作り!良いではないですか!
私も、なければないで、諦めるか、工夫?適当?しながら作っています。
レモンピールは作られましたか?うまく仕上がるとよいですね♫
お気遣いありがとうございます。当面は育児中心で頑張ります!
Unknown (Kitty)
2019-05-04 17:42:46
はじめまして。
載せられていたオレンジピールについて質問です。
もし、オランジェットをゆずで作るとすると、オレンジと同じように柔らかめに仕上げた方が良いのでしょうか?
それとも、固めに仕上げたとおっしゃっていましたが、ゆずは固めのほうが美味しく仕上がるのでしょうか?
また、砂糖の量は皮の80%との事ですが、砂糖を図るのは茹でる前の皮の量の80%なのか、茹で上げ、水切りしてからの80%なのか、教えていただけると幸いです。
レシピでは3回拭きこぼしてからの、砂糖計量?なのかなと思ったので、make sureです。
また、レシピとは全く関係ないのですがフランス語を独学でペラペラに話す事ができるようになる為にはどうしたら良いのでしょうか?また、テンパリング時は30まであげるとツヤ感が違うとの事ですが、27度からあまり上げないとは28.9度くらいですか?

また、どうしても、最低、来年くらいまでにフランス語がペラペラにならないと多分完全に蚊帳の外状態を味わう可能性が大なのです(汗)フランス人は英語、話せてもフランス人同士だとフランス語はっかりだから、、、疲れる(笑)
お時間のある時に、良きアドバイスがあれば、頂けると幸いです🙇
何度も使わせて頂いてます (tomo)
2022-02-28 11:53:47
初めまして。オレンジピールを作るたびにこちらのブログを見させて頂いています!
いつも美味しいピールが出来ます。レシピを載せて頂いて感謝です。有難うございます*^^*

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