パリの日記 パティシエ卵の話

フランスでの留学生活・パティシエ生活・画家生活を綴ります。夫(アゼルバイジャン人)と息子も登場します。

オレンジピール オランジェット orangette

2014-03-19 20:20:51 | お菓子と研究

先週は用事があって、お菓子を大量に作っていました。
その中で、初めて「オランジェット」を作りました。(オレンジピールにチョコレートがかかっているやつ。)
以前書いたゆずピールのレシピを見ながら、そしてクックパッドを筆頭にネットでいろいろな情報を集めました。うむ~。書いてあることが違うんでないの?というものもあって、今回のオランジェット作成は情報収集から調理完成までなかなか面白かったです。

しかし、そうして完成したオランジェットが自画自賛レベルでした。
大量生産したので、この3倍の量を作りました。





これは、自分のためにもレシピを載せないと!!ということで、レシピです。
自分で気になったポイントも書いておきます。
ちなみに、目指すオレンジピールは「苦くない、でもオレンジの香り満載、固くない柔らかめ」です。ゆずぴーるの時は固めに仕上がって噛みごたえあるレシピですが、今回はチョコレートを付けるのでチョコレートの固さに合わせたかったのです。その分柔らかく仕上がっています。


○オレンジの皮(無農薬) 好きなだけ。今回は9個分
○グラニュー糖(大抵のレシピは皮の重量の80%だったので私もそれで)
○レモン汁 適量 今回は1個分

○あとで振りかけるグラニュー糖 適量



1、皮を洗う。

2、皮に4等分に切り込みを入れて剥く。この時、ヘタの部分から皮をはがします。
今回は、皮の白い部分を活かします。なのでできるだけ白い部分が残るように皮をはがすには、ヘタの部分からはがすと良いです。
柑橘系の苦さは、内側の白い皮にあるわけではありません。表面のつぶつぶに入っているオイルが苦いのです。なので、白い皮を残すからといっても苦さはありません。ご安心を。白い皮を残すことによって、ピールがふっくらして、厚みがでます。

3、皮が浸るように水を入れて一晩置く(12時間くらい)。苦みの成分オレンジ油を少し取り除きます。
水がオレンジ色、そしていい香り。オレンジ油が全部出ちゃうんじゃないの?!と思いますが、心配無用です!そんなに簡単にエキスと香りはでまくりません!

4、鍋に皮と浸るくらいの水を投入。強火にかけます。沸騰して5分したら、お湯を捨てて、再び水を投入。
これを全部で3回繰り返します。が、この3回目の時は、自動的に5分でお湯は捨てないで、3回目は皮の硬さを見ながら煮てください。爪で皮が切れるくらい柔らかくなったらOKです。お湯を捨てて皮を水にさらします。(6時間くらい。)
1回目、2回目、と煮ている最中はオレンジ油のいい香りに包まれます。お湯もオレンジ色。湯でこぼしを3回も繰り返して、オレンジの香りも全部飛んでしまうのでは!?と思いますが、心配ご無用。オレンジ油は強いのです!ここでちゃんと煮ることで油の苦みが取れます。でも香りはちゃんと残っています。水にさらすのも最後に苦みを取り除くためです。

5、皮の重量80%のグラニュー糖を計る。
水から皮を引き上げる。白い部分に水が浸透していますが、水切りは適当でOKです。ざっとで。そのままお鍋へ投入。砂糖の3分の1も投入。中火で煮ます。グツグツ言い始めてから20分煮ます。

6、20分経ったら、再び砂糖の3分の1を加えます。再び20分煮込みます。

7、20分経ったら、残りの砂糖を加えます。レモン汁も加えます。煮ている最中は皮から水分が出てくると思いますが、水分が減ってきて水あめ状態になりそうであれば、少し水を加えます。中火から弱火で3度目の20分煮込みです。
最後は20分が目安ですが、皮の仕上がり状態で判断します。食べてみて固ければ煮込み時間を追加してください。
この時点で多少苦くても平気です。後から乾燥させていくと苦みが消えたので。
汁が水あめ状態だと乾燥させる時に時間がすごくかかるので、汁はなるべくさらさら状態にして皮を鍋から取り出すようにします。


網やお皿に広げます。




8、ここで良く乾かします。湿度にもよりますが、1日~2日室内で放置します。ホコリがはいらないように、紙など乗せてね。
たまにひっくり返して、皮の部分と白い部分の乾燥度合いを見ます。

9、乾燥したら、グラニュー糖を付けます。
ほどよく乾燥させておかないと、グラニュー糖が溶けます。



10、室内で1日乾燥。ホコリ防止で紙をかぶせてね。

11、乾燥させると砂糖もしっかり定着して弾力がでてきます。煮た直後に比べて苦みも消えています。オレンジ油が落ち着いた!? 食べやすい細さに切ります。

12、オランジェットにはビターチョコレートが合うと良く見かけますが、私はビターはあまりすきでありません。ビター(75%)のものと、ビターよりのミルク55%を試しましたが、個人的には55%の方が美味しかったです。
チョコレートの温度調節は面倒ですが、チョコレートの艶にもろにでてしまうので、なんとか頑張りました。久しぶりに温度計を使いましたよ。チョコレート作業は好きでないのでホント一苦労でした、、。
湯煎でチョコレートの温度調節です。一度50度前後まで持って行きます。その後かき交ぜて冷やしながら28度まで落とし、その後再び温めて30度に持って行きます。
でも、やっていて感じたのですが、30度だと綺麗になりませんでした。かなり低い温度のほうが綺麗な仕上がりになりました。なんでだ?
なので、お手持ちのチョコレートとご相談しながら温度を決めてみてください。






ちなみに、レモンも作りました。



レモンは最初から細切りにして作業をしました。オレンジの4枚皮と作業的にどっちが良いのかを比べたかったのです。
結果:最初から細切りの方が煮る時間は短くなりますが、ちゃんと真っすぐにならないものがあります。チョコレートをつけたり、またはまっすぐの仕上がりにしたい場合は皮4枚切りで煮込んで、最後の段階で細切りにするほうが真っすぐな仕上がりになります。

ちなみにレモンピールには、チョコレートは付けずに、砂糖を振っただけにしました。レモンのさわやかな香りを楽しむためです。フランス人の間ではオレンジェットよりもレモンピールの方が評判がよかったらしいです。
友人にもさしあげたのですが、友人は○○のオランジェットよりもはるかに美味しいと言ってくれました。嬉しい!!


ということで、無農薬のオレンジやレモンを発見したら、是非お試しあれ!!


プロヴァンス旅行6 【アヴィニオン avignonの周辺】

2014-03-17 21:30:37 | パリでの生活2014年

先週はいろいろとバタバタしてまして、旅行の話がまだ完結していませんでした。ということで、続きです。


ヒッチハイクで連れて行ってもらった街「リルスーラソルグ」からバスでアヴィニオンへ戻ってきました。結局ホテルにチェックインしたのが18時近くだったと思います。ホテルでゆっくりしたいところ、夕飯を食べるところを探しに行きました。なんせ、その日は日曜日。観光地とはいえ、連日のことがあったので良さげなレストランがありますように!と、ホテル近辺を散策しました。
プロヴァンス料理があるレストランを発見したので、他のレストランを探すことなくそのまま入りました。最後の晩餐です。

夕飯の後は、せっかくなので夜の街を散歩しました。アヴィニオンの旧市街は城壁の中にあります。こうやって、現在でも人が住んでいるのがすごいといつもながら思います。城壁の保存状態はとても良いです。





翌日もほぼ快晴でした。
アヴィニオンは今回で2度目の訪問でした。1回目は2008年の初夏だったと思います。あの時は、モンペリエから日帰りで来ましたが、朝から遊んで帰りの電車は23時半という時間を精いっぱい使ったスケジュールでした。あの時も、アヴィニオンの旧市街はほとんど見ずに、アヴィニオン郊外へ足を伸ばしました。その時の旅がとても良かったので、今回も旧市街はほとんど観光せずに、朝から郊外(villeneuve les avignon)へ足を伸ばしました。

右に見えるのが「フィリップの塔」です。ここからの眺めは最高なのですが、なんと月曜日は定休日で入れず!。
その代わり、といってはなんですが、近くに公園があるので、そこの高台から旧市街を望みます。







そして、サンタンドレ要塞(fort saint-andre)が見えます。
あそこを目指します。




要塞を目指す途中、villeneuve les avignonの街中を歩くのですが、2008年当時と比べてほとんど変わっていませんでした。教会の目の前に広場ができた?というくらいで、あの時のままでした。
その街はとても小さいのですが、雰囲気がいかにも南仏という感じで、個人的にはとても好きな街です。

そうそう、ヒッチハイクで送ってくれた女性も、ゴルドのB&Bのムッシューも、アヴィニオンに行ったら「villeneuve les avignon」に行くことをお勧めしていました。この場所に限らず、今回の旅行で出会ったフランス人が『良い』という場所がどういう所で、どういう雰囲気なのか、ということを知れた旅でもありました。つまり、シンプル、規模が小さい、静か、これらの要素がフランス人が『良い』と言っている場所でした。我が家にはフランス人はいないので、こういう会話や実際に体験したことを通じてフランス人を更に知ることができるのです。


要塞に入る前に、要塞の周囲を歩きました。









途中までは、歩けましたが要塞の1周はできませんでした。
道が途中で終わっていました。探したのですが、断崖絶壁でビビリました。ネットもなく、久しぶりに恐ろしかったです。
↓は道を途中で引き返して、休んでいる最中です。ずり落ちている最中ではありません。




ということで、気を取り直して要塞へ入りました。一人5、5ユーロです。



12~13世紀のこと。アヴィニオンの旧市街がローマ教皇庁によって支配され、様々な建築が立てられていきました。旧市街はプロヴァンス領、川を挟んで西がフランス領と区切られたそうです。そのため、この要塞はフランス領にあり、ローヌ川の向こう側でアヴィニオンの街が発展していく様子を監視していました。

要塞の上からはアヴィニオンの街がよく見えます。視界200度以上です。










アヴィニオンに行かれる方は、是非是非villeneuve les avignonまで足を伸ばしてみてください。


旧市街まで戻ってきて、ホテルに荷物を取りに行きました。




夕焼けと旧市街の城壁。





さて、パリまで帰ります。
アヴィニオン旧市街からアヴィニオンTGV駅までは約3キロ離れています。
バスで行こうと思いましたが、次のバスが1時間後と窓口のおねいちゃんに教えてもらいました。
それなら、歩いて行こうということで、地図を片手に歩き始めました。

旧市街を離れて、車道を南に歩きました。
街の雰囲気が変わっていきます。黒人用の美容院とか、アジア系エピスリー(商店)などを見つけ、移民が多い地域なのかしら?と感じていました。そのまま地図を頼りに歩いて行くと、新興団地地帯に入りました。
へー、旧市街から離れるとこうして団地地域があるんだー。古い感じでもないし、いいんじゃな~い。とか思いながら私の前方5M先を歩くアゼルバイジャン人の背中を眺めながら歩いていました。
しかし、そんなのも束の間、団地地域の雰囲気が、、、怪しい。夕方まだ18時過ぎだというのに、団地の外では男性しかいないのです。しかも、皆、用事もなさそうで、固まって雑談していたり、または一人でポツンとつたっていたり。様子が変!なのです。外に出ている女性がいないじゃん!
私たちは、それぞれリックサックを背負っていたり、洋服からして、明らかに旅行者の雰囲気で、たむろしている男たちの視線を感じました。前方を歩くアゼルバイジャン人の足取りが早くなるのを感じました。
とその時、私は一人の男とすれ違ったのですが、その瞬間に、男が「シィ!」と言ったのが聞こえました。なんだ?なんだ?独り言か?

小走りでアゼルバイジャン人に追いつくと、「ねぇ、ねぇ、今すれ違った男が、『シィ!』って言ったんだけど。何?」と。


それを聞いたアゼルバイジャン人は急にイライラし始めたのです。

「『シィ!』って、麻薬あるよ、という暗号みたいなものだよ。この地域、さっきから男しかいないでしょ。しかも一人で立っているとか、あれ麻薬の売人だよ。僕たちが旅行者ってわかったから、麻薬いらないか?、『シィ』って言ったんだよ。」と。


何ーー!!!

アゼルバイジャン人、一刻も早く、この団地地域から抜け出すべくかなりの早歩き。
そうこうしているうちに、なんとバス停を発見したのです。しかもTGV駅行きの。
バスに乗る?でも駅はもう近いよ。とか話していたら、なんとバスが通過してしまったのです。

18時半だというのに、辺りは暗くとても心細い雰囲気でした。
でも、こうなったら駅まで歩くしかないので、地図を片手に歩き始めました。
しかし、歩いて行くと、地図上の道が高速道路のため徒歩では歩けないことが判明!!
ナヌーーーー!!
とその時、高速に沿うように、砂利道を発見しました。でも砂利道は森の中へ入って続いています。
他に道もないので、アゼルバイジャン人を先頭に早歩き。森からは犬の鳴き声も。誰かいる!?

アゼルバイジャン人のイライラはここでMAXでしたが、森の先に、オレンジの街灯がたくさん見えました。
あそこがTGV駅だとわかった時の安堵感はひとしおでした。
その後、わたくしがバスの件でアゼルバイジャン人に散々怒られたことはいうまでもありません。
結果、何事もなかったから良かったものの、刃物を突きつけられたらどうするの?と。そして、僕の顔立ちはフランス人ではないから、何もされなかっただけかもよ。とも。リスクは避けなければならないんだと。

日本人は危機意識が低いから、、私もその一人、という口実を並べ、説教は終わりましたが、ちゃんと反省しています。


そういえば、旅行中に見た番組を思い出しました。北アフリカから入ってくる麻薬は、地中海を渡ってモンペリエに入ります。その後は、南仏地中海沿いを東に、つまり麻薬はイタリアへ流れて行くのです。このルートにアヴィニオンが入っているのかはわかりませんが、そして、『シィ!』と言ってきた男が本当に麻薬の売人かなどはわかりませんが、久しぶりにドキドキしました。

そして、リスクは取らない!ということを学びました。
アヴィニオン、普通に観光したら見えないものが、45分歩いただけで別物が見えました。心の中では、旅ってこういうものでもあるよな、と思うのですが、はやり、危険なことは回避すべきなので、これからはもっと危機意識のアンテナを強化したいと思います。って、いつも同じこと言っている気がしますが。
みなさんも、旅はお気をつけて。危ないかも、と少しでも感じたら引き返えしましょう。それが防衛本能なので。何かがあっては遅いですから。


そして、今回の旅行は、たくさんの人に頼ってしまった旅でもありました。あまりそういうことはしたことがなかったのですが、そういうのも楽しかったです。

あとね、南仏の太陽は、やっぱり素晴らしい!!
パリ生活で太陽欠乏症でしたが、ホント元気になりました。なぜフランス人があんなにも太陽が好きなのかようやくわかりましたよ。


ということで、長々と書きました。


P・S すこちゃん、おっきな松ぼっくり拾ってきたよ。

プロヴァンス旅行5 【ゴルド gordes からアヴィニオン avignonへ】

2014-03-10 18:17:07 | パリでの生活2014年

4日目は、朝食を取った後、すぐにゴルドを出発しました。

といのも、ゴルドから少し離れたクストゥレ(coustellete)という村からアヴィニオンに行くバスがあるので、それに乗るためです。一日2本しかない、その1本目のバスは13時発だったので、念のため早めに宿を出たのです。ゴルド村からクストゥレまではおよそ7キロの道のりです。

ゴルドよ~、さよなら~。
快晴が続き、歩く足取りも軽いものです。





車の案内板にそって、車道を歩きます。
ゴルド村がいかに高台にあったか、車道はゆっくりですがずっと下り坂でした。
車道に沿って歩いていると、village de Boriesという昔ながらの石だけでできた家の集落の案内標識がありました。以前は村があったそうですが、もう人は住んでいなくて、今では遺跡となっている観光名所です。折角の通り道だったので、ここにも立ち寄ろうと思い、看板に沿って行きましたが、なかなか着かず、、、。バスの時間もあるので、引き返してきました。

village de Boriesのサイトはこちら


そして、再び歩きます。
乗る予定の番線のバス停を発見しました。方向的には合っていそうです。バカンス前だったので、その日はこのバス停にバスは来ないので、もっと先のバス停まで行かなければなりません。あと3つ先のバス停までです。

目指すバス停「クストゥレ ファーマシー(coustellete pharmacie)」という停留所を探していたのですが、それが キャブリエーダヴィニオン(Cabrieres-d'Avignon)という村にあることがわかりました。
なので、途中からこの村を目指して歩いたのですが、、、、。


村の中にバス停がなかなか見つからず、、、。村人を発見するたびに、クストゥレ ファーマシーについて聞いたのですが、どの説明も、ここから徒歩で4キロ。ファーマシー(薬局)は村には1つしかないから、わかりますよ。などと教えてもらいました。説明通りに歩くも、薬局のある気配はゼロでした。
再び車道に出て、村を出てしまう勢いだったので、説明正しいのかな?と、だんだんイライラしてくるアゼルバイジャン人。

村に1件しかない薬局だったら、村の中にあるでしょ?村のはずれにあったらお年寄りは行くのが大変じゃない?などと勝手な先入観がいけなかったのでしょうか。しかし、村人の説明に忠実に歩きました。

車道を歩いていたので、村人はもういません。見渡す限りの畑と、車道を通るのは車かバイクのみ。
道を聞きたいのに、聞ける人がいませんでした。

そうこうしているうちに、、、、バスの出発時間が迫ってきます。あと15分しかない!!と私の前方で走り出すアゼルバイジャン人。走り出しても、本当にそっち方面でいいのか!?と突っ込みをいれたくなるわたくし。
アゼルバイジャン人は、このアヴィニオン行きのバスが一日に2本あることは、この時はまだ知らず。その方が、危機感があるだろうからという私の思惑。お~、アゼルバイジャン人走っている~。
しかし、私が追いつけないくらい前方で頑張って走っていたので、私もとうとう、「バスはもう一本あるよ!」と言いましたが、2本目のバスは数時間後、時間を無駄にはしたくないということで、アゼルバイジャン人は走る足を止めませんでした。

そして、とりあえず、方向がこっちであっているのか人に聞こう!ということで、

わたくし、人生初のヒッチハイクを敢行したのです!!

私の前方50メートルを走るアゼルバイジャン人。そして、私も走りながら、後ろから来る車に親指を揚げました。ヘーーイ!!もちろん笑顔全開です!!なぜか気分も揚げ揚げでした。

1台目、車は満員。運転していたムッシューが両手を揚げて「残念」のポーズ。

2台目はバイク。バイクにも親指あげちゃいましたよ。この際、停まってくれればいいのですから。バス停の場所さえ教えてもらえれればいいいのですから。でもバイクはスルー。乗せてとは言っていないのにー。

3台目、運転手は若い女性で一人。へ~イ!!と笑顔全開の私。そしたら、右、右と指を指していました。
右に寄せて停まってくれたのです。
「ボンジュール!! クストゥレ ファーマシーのバス停を探しているのですが、ご存じですか?」と私。その間、前方を走っていたアゼルバイジャン人は、ユーターンしてこっちへ走ってきました。

「それなら、すでに通り越していると思うけど。」と私と同年代風の女性。

「私たちアヴィニオンにバスで行こうとして、そのバス停を探しているのです。」と息を切らしたアゼルバイジャン人。女性は私一人でなくて、アゼルバイジャン人も追加でいたので躊躇していた様子でした。
そりゃそうだよね。相手に車を乗っ取られるかもという恐怖心などもあるだろうし。
私はすかさずに「彼は私の夫です。」と。

私たちがアヴィニオンに行きたいということが分かると、その女性が「バス停は過ぎたけど、私は帰る途中なので、近くの街までなら乗せてあげますよ。きっとそこからなら、アヴィニオン行きのバスも出ていると思いますよ。」と言ってくれたのです。

親切な人だー!! そうこうして、女性は私たちのために車の中を片づけ始めました。
それにしても、送ってくれる街って、どこなんだろうか、、。遠廻りになったりしないかしら??などと一抹の不安のもと、車に乗り込みました。アゼルバイジャン人的には送って頂けるならどこへでも、という雰囲気がしましたが、、。

車内では、ゴルドやルシオンの話をして、アヴィニオンのお勧めスポットなどを教えてもらいながら始終和やかな雰囲気でした。ホ。

そして、女性は「私は今から帰る所なんだけど、その街は『L'Isle sur la sorgue』というのだけど、知らない?知らないなら、ここは一度は行くべきところよ!とても素敵な街なんだから。今日は日曜日だから、大きなマルシェがあるわよ。」と。

早くて聞き取りにくかったのですが、ソルグ?ソルグ?ソルグって、あのソルグ?!

「あ~、私その街知っています!ガイドブックにも載っていましたよ!」

リルスーラソルグって、日曜日の骨董市で有名なところではないですか!

ということで、女性が住む町「リルスーラソルグ」まで送ってもらいました。

「本当にありがとうございました!!私、人生初のヒッチハイクだったのですよ!!」と私。

「こちらこそ、どういたいまして。初めてのヒッチハイクに参加できて嬉しかったです。」と女性。


こうして、私とアゼルバイジャン人は、予定外の街へ降り立ったのでした。




街の中に川が流れていて、とても可愛らしい街でした。
お昼を過ぎていたので、通常のマルシェは片づけ始めていました。




どこから人が来るのか、観光客の多いこと多いこと!!
天気も良くて、アイスクリーム屋も繁盛です。




そしてみなさん川沿いでピクニックをしていました。私たちもパン屋でサンドイッチを買ってきて。




アヴィニオン行きのバスは何本もありました。さすが街です。
時刻表を確認してから、街を散策することにしました。
いろんなところに風車が。街の中だけで14個くらいありました。








骨董市はお昼過ぎでもやっていましたが、アゼルバイジャン人は骨董に興味がないので、軽く見て終わりました。街の中は日曜日のためお店は閉まっていましたが、カフェでは外で太陽を浴びながらみなさん食事をしていました。

私たちは、夕方、予定通りにアヴィニオンに到着して旅行最後の夜、街灯に照らされる街を散策しました。



あと1回で終わりかな。今日は長かったです。

プロヴァンス旅行4 【セナンク修道院 senanque】

2014-03-09 20:46:31 | パリでの生活2014年

3日目、ゴルド村を散策した後は初日に泊まったシャンブルドット(B&B)に戻ってきました。3日目もこちらにお世話になりました。荷物を宿に置いたら、休憩もつかの間で早速セナンク修道院へ行きました。

宿はちょうど、route de senanque(セナンク道路)上にあったので、セナンクに行くには便利でした。
宿のご主人に行き方を聞きました。宿からだとセナンク修道院までおよそ4キロ、徒歩で1時間です。

ラヴベンダー畑で有名なこの修道院で、ここもバスツアーが多いそう、徒歩で行く人はいるのかしら?と思っていましたが、、、。修道院への片道1時間のハイキング、これがすごく良かったのです!!


【徒歩で行く人へ】
セナンクまでは車線を歩いて行けば問題なく辿りつくことはできますが、車が横を通りすぎるのは気持ちの良いものではありません。徒歩専用のハイキングコースがありますので、そちらをお勧めします。山道とは違うので迷うことはありません。

route de cavaillon(カバイヨン道路)は二手に道が分かれます。道なりに進むとゴルド村行き、左の道を上がるとセナンク道路となります。
このセナンク道路をそのまま北に進み、400mくらい行くと、左手に砂利道(車は入れない)が出てきます。セナンク行きの標識がないので、本当にここかしら?と思うのですが、ハイキングコースの印である赤と白のペンキが若干着いているのが目印です。

私とアゼルバイジャン人も、ここで左手に曲がってよいかしら??と思っていましたが、とりあえず赤と白のペンキを見つけたので、では進もう!とした時に、ちょうど前方からナップサックを背負ったムッシューが来ました。
ムッシューが「どちらへ行きたいのですか?」と聞いてくれました。あ、この人はお話をしたい人なのかな?と思って、「セナンク修道院です。」と答えたら、

この道をひたすら登って行くのですよと、教えてくれました。ドメイン(敷地)同士は石で区切られていて、とても素晴らしい道です。そして途中車線とぶつかり、その後、一気に山道を下がると修道院がでてきます。と。

ちなみに、このムッシューはゴルドから4キロ下のvillage de Borier(昔ながらの石でできた家の村。現在では遺跡として保管されている観光名所)からハイキングしてきたとのことでした。


ということで、早速砂利道を歩くことにしました。




確かに、広大なドメイン(敷地)が石で区切られていました。道なりはずーーとこんな感じでした。途中壁が崩壊している部分もありましたが、全体的に保存状態がよかったです。平べったい石を重ねています。


道をひたすら進んで行くと、車道に出ました!




そして、標識も。ここからセナンクまでは600mだそう。




ここの車道からの景色もすごく良かったです。視界180度以上で、遮るものがありません。
午後4時ごろです。




そして、私たちはハイキングコースを行くので、車道を20mくらい歩いたらすぐに左手の山道を下りました。谷に下る山道です。写真で見る限りセナンク修道院はどういう地形にあるのかわからなかったので、こんな山道を下ってどんなところにあるのかしら、と思っていましたが、、、。

下り始めると、、、、何やら谷にあります。
あれかーーー!!!





こんな所にあるのですね。全ての禁欲を遂行するために、人里離れたこんな谷間に住むのですね。




修道院の目の前にはラベンダー畑がありました。季節ではないので灰色ですが。
この修道院はラベンダーをつくり、製品を生産することにより修道院の運営費などを賄っているそうです。





修道院の中の見学は、予約しないと入れないと思っていましたが、一応敷地の中には入れました。




セナンク修道院は男性の修道院です。祈りの場もとても質素でした。欲望を刺激しないためだとか。





日没を心配して、少し休んだら再び来た道を引き返しました。

このように、ハイキングコースには赤と白のペンキが塗ってあるので、そこを通ります。たまに赤と白で×が描かれていることもありますが、その場合はそこは通り道ではないという意味なので、進まないようにします。



帰りは45分くらいで宿まで着きました。








修道院の目の前だけでなく、山の斜面にもラベンダー畑があったので、その季節になればとても美しい風景ではないかと思いました。

徒歩の旅は、時間はかかりますが、素晴らしい風景を見ながら歩くのはホントに気持ちのいいものです。
そうそう、宿のマダムの話では、ラベンダーは7月14日の祝日にはたいてい狩るので、見るならそれまでに来るといいわよと教えてくれました。



セナンク修道院のHPはこちら
ラベンダー畑の写真も載っています。






プロヴァンス旅行3 【ジュカス joucas からゴルド gordesへ】

2014-03-07 22:12:41 | パリでの生活2014年


プロヴァンス旅行3日目、晴天に恵まれました。これぞ南仏ーーーの太陽!!
まだ冬ですが、太陽はパリとは異なりとても強かったです。気持ち~。
そして、今年は南仏も暖冬らしく、既にアーモンドの花が満開でした。花が終わって新芽がでている木もありましたよ。

赤い土、壮大なロマンを持った(私の頭の中では)ルシオン村を後にして、初日に1泊したゴルド村へ再び戻ります。ルシオンとゴルドは地図上で見ると距離にして約11キロ~12キロ。
ルシオンからゴルドまではもちろんハイキング!と称した徒歩計画だったのですが、なんとこの日もこの予定が良い意味で狂ったのでした。

というのも、ルシオンで1泊したシャンブルドット(B&B)のマダムが「ゴルドに行くなら、その手前にあるジュカス(joucas)という村がとても可愛いからそこまで車で送ってあげる」との言ってくれたのです。
なんということ!!嬉れぴー!!

ということで予定外のジュカス村を散策してきました。






この村も高台にあります。手前は葡萄畑です。これから青々とした葉っぱをつけるのでしょうね。





村の小さな教会がありました。




教会の隣には役所が。普通の家のようです。




高台にある村は色々入り組んでいるので歩くだけで楽しいです。








あっという間にジュカス村を見終わって、村をでました。目指すはゴルドです!
ここからだと6キロの道のりです。





車線を歩いているのですが、メインの車道ではなく、もっと交通量が少ない他の車道だったので歩きやすかったです。
あの山の上に見えるのがゴルド村です。




そうそう、ゴルドからルシオン間のメインの車道沿いにはたくさんのラベンダー畑がありましたよ。季節ではないので灰色がかった畑でしたが、この畑ならゴルドから徒歩でもアクセス可能です。
バスツアーに参加しない方は是非チャレンジしてみてください。



ルシオンに続き、「フランスの美しい村」にクラス分けされているゴルド村に到着です!
といっても、ここからが長かったな、、。





村は高台にそびえ立っていて、昔の名残の城壁が至る所にありました。う~む。谷あり山あり。敵から守る格好の良い土地だったのでしょうか。村は石でできました。




フランスのすごい所って、こういう歴史ものが現在でもずーーーと残っているところですよね。
しかも、普通に人が住んでいるのですよ。
歩くだけで中世にタイムスリップです。




村から下界を見下ろすと、、、
素晴らしい景色でした。





視界200度以上です。遠くに赤い村を発見。ルシオンではないですか。





見晴らし台(広場)は整備されていて、地元の人もピクニックしていました。
天気が良いし、この眺望。写真では伝えきれないのが残念ですが、、。
もちろん、私たちもベンチに座り景色を一人占めしてお茶を飲みました。





ちなみに、ゴルド村を違う角度から見ると、、、




この角度から撮った風景が有名ですね。
山の上にそびえ立つ村。姿が格好良いです!!


村の散策の後は、宿に荷物を置いて再び歩き始めました。
次に目指すは、、、そう、セナンク修道院です。





長くなったので今日はここまで。

ゴルド村のHPはこちら