凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

旅の宿 その7 「パーキングキャンプ」 

2005年07月23日 | 旅のアングル
 ながらく使用していた愛車のスズキ・ジムニーだったが、10年を過ぎて買い換えることにした。ジムニーは軽自動車だが機動性が高く、どんな悪路も平気だったので楽しかった。この車で北海道も九州も走り、愛着はあったのだが、さすがに乱暴に使いすぎてガタがきていた。
 次に選んだのは、同じスズキでも、エブリイ、つまり軽の1Boxカーだった。これは、よくクリーニング屋さんの配達などで使われている商用車で、普通はあまり個人の遊び用には使わない。ジムニーと違いターボも付いていないので加速しない。しかし、仕事で使うわけじゃないしのんびりでいいじゃないか。また二人家族でデカい車も必要ない。軽なら燃費もいいし経済的。外見のカッコよさは追求しない。そんなつもりだった。
 そして、この車を選んだのはもう一つ理由があった。

 それは、完全に車中泊を意識して選んだということ。旅に出たらもうテントもバンガローも止めて、Pキャン(パーキング・キャンプ~駐車場泊)に切り替えて行こうという魂胆である。
 Pキャンとは何か? 聞きなれない言葉かもしれないが、高速道のSAやPA、道の駅等の夜間も閉まらない公共の駐車場を利用して車で宿泊すること。「それってキャンピングカーがやるんじゃないの?」僕たちは軽の1Boxで立派(?)にPキャンしている。
 後部座席は倒すと完全にフラットになる。この完全フラットが購入の第一条件。そこに断熱材とエアマットを敷き、その上に布団を敷けば、家で寝ているのと寝心地はさほど変わらない。キャンプ時の寝袋より数段上の寝心地で安眠出来る。キャンピングカーでなくても大丈夫だ。あとは寝やすいようにそれぞれ改善、工夫をしていけばいい。僕達はカーテンを取り付け、車内は暗いので蛍光灯を取り付けた。あとは改造らしいことはしていない。
 場所は、高速のSAが一番設備がいいが、道の駅でも十分である。最近はどこでも道の駅があるので、宿泊場所を探す苦労はほとんどない。突き詰めて言えば、トイレ付きの駐車場であればどこでも可能。僕一人ならトイレがなくてもかまわない(失言)。

 さて、パーキング・キャンプにもマナーというものがある。
 その大前提は、ちったぁ遠慮して寝なさい、ということ。
 最近はPキャンも定着していて専門誌があるくらいである。折からの不況で旅行をしたいけど節約したい、という人たちが挙って車中泊をやりだしたので、ゴールデンウィークの道の駅などは考えられないくらい盛況だ。しかし、道の駅その他の公共的駐車場はPキャンのためにあるのではない、ということ。あくまで使わせてもらっているということを忘れないようにしたい。なので、最近よく目撃する、Pキャンの際にバーベキューをしたりして騒ぐなど言語道断である。ターフを張って、食器の後片付けなどを手洗いで行い残飯を詰まらせている人たちなどは実に迷惑である。駐車場とキャンプ場を混同している。だから昨今、「車中泊禁止」の立て札が立ったりするのだ。おとなしくしていれば見逃してくれるのに。環境に十分配慮して行うのはPキャンパーとして当然の責務である。
 アイドリングも当然ダメ。夏場は暑いのでエアコンつけっ放しで寝たいのは分かるが、駐車中はエンジンは切るのが当たり前。僕は外付けの車窓用網戸を持っている。気を遣ってもらいたい。

 さて、Pキャンの利点はどこにあるのか。もちろん予算の節約が一番大きいが、それ以外にもいい点が多い。
 土日利用の旅行の場合、遠くに行こうと思ったら移動に時間がかかって、それだけ現地で楽しむ時間が減る。渋滞もやっかいだ。こういう場合、金曜日の夜にもう出発してしまう。夜帰宅して食事を終え (アルコールを我慢して)すぐに出発、その日のうちに行ける所まで行って車中泊してしまう(ビールはそのとき♪)。翌日は既に目的地にほぼ近いところに居るわけだから、土曜は朝からゆっくりと観光及び行楽、そして日曜日は早い時間に帰路につくと渋滞除けになる。時間の有効活用が出来るのだ。
 また、目的地により近いところで寝ると行動がラクである。登山の場合など威力を発揮する。山に登る場合は、とにかく夜明けとともに出発したいもの。ふもとにある宿に泊まっていたとしても、やはり登山口までは移動しなくてはいけない。登山口と宿が離れていたりすると、早朝5時からバスが動いていることは稀で、タクシーを呼んで移動しなければならないときもある。そんな場合、登山口でPキャンしているとこれほどラクなことはない。起きてすぐに歩き出せる。縦走には向かないが。

 基本的に予約不要のPキャンなので行き当たりばったりでもいいのだが、情報収集をしておくとさらに充実する。高速のSAなどで予定する場合、例えば何時までレストランが開いているのか、などは事前に調べておいたほうが無難。一般道ならなんでもあるが、高速と言うのは物の購入手段がSA、PAに完全依存なので外すと困ってしまう。また、道の駅などは数も増えてどこにでもあるような気もするが、ある程度の計画は立てておいたほうがあてが外れなくていい。ネットで検索しておけば安心。快適に過ごそうとするなら温泉が近くにあるとベスト。食料を事前に調達し、ゆっくりと風呂に入って、一杯やって寝ることが出来る。呑んだらもう車は朝まで動かせない。用事は完全に済ませてから呑まなくてはいけない。

 繁忙期に宿の予約が取れなくても困らず、キャンプのように手間がかからず、モーテル泊のように時間が遅くならず、気楽でしかもタダで、早朝から直ぐに活動が出来て、考えようによっては旅のツールとしては最も優れているのではないか(と、僕は思う)。まあ特に薦めることはしませんが。

 次回に続く。

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6 コメント

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いいっすねー (kita)
2005-07-25 21:59:29
これこれ。私が今考えているのは、定年後の車上生活。ホームレスよりはちょっと上って感じ。しがらみをみんな捨てて、いつでも好きなところに移動できる生活にあこがれています。
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えっとぉ~ (明石屋_1955)
2005-07-25 22:38:53
アクティってホンダの車種名かと思いますが。

ススキならエブリィだと思います。
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>kitaさん (凛太郎)
2005-07-26 12:47:24
僕の場合はまだ「車上生活」とまではいかず、旅行なのでもちろん「車中泊」なわけですが、結構快適です。生活ともなるとある程度の装備は必要かと思いますが、軽でも結構広いので一人だと十分だと思いますよ。

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>明石屋_1955さん  (凛太郎)
2005-07-26 12:50:31
(。□。;)逆さガビーン!! 

これは単純に間違いだっ! ! 恥ずかしいので訂正させてくれ。というわけで、本文は直します(笑)。

(;^_^A アセアセ
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え~~ (明石屋_1955)
2005-07-27 20:53:13
変更しちゃったんねw

まぁ似たような形ですから仕方まいですけどね。
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すまぬすまぬ ^^; (凛太郎)
2005-07-27 21:33:29
なんで自分の乗ってる車なのに間違ったのかいまだに自分でも不可解なのだよ。形うんぬんの問題じゃないわな。所有しているんやから(笑)。
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