凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

旅の宿 その3 「民宿・ユースホステル」 

2005年07月10日 | 旅のアングル
 いわゆる「安宿」というものについてちょっと書いてみる。安宿、安い宿と書くとどうしてもゴキブリ走る廊下にシミだらけのセンベイ布団、というイメージになってしまうけれども、ここで書くのはそういう宿ではなく、ユースホステルやドミトリーの宿と呼ばれる一群の宿のことで、「旅人宿」と気取って言う場合もある。

<ユースホステル>
 ユースホステル(YH)にはずい分お世話になった。
 これは会員制の宿泊施設で、一人旅には利用しやすい。男女別相部屋が基本で、二食付きで現在だと4,500円くらいだろうか。知らない人に詳しく説明するのは筆力がないので、詳細は日本ユースホステル協会のHPをご覧いただきたい。
 高校生で自転車旅を始めて以来、僕はこのYHを基本的に根城にしていた。泊まると会員証にスタンプを押してくれるので、いつどこに泊まったかが一目瞭然という仕組みになっている。僕もスタンプを数えたら全部で300泊を超えていた。通算で一年近くYHで過ごしたことになる。僕が利用していたときは一泊二食で2500円~3000円程度で安かった。昔はカニ族(キスリングという横広のザックを背負って旅をしている人たち。通路を通るときに幅が広いので横になってあるくことからそう言われる)、僕たちの頃は自転車旅行(僕もそうだったが)、バイク旅、周遊券活用の旅の人が主流だった。
 基本的に一人旅の人が多く、宿泊者同士の交流も当然ながら生まれて、情報交換にも最適だった。
 難点もいくつかある。基本的に食事の配膳・片付け、ベッドメイキングなどはセルフサービスであり、どちらかというと「合宿」的な要素が強い。また、食事後に「ミーティング」なる催しがあり、基本的には観光案内やティータイム形式なのだが、中にはゲームをみんなでしたり歌を歌ったりするところもあり、一人旅なのに一人で過ごしにくいことが多かった。また基本的にはYHにはアルコールは置いてなくて、酒はご法度であった。ちょっと呑んべぇにはつらい。
 いいことは「寂しくないこと」。必ず旅人同士の団欒は始まる。普段街で女の子に声をかけることなど出来ない内気な人でも、ここでは「どこから来たの?」という絶対に答えてくれるセリフがあるため、打ち解けやすい。一人旅のつもりが、翌日は同日程の誰かとつるんで出かけることになる場合が多く、結局帰るまで一人の寂しい旅行が出来なかった、ということも多々ある。
 会員を離れてもうずいぶん経つので最近の事情はよくわかってないのだが、現在は定員の少ないアットホーム型が増えているらしく、昔のような歌うミーティングなどは影を潜めているようで。ニーズは時代と共に変わるのでいい傾向だと思う。
会員制であるため、宿としてはあくまでマイナーであり、夏の北海道などでなければ当日でも簡単に予約は取れるはず。何泊かしてみたら傾向がつかめる。うまく利用すれば楽しい。
 ただ、基本的には若者が多く泊まっている宿であり、結婚しても利用してたのだが、僕も30歳を過ぎてからは一部の常連化しているところを除き足が遠のいている。若者と話題が合わなくなったので交流がしんどい、ということもある。もちろん50歳や60歳で平気で若者と交わって楽しんでいる人もいるのだが。

<民宿>
 旅人宿関連で言うと、同系統の宿に「とほ民宿」がある。これらの宿は、YHを利用して旅をしていた人たちが宿の主人となって始める民宿で、言ってみれば「YHみたいな民宿」。特徴はYHとほぼ同じだが、こちらは会員制ではなく、一泊二食5~6000円くらいか。これらの民宿は横のネットワークがあって、「とほ」という小冊子を発行して宿のガイドブックにしているため「とほ民宿」と呼ばれる。僕もよく利用した。やはり北海道に多い。
 「民宿」というくくりで宿を見てしまうとそれこそ無限にあって、とても語れないし語る経験も少ない。「漁師さんの宿」とか聞くと魚が旨そうだが、これもピンキリであって選ぶのに難しい。ネット情報が今は充実しているのでじっくり選ぶ必要がある。僕は普段はいわゆる「民宿」にはあまり泊まらないが、離島へ渡るとそういう宿しかないので必然的に宿泊する。詳しい情報を持っている島もあるが、各論になるのでここではおいておこう。
 沖縄は民宿天国であり、今僕はこの歳になっても那覇では民宿に泊まっている。ここでは、一泊1500円という超格安の宿もある。完全個室でアパートみたいな作りになっていて、ホテルに泊まるより「滞在している」感が強く居心地がいい。値段だけでないお得感がある。

<ドミトリー・ライダーハウス>
 ドミトリーとは相部屋のことで、前述したYHや「とほ」宿もそうなのだけれど、もっと安い自由な宿を指す場合が多い。基本的に素泊まりで、ベッドを一つ与えられる。海外では安宿と言えばこれだ。しかし日本では少なく、例外として沖縄に多い。とにかく安いがプライバシーはない。学生寮みたいな感じかな。若い頃は僕もよく泊まったけれど、もうさすがに足を向けることはない。
 ライダーハウスとは、バイクで旅する人たちのための簡易宿泊所、とでも言えばいいのだろうか。北海道に数多い。施設は畳敷きの大部屋からプレハブ、簡易大型テントにマットを敷き詰めたものまで千差万別。料金もタダかタダ同然(経営している食堂や銭湯を利用すれば泊めてもらえる)から500円程度のものもあり、主としてオーナーがライダー好きであり好意で場所を開放してくれている場合が多い。女性が泊まれるところもあるが、基本的にはみんな相部屋である。オーナーがたいていは儲けようとしていないので、マナーを守って利用したい。僕も昔は自転車のくせにライダーハウスに潜り込んだこともあったが、最近はもちろんご無沙汰している。


 次回につづく。

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2 コメント

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はじめまして (kita)
2005-07-25 21:46:38
私もYHやとほの宿はよく利用してました。

一番のお気に入りは日高の「夢民村」かなぁ。ずいぶんご無沙汰してるけど、元気かな。まだログを積んでいる頃から見学にいったりしてました。
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ようこそ♪ (凛太郎)
2005-07-26 12:42:31
コメントありがとうございます。

「夢民村」には泊まったことがないのです。いつしかとほの宿からYHになっていましたね。環境がよさそうなので訪れてみたいと思いながら果たせずに仕舞いました。

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