テクニックは猿が上、フィジカルは虎が上。
ダイレクトパスを繋ぎ、すばしっこく走る。
大きな虎には倣おうとしても敵わない、猿の知恵。
香川のターン、本田△の切り返し、執拗に追うマエダ。
アジア最高の選手に食い下がる長谷部。
ライン際を駆ける長友と内田。
「いつか決めてくれるだろう」
と思っていた。
ところが、アジアは恐ろしい舞台だと再認識させられる。
PK?
PK??
PK???
厳しい判定、警告の出ないファール。
ピッチ以外で見えない何かが動いているんじゃ…、と
疑いたくなるような。
タテに、タテに向かう日本。
美しいコンビネーション。
虎の威を利用した、見事な同点劇。
「あれがエジだったらフカしてかもなぁ」
なんて思いながら。
中2日の虎、中3日の猿。
有利なのはどちらか。
落ちる運動量、先に圧力を失ったのは中3日の方。
力強い虎、スタミナ十分な虎、1対1では決して負けない虎。
今まで何度も噛み付かれ、痛い思いをさせられてきた虎の姿があった。
手を使うとファール。
当たり前だけど、当たり前じゃないルールに腐心するのは、
彼の国の系譜を継ぐ選手ばかりじゃなかった。
猿軍団、危うし。
笛に救われ延長戦に。
岡崎が強引に突っ込む。
(ゴンちゃんにどんどん似て来てるよね)
PK?
PK!?
PK!!
キッカーは本田△。
真ん中に蹴る、弾かれる。
詰めていたのは、俺たちの萌ちゃん。
もうウチの選手じゃないのに、ウチの選手なんだ。
延長前半、とうとう逆転。
「このままなら、ヒーローは萌ちゃんだ」
進まない時計、諦めない虎。
パスタの国の名将が、カテナチオ発動。
「出来るのか?」
ピッタの鹿島戦が過ぎる。
あのハセが足を攣る、
それだけ厳しい戦いなんだ。
最後の1枚は、永田ではなく本田拓。
もうちょっと、あと少し。
元東京の左SBが無尽蔵の体力を見せつける。
「すげーな、長友」
もうちょっと、あと少し。
虎が牙を剥く。
延長後半終了間際、再び同点。
PK戦。
本田△が度胸を見せる。
川島、止める、ドヤ顔。
岡崎、落ち着いて決める。
川島、止める、ドヤ顔。
長友、ふかす。
フル出場したSBに余力なんてないはず。
誰も、責めることは出来ないね。
4人目、コンちゃん。
「外さないだろうな」
コンちゃんの良さは、敵として知ってるから。
日本、決勝進出。
[追記]
もし、この試合最初の得点後のパフォーマンスがいかがわしいものだとしたら、
スポーツに邪念を持ち込んでいたなら、
そんな選手がいるチームにだけは負けたくない。
後付けだけどね、勝って良かった。
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