課題。（C大阪戦）

life / 2012-07-02 07:19:27

「また雨だよ」
「ガンバ、万博なんだぁ」
空港から千里中央、青黒のレプリカとすれ違う。
「今度は屋根あるからね」
蒸し暑い関西、
試合後に退団する選手のセレモニーを用意する対戦相手。
「たまにはね、嫌がらせしたいよ」
引き立て役ばかりじゃ、つまらない。

ＧＫ加藤
ＤＦ坪井・永田・槙野
ＭＦ啓太・阿部勇樹・平川・梅崎・柏木・マルシオ
ＦＷ原口
リザーブ山岸・濱田・暢久・宇賀神・矢島・達也・ランコ
平川もスタメン復帰、リーグ戦用メンバー。
スタジアム周辺は大層な賑わいだったのに、
数が多いだけな気がするスタンド。
「セレッソが好きだからじゃないんだろうね」
ウチもそうならないようにしないと。

慎重な立ち上がり。
「いいね、もっと前から来てくれれば」
相手ＦＷが食い付いて来る。
広島、東京に連敗したＣ大阪。
ならばウチとの相性も…。
マルシオのミドルをＧＫが弾く。
「滑るのかな、ＧＫが下手なのかな」
ＣＫ、競り勝つ。
阿部勇樹の縦パスが通る。
「いけるかも…」
淡い期待を抱かせる。
柏木、マルシオにボールが渡る。
「いい感じだ、これならいける」

中央で短いパスを繋ぐ。
「すげぇ！」
２０分、浦和先制０－１。
「啓太でしょ、啓太だよね」
美しいゴール、ウチらしい形。
押し上げるＣ大阪、空いたスペースを狙う浦和。
「嵌ってる、これなら大丈夫」
早く追加点を、清武が気負っている間に決着をつけたい。

アーリークロス、ボレーを合わせられる。
「ノブヒロっ！」
身体を張ったＦＷに後手を踏む。
「助かった…」
ノブヒロがマウスを死守する。
「何で１点取ると重心が後ろになるんだ？」
悪い癖が露わになる。
「決まらないかぁ」
阿部勇樹のミドルはＧＫセーブ。

前半終了、Ｃ大阪０－１浦和。

湿気が纏わりつくスタンド。
たった１点しかリードしていない。
そう感じてしまう展開。
「しっかり！」
拾えないセカンドボール、防戦一方になる浦和。
「落ち着いて、ゆっくりでいいんだ」
次々とミドルを打たれる。
「嫌なことして来やがる…」
１３分、平川ｏｕｔ宇賀神ｉｎ。
「ヒラ、９０分使えなかったのか…」
だったら出さなきゃいいのに、
それとも出さざるを得ないのか。

深い位置で原口がボールを奪う。
「自分で、自分で行ったっていいんだ！」
スピードを落とす、味方の上がりを待つ。
「そういう戦術だから、か」
個性が消える、
気持ちを表に出す選手がチーム戦術に埋没する。
「崩した！」
柏木がネットを揺らす。
「オフサイドかよ…」
主審は家本氏。
「そうなのかな、本当にそうなのかな」

「ウガ！！」
宇賀神が右サイドを抉る。
「うわっ…」
ゴール前に突っ込む原口、梅崎。
「合わないか…、惜しい」
これを繰り返せば実るはず。

２５分、柏木ｏｕｔ達也ｉｎ。
「何で？怪我！？」
太陽を失った浦和に、何が出来るのか。
「達也、頼む、頼むぞ」
チャンスがない訳じゃない、活かせないだけなんだ。
攻撃の枚数を増やすＣ大阪。
「どうだろ、ヤな雰囲気なんだよな」
バランスを崩しているはずなのに、ウチが前に向けなくなっている。

３５分、原口ｏｕｔランコｉｎ。
「とうとう代えたか」
Ｃ大阪、清武交代。
「あっちも勝ちに来てるな、マズいぞ」
残り１５分、時計が気になる。
ウガのクロス、ランコがニアに詰める。
「決めてくれよ…」
苦しい時間帯、喉から手が出るほど欲しい追加点。
「決めろ、打て！」
「弱い、弱いよ…」
抜け出したランコ、シュートに勢いがない。

「このまま、なんとかこのまま逃げてくれ」
アディショナルタイム４分。
「ノブヒロっ！」
弾く、詰められる、ネットが揺れる。
９０＋１分、Ｃ大阪同点１－１。
崩れ落ちる浦和。
「立てよ、諦めるな！」

攻められる、沸くホームゴール裏。
「しっかり、負けんな！！」
気落ちした隙を狙われる。
声を張る、この声はピッチに届いているのか。

「・・・」
試合終了、Ｃ大阪１－１浦和。
「甘かったかのな」
長居で凱歌をなんて、浮かれてはいけなかったのか。