夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

竹に虎図 菊川英山作

2010-10-29 06:22:42 | 浮世絵
所蔵作品解説(Ⅴ)-12
竹に虎図 菊川英山作
浮世絵版画2枚繋額装裏打 226*705




本作品は秋田の実家の旧蔵品です。屋根裏に木箱にしまわれていた古い掛け軸類に混じっていた作品です。

リンゴ台風を御存知ですか・・。秋田県北部、青森県を直撃した平成3年の強風の台風です。このときにこの某家の家の屋根が台風で吹く飛ばされて屋根を全面改修することになり、屋根裏を調べたところ、屋根裏にしまわれていた古い木箱を見つけ、開けてみたところ、古い掛け軸が多数出てまいりました


その中には平福穂庵の若い頃の珍しい作品もありました。その作品はまた後日

今回紹介するのは「竹に虎図 菊川英山作」です。
写真はだいぶ前に撮影したもので、写りが悪いのは御容赦願います。

軸装になってかなり痛んでおり、私のほうで額装に改装したものです。

美人画を中心とした作品が多い菊川英山の虎図は珍しいです。希少価値のある作品です。









昔は江戸にきたみやげ物や記念品として、地方の旅人は浮世絵の版画を買っていたそうです。美人画より、見たことのない虎の絵を持ち帰ったのでしょう


そのようなことで、秋田の田舎にも残ったものでしょう。

ちなみに前にも掲載しましたように、浮世絵は照明器具や太陽光線に晒すことは禁物で、保存は机の中に所蔵しておくことが無難ですと記載しました。

でもね~しまいこんでおくのも楽しみがないですね。本作品は2階の暗がりに飾ってあります。暗いところから虎の絵・・・。

菊川英山:浮世絵師。風俗画系、菊川派。父は菊川英二(造り花屋近江屋主人、狩野派の絵師東舎の門人)。
初め父菊川英二に狩野派を、後鈴木南嶺に四条派を学ぶ。魚屋北渓を通じ北斎に学ぶ。

得意は美人画、画風は初代喜多川歌麿風美人画。初代歌麿の死と同時に同風の美人画を描く。大判錦絵二枚を縦につなげた「掛物絵」の形式を創出。また北斎風の狂画も残す。

小流派ながら菊川流を起す。門人に渓斎英泉ほか多数。

名号は本名:俊信,通称:近江屋万五郎,号:重九斎。始年は1787年、終年は1867年。1806年頃より美人画を描く。1830年以降画業不振。享年、81才。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。