夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

山水画 貫名海屋筆

2011-06-16 06:08:57 | 掛け軸
風邪で絶不調でしたが、就寝前に卵酒を飲んで、たっぷり汗をかいたらだいぶ良くなりました。自然治癒が一番です。

貫名海屋の作品は「菘叟遽篤新黄魚肥山水之図」についで第2作目になります。

題名は「山水図」としてありますが。敢えて題名をつけるとすると「夕陽帰牧山水図」といったところでしょうか?

南画はその賛と絵を楽しむところにありますが、今は楽しめる教養と心の余裕がなくなっているためか、人気が全くありません。


山水画 貫名海屋筆
絹本水墨軸装箱入 503*1330

本作品は号から判断して70歳以降の作品と思われます。



賛は「人為観烟遊牧攸帷外間 結伴砕杯觴暮天客散 諌鐘動松葉源逕多夕陽 菘翁墨戯清題」とあり、意味は「遠くの景色を見ればもやがたちこめ、とばりがおり、うれえる所自然界はすばらしい。それにひきかえ、人間のすることといえば時間を忘れ,杯をくみかわし夢中になり仲良くなる者、争う者様々。時を告げる鐘の緒とに諌められて皆帰り散る。何と他愛のないことか。夕陽は松の一本一本すみずみまでまっすぐ日を照らしているというのに」という意味らしいです。



今の政治家に読んで頂きたいような賛です。


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2 コメント

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何と! (米吉)
2011-06-16 23:35:48
丁寧に、微細に、描かれているのでしょうか!
雄大な自然の中に杖持つ翁が一人
まさに彼こそ貫名その人ではないのでしょうか?
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南画 (夜噺骨董談義)
2011-06-17 06:59:43
お~~、米吉さん、南画の味わい方のそのものです。
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