乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

11月4日の交流会

2017年11月04日 | 乙女高原観察交流会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 11月の観察交流会は、4日に行われました。いつものように牧丘の道の駅に集合しました。今回の参加者は5名、先に帰りたい人もいたので、2台の車に分乗して、乙女高原まで行きました。途中、カラマツの黄葉やカエデ類の紅葉が見られました。今年の紅葉は天気のためか、いまひとつ鮮やかではありませんでしたが、所々にきれいな紅葉も見られました。

草原は一面のススキが枯れて薄茶色になっていて、もう晩秋という感じです。ロッジから草原に入った左側の草は刈られていました。県で刈ってくれたとのことです。刈られている所を歩いて、昨年見つけたネズミの巣(昨年、植原さんが印をつけてくれた所)を観察しました。巣の形はなくなっていて、そこに巣があったことはわからなくなっていました。でもいくつか新しく巣を見つけました。ススキの根元の地面に作ってある丸い巣を解体してみると中側は細かく裂いたような枯れ草でできています。その中に糞があるのを植原さんが発見して回収しました。今後、この糞を調べれば、何のネズミの巣なのかわかるかもしれません。楽しみです。

 夏にキンバイソウやアヤメが多く咲いた駐車場近くの草原の中に、歩くと水がしみ出てくるような、かなり湿った場所がありました。コケも青々としています。水が集まってくる場所であり、水脈が地表近くにあるのかもなどと話し合いました。まだ草の刈ってない場所にフユノハナワラビがたくさんありました。胞子のうが開いて、触れると胞子が白く粉のように飛び出すものもありました。

今回の観察会ではいろいろな実や種の観察をしました。特にいろいろなキク科の花の種をたくさん見ることができました。タンポポの綿毛のような種も、花によって少しずつ違っていておもしろかったです。ハバヤマボクチ、ノハラアザミ、タムラソウ、シラヤマギク、ハンゴンソウ、マルバダケブキ、アキノキリンソウ、セイタカトウヒレン、ノコギリソウ、コウゾリナ、ヤナギタンポポ、オケラなど、種になったほうが仲間同士ということがよくわかります。途中、茎は株立ちしてしっかりしているのに、花(実)の部分が折れて垂れ下がったようになってたくさん付いているキク科の植物があり、何だろうと気にしていたらひ らめきました。ゴマナです。枯れた後の様子から花の姿が想像できました。茎も葉もザラザラしていて小ぶりなポンポンがかわいいのはコウゾリナなど、似ているけれど、それぞれ違いもあっておもしろかったです。その他、イタドリ、ヒメトラノオ、アヤメ、イケマ、タチコゴメグサ、ツリガネニンジン、シモツケソウ、イチヤクソウ、マイヅルソウ、トリカブト、リンドウなどの実や種も観察できました。タチコゴメグサの実は初めて見ました。ロート状に上部が開いていて種が中に入っています。これはどんなふうに種が飛び出すのか、見てみたいと思いました。

リンドウの枯れた花が少し食べられていて、その花に斜めに棒がささったようなものがくっついていました。花に喰いついているようですが、薄茶色で死んでいるのかと思ったら、落ちて丸くなり、動きます。虫です。ロッジ前のテーブルの所に持っていき、見てもらうと尺取虫だろうということでした。確かに尺取虫のように逆U字型になります。でもそのうちにまたピンと真っ直ぐに頭を上げて棒状になってじっといました。何を意図した行動なのでしょう。不思議な尺取虫でした。

乙女高原のカンバ三兄弟のダケカンバやヤエガワカンバは葉をすっかり落としているのに、シラカバはまだ少し黄葉を残していました。三つの中でいちばん最後に芽吹くダケカンバがいちばん先に葉を落としてしまうということで、寒冷地仕様なのだということも改めて知ることができました。

昼食後、湿地の所へタニミツバ(これも初めて見るものです)を見に行きました。もう枯れかけていましたが、葉や小さな種を見ることができました。湿地の所では黒い実のついた低木がありました。ミヤマイボタノキです。実などの写真をとっていたら、イボタノキの枝にくっついているおかしなものを岡崎さんが発見しました。みんなで観察してみると、なんとセミのようです。ストローを枝に刺した状態で干乾びているのです。胴体部分はありませんが、目がくっついていたのでわかりました。どういう事件がこのセミに起こったのでしょう。他にもないかさがしてみると、今まで気づかなかったのですが、この湿地にはイボタノキがたくさんありました。そしてセミのストローのささったものが他にも二つ見つかりました。イボタノキとセミに何か関係があるのかどうかはわかりませんが、不思議でした。

先に帰る人たちと別れて、今年咲いたレンゲショウマの花後を見に行こうということになり、車で林道を走っていると、虹です。山際の一部だけですが、七色があざやかで太い虹でした。しばらく見入っていました。数分で消えてしまいましたが、美しい虹でした。レンゲショウマには実がついていました。トリカブトなどと同じような袋果でした。中に まだ黒い種が残っているものもありました。種が散らばってまた来年も咲いてくれるといいなと思いました。太陽は出ているのに、小雨が降ってきて、それで虹も出たのだろうと話していると、今度は空にアーチ状の虹が出ているではありませんか。見通しのいい所へ大急ぎで移動して、大きな虹を見ることができました。西に傾いた太陽の光と小雨の細かい水滴がすばらしい光景を見せてくれ、大感動でした。

毎回、いろいろな発見や不思議や感動のある乙女高原観察交流会です。皆さん、ぜひ参加しませんか。

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