乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

2023年3月の乙女高原観察交流会

2023年03月04日 | 乙女高原観察交流会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 水色の空が春めいてきたことを感じさせる3月4日、いつものように牧丘道の駅に集合。今回の参加者は3名、植原さんの車に乗せてもらい、出発しました。
 まず、乙女湖を見下ろす道路わきに車を止めて観察。乙女湖はまだほぼ全面結氷していて、白く見えます。そしてときどき、ゴォンというような音が聞こえてきます。氷の下で何かがぶつかっているのでしょうか。

鳥もいくつか見られました。ホオジロ、シジュウカラ、カケス、ヒヨドリなど。金峰山山頂は雪で真白、五丈岩もくっきり見えました。
 ここまでの林道には雪はありませんでしたが、柳平から先は、日陰には雪があり、凍っているところもありました。

 乙女高原到着。高原は日陰の場所に雪が残っていますが、かなりの部分には雪はなく、枯れ野が広がっていました。2週間前は全面真っ白だったそうですが・・・。日差しは暖かいですが、風はまだ冷たかったので、上着をもう1枚着こんで、草原に入りました。枯野には所々に黒い土が盛り上がっています。モグラか何かの仕業でしょうか。マツムシソウの小さな緑色の葉もありました。地面にピッタリくっついて冬越ししたのでしょう。オケラのドライフラワーは魚の骨のような苞葉が繊細で、自然の造形の妙を感じずにはいられませんでした。

また何かの植物の萼?の部分が固く丸くなっているのがありました。何だろうと植原さんがナイフで切ってみると、中には穴があいていて、繭のようなものが入っていました。なにかの虫こぶだったようです。おもしろかったです。


 森のコース沿いの雪面を登っていくと、動物の足跡がいくつもありました。中には爪の跡までくっきり残っているものもありました。テンの足跡のようです。斜面を下っていくもの、横切っていくものなど見られました。そして雪面には、いろいろなドライフラワーが顔をのぞかせています。キリンソウ、クルマバナ、シオガマギク、セイタカトウヒレンなど。朝に比べて空が青くなり、シラカバの幹の白さがより美しく見えました。
 展望台では富士山がきれいに見えていました。谷筋は雪で真白に、尾根は青く見えて、青と白の縦じまになっている富士山でした。ヨモギ頭に登ると南アルプスや八ヶ岳が木の間ごしに真っ白く見えていました。仙丈岳や間ノ岳のカールもよくわかります。遠く中央アルプスの山でしょうか。真っ白でした。それからブナ爺さんの所へ。いつ見ても不思議な枝ぶりです。どんな人生、いや樹生を過ごしてきたのでしょうか。
 そこから水が森林道へ。林道は雪で真白。車の轍は凍っていて、歩くのに少し気を使います。ここにも動物の足跡が。シカ、テンなどでしょう。鳥の鳴き声がしたので、声のする方を見ていると、ヒガラが数羽、飛んできました。コガラも混じっていたようです。陽があたっているコンクリートの法面では、ハサミムシが歩いていました。虫も暖かさに誘われて出てきたのでしょう。林道からも南アルプスがきれいに見えました。
 乙女高原の頭があると聞いて、行ってみることにしました。木を伐採するための道を登っていくと、確かに「乙女頭」という標識がありました。標高1730m、ヨモギ頭より5m髙いので、確かに乙女高原の最高地点かもしれません。ここからは金峰山がよく見え、五丈岩がいつも見る感じと違って、何かの碑のようでした。八ヶ岳も赤岳から天狗岳まで見え、硫黄岳の爆裂火口もちょっと見えました。展望を楽しんから、ロッジに戻って昼食。風もなくなり、陽ざしが暖かでした。
 昼食を食べたロッジ前のベンチ、ずいぶん斜めになっています。霜の力で北側のほうが持ち上がって、斜めになってしまったようです。恐るべし、霜です。

 午後はツツジのコースから、谷地坊主の湿地へ行ってみることにしました。草原に入って、枯草の上を歩いているとロゼット状の赤い小さな葉があります。何かと思ったら、メマツヨイグサです。これは特定外来植物なので、除去しなければならないなあと3人で話し合いました。


 ツツジのコースの林のふちはまだ雪が10cm以上残っています。1月に見たテンの糞の場所も積雪で糞は見あたりません。ウサギの糞がたくさんあった所にも糞はありません。ウサギはどこに行ったのかと思っていたら。少し離れたところに糞がいくつかありました。ウサギはいるということなので、ほっとしました。
 フデリンドウの冬芽がいくつかありました。フデリンドウは秋に芽を出し、冬芽の状態で冬を越すのだそう。

マツムシソウやウツボグサは葉を地面にピタッとくっつけるロゼットの形で冬越し。マイナス10℃以下にもなる冬の乙女高原で、健気に生きているのですね。
 最後に湿地へ。谷地坊主はボサボサ頭で、まだ少し雪の残る中にいました。頭の上はなでつけられたようになったものも。

バッコヤナギの芽が銀色に光って、春を感じさせます。ロッジにもどって、観察会も終了となりました。冬と春のせめぎ合いの時期ですが、春の気配はいろいろなところから感じられ、楽しい観察会でした。


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