乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

12月の観察交流会は「コケ」

2023年12月02日 | 乙女高原観察交流会
 いい天気でした。9時に牧丘の道の駅に集合したのは8人。簡単に自己紹介と予定の確認をし、さっそく車に乗って出発です。冬の始めなので、まずは氷華を見ようと、サワラ林と焼山峠で寄り道。さすがに今年は暖かい日が続いたせいか、あまり氷華が見られないなあと思っていたら、「ここにありますよ」と井上さん。落ち葉をかきわけると、その下に透明感のある白い氷華が次々に見つかりました。見つからなかった原因は「暖かい日が続いたから」ですが、そこにワンクッション入っていて、「暖かい日が続いた」→「先に落ち葉が積もってしまい、後から氷華ができたので、氷華が落ち葉に隠れてしまった」という事情があったようです。いつもの年だったら、落ち葉が積もる前に氷華ができるので、目立っていたのでしょうね。




 乙女高原に到着です。今日の案内人は塚田さんと大堀さん。さっそくお二人に案内していただきました。草原とは反対の沢の方に降りた・・・と思ったら、すぐに足を止めて、ミズナラの幹を観察しています。もう観察ポイントです。確かに幹の表面にコケが付いているのは分かりますが・・・よく見ると、アイスキャンディーのスティックが差してあります。スティックには「イトハイゴケ」「アラハヒツジゴケ」など、コケの名まえが書いてあります。聞くと、お二人で下見に来て、たくさんの、こんな「苔名板」をついておいてくださったといいます。それにしても、一本の木に3種類も4種類もコケが生えていて、それらについてお二人のコケ愛たっぷりの説明を聞いていたら、確かにここだけで半日過ごせそうだと思いました。ルーペでじっくり観察して、それをスケッチしていたら、日が暮れてしまいそうです。

 茎から葉が出ているのがはっきりわかるナミガタタチゴケのスケッチでは、茎から葉が出ている様子と、茎の上から糸のようなものが出て、その最後(てっぺん)に、細長い風船みたいに付いている蒴(さく)のスケッチをしました。蒴が言ってみれば、コケの「実」みたいなもので、中に胞子が入っているのだそうです。蒴が成熟するまでは帽をかぶっています。まさに「帽子」という感じで、この帽に特徴のあるコケもあるそうです。じっくり見て、スケッチしました。
 ナミガタタチゴケの帽は帽子というよりヘルメットみたいに見えます。先がとがっているところは、鳥のくちばしのように見えなくもないです。また、帽が蒴の頭の上に乗っかっているだけでなく、一部、蒴の横に垂れています。まるで蒴が短めのマントをまとっているようです。「ヘルメット・・・鳥のくちばし・・・マント・・・となると、これはガッチャマンではないか!!」これがぼくの結論です。ナミガタタチゴケのスケッチの隣に、ぼくが付けたあだな「ガッチャマン」と書いておきました。

 おそらく午前中で100mも移動しなかったと思います。それくらい「密度の濃い」観察会でした。いい天気ではありますが、とても寒い日でした。新品のエンピツくらい長い霜柱ができていました。ロッジに戻ってお昼を食べることにしました。沢は日陰が多く、そこに長時間座り込み、ルーペでながめたり、スケッチをしたりしていたので、体がすっかり冷えてしまいました。お日様のポカポカがとてもありがたかったです。 午後からもこの調子でコケ観察を続けました。スケッチする手を休めて、ふと時計を見ると、もう3時でした。あわててロッジにのぼり、解散しました。

 フィールドノートにぼくがスケッチしたコケは22種でした。家に帰ってから、手元のコケ図鑑で確認すると、このうち載っていたのは8種類だけ。約1/3です。つまり、今日観察したコケの2/3が、塚田さんや大堀さんがいなかったら、まったくわからなかったということです。いえ、図鑑を持って行ったとしても、図鑑に載っている種だとしても、とても同定できなかったと思います。お二人がこれまでのコケ観察によって蓄積されてきた知識に、改めて敬意を払います。















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