乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

2023年1月の乙女高原自然観察交流会

2023年01月07日 | 乙女高原観察交流会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 

 1月7日の観察交流会。数日前は雪予報もあり、心配しましたが、良い天気になりました。今回の参加者は3名。途中、道路が凍っている所があって、危ないかもしれないということで、牧丘道の駅から植原さんの車に乗せてもらって出発しました。

 サワラ林のところで、カメバヒキオコシの氷華を観察。根から吸い上げた水分が凍って根元に氷の造形ができています。透明でうつくしかったです。

サワラの木々は曲がって、いろいろな樹形になっていて、それぞれに歴史がありそうです。

 次に琴川ダムのダム湖、乙女湖の上の道に車を止めて、湖を観察。全面結氷にはなっていませんでしたが、ほとんどが凍っています。厚く氷が張っているところとまだ青っぽい薄氷のようなところがありました。その中にすじや亀裂のような部分があり、御神渡りができるのかなと話したりしました。そして見ていると湖から何か音が聞こえます。けものの鳴き声にも聞こえる不思議な音。氷がぶつかっているのか、凍る音なのか不思議です。

鳥の鳴き声がしたので、どこにいるのか探すと、カケスが2羽、木の枝にからみついたツルウメモドキの実をついばんでいました。ここにはヤドリギのついた木もあります。雌株と雄株があって、雌株には実がついています。陽の光が当たって黄色い実がきれいでした。

 ゲートの中に入ると道の凍った所が何か所かありました。焼山峠から小楢山林道に少し入った所で観察しました。斜面から水が出ているところはすっかり凍って、氷が段々になっています。氷の上を水が流れて、それがまた凍り、何日もかけて段々になったのでしょう。

峠の奥の湿地の中に入ってみました。ここは通常は水が流れたり、たまっているところですが、すっかり凍っています。スケート場のようになった氷の上を、すべって転ばないように気をつけて歩きました。真っ平ではなく凸凹があります。

雪の上には動物の足跡もありました。テン、シカ、イノシシなど。小鳥が枝から枝を動いています。双眼鏡で覗くと、ルリビタキのメスです。体の横の黄色が鮮やかで目がぱっちりして、かわいかったです。

 乙女高原に到着しました。

草原の半分くらいに雪が残っていました。雪の季節の楽しみは動物のいろいろなフィールドサインです。雪原にはいろいろな足跡がありました。植原さんに足跡や歩き方の特徴など教えてもらいました。テン、キツネ、ノウサギ、何かの鳥の足跡が見られました。キツネの糞もありました。遊歩道上には足跡がたくさんあって、動物も歩きやすいのかなと思いました。

雪面には小さな氷の結晶がキラキラ光っている所があって美しかったです。

展望台では雪をかぶった富士山がよく見えました。反対側にはカラマツの樹幹越しに八ヶ岳も見えました。前の斜面に何か所か土が盛り上がっています。イノシシが掘り起こしたようです。モグラの掘った土の小山もありました。

昼になったので、いったんロッジに下り、ベンチで昼食にしました。晴れて風もなく、意外に暖かかったです。昼も氷点下の厳しい寒さを覚悟していたので、よかったです。

午後はツツジのコースを歩きました。尾根に向かう三差路にテンの糞がたくさんありました。ここはテンのトイレになっているのでしょうか。センサーカメラで確認できたらいいねという話になり、急遽、植原さんがカメラをロッジまで取りに行き、設置しました。

下って行くとウサギの丸い糞が点々と落ちています。古い鹿柵のある曲がり角のところにはウサギの糞がいっぱい。笹の先端が食べられていて、この場所で食事をし、糞をしたのでしょうか。ここにもセンサーカメラを仕掛けてウサギの様子を見たいということで、また植原さんがカメラを持ちに行き……。(植原さん、本当にありがとうございます)カメラに動物たちのどんな姿が映るか楽しみです。

谷地坊主の湿地に行こうと、東側のゲート扉を開けようとしたら、地面が凍って、持ち上がってしまい、開きません。そこで扉を持ち上げて開けようとしたら、ちょっと上げただけなのに、金具がはずれてしまいました。金具は10cmくらい差し込んであるのですが、すでに8cmくらい上がっていたのです。重い鉄の扉を数cmも持ち上げてしまう氷(霜柱)のパワーはすごいものです。3人で外れた金具を差し込みましたが、あと少し上がったら、金具が外れて扉が開いてしまうかもしれないと、とりあえず結束バンドで止めておきました。

谷地坊主は雪と氷の中で寒そうな感じ。ここで、植原さんが数日前にアオシギを見たというので、探しましたが見あたりません。タイミングがあわなかったのでしょう。でもアオシギはなぜ、こんなに寒くて、食べ物もないようなところにやって来ているのでしょうか。湿地を見ると凍っている所が多いのですが、水の流れがあります。草原から水が湧き出ているので凍らないのです。それなら、その流れの中に水生昆虫などがいて、それを食べにやって来ていることも考えられます。三人とも納得して帰りに向かいました。

駐車場では彩雲を見ることもでき、今年の観察交流会も幸先がよさそうです。兎年でもあり、乙女高原のウサギもたくさんいそうな様子も見られました。他にもいろいろな動物たちのフィールドサインを見つけることもでき、とても楽しい観察会でした。


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