アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

教科書から、『鎖国』が消えるのかぁ…

2017年02月23日 | Weblog
小中の教科書から鎖国が消えるという。日本の歴史において、「鎖国」は、重要な位置を占めていたのに、消えるってどゆこと?
 文科省の説明は、「その時代にも日本が完全に閉ざされていたわけではなかったから」。この説明に納得したからかどうか、「鎖国表記をやめることに賛成」という意見が日々増えているような。鎖国期の経済・文化の発展は、「中国、朝鮮、オランダ」との交流があってのもの。それはよく分かります。
 しかし、私は、「鎖国」を教科書から削除するなどとんでもないことと思っています。もう決まったのですから、しょうがないですがね。文科省の理由が、「屁理屈」としか思えない。

 「鎖国することによって、江戸幕府が保身に流れ、外国との交流を断った結果、国の発展が遅れて明治以降苦難を強いられた」…これが史実でしょ。
 先に挙げた、「(鎖国していた江戸期の)経済・文化の発展は、中国、朝鮮、オランダとの交流があってのもの」。という論と矛盾していませんか?
 一方は「艱難辛苦」、また一方は、「経済・文化の発展」…矛盾でしょうがぁ!
 なぬ?「どっちも間違っていない、矛盾しているわけではない」って?だったらなぜ、「鎖国」を隠すの?教科書から消すの?

 私の人権教室用の自作教材(スライドショー)に、「ジョン万次郎」があります。(←出ました!さりげない自慢)「万次郎が住んでいた家」「ホイットフィールド船長の家」「万次郎が通った小学校、上級学校」等の写真は、私が現地で撮っものを使用。そのほかのスライドの大半は、「自分で描いて、デジカメで撮って、パワーポイントに貼り付けた」。アナログなのかデジタルなのかよく分からないって?まあ、アナデジですかね。
 それで、ジョン万次郎ですから、鎖国によって人生を変えられた日本人ですよ。 ホイットフィールド船長に、鳥島で助けられて、なぜ日本に送ってもらえなかったのか?鎖国していたからでしょ。
 11年ぶりに日本の土を踏んだ万次郎が、故郷、(現在の)土佐清水市へ帰るのに、およそ1年かかった。なぜ?鎖国している日本に、米国から(鎖を壊して)帰ってきたので取り調べられていたから。
 鎖国抜きで、ジョン万次郎を語ることは出来ないのです。

 自分の人権教室のために、「鎖国を教科書から消す事に賛成できないんだな」って?確かにそれもありますが、屁理屈で、鎖国を教科書から消すなって事です。
 竹島、尖閣を日本の領土と明記する…これは、韓国、中国が抗議してきますから勇断、英断!
 だけどさあ、「鎖国」を消すには、英断も勇断も、なーんもいらない。反対するのはアンティークマンぐらいなもの。アンティークマンは、今、ビックリ腰なので身動きとれないから、「消しちゃえ、消しちゃえ」。安直すぎるっーの!

 なお、ケンペル(オランダ人医師)の「鎖国論」には、「日本は独自の文明を持つ成熟した社会」と。これ、屁理屈派にとっては、強い味方だよねぇ…。