軌道エレベーター派

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STARSプロジェクトシンポ 軌道エレベーターの実験について発表

2015-07-03 12:08:26 | ニュース
 小型衛星によるテザー展開などの実験を行う「STARSプロジェクト」の成果や展望を発表するシンポジウムが2日、静岡大学で行われ、軌道エレベータ-の技術にかかわる実験などについて発表が行われた。
 STARSプロジェクトは 対になった2基の衛星をくっついた状態で放出。テザーを繰り出して間を結びながら親と子の衛星を分離し、約100m以上延ばして、地磁気を利用したローレンツ力による姿勢制御の実証実験や影響を調べるなどする。これまでに香川大学によるSTARS衛星が運用されている。

 このうち軌道エレベータ-の基礎技術の実験を行う「STARS-E(Eはエレベータ-の頭文字)」は、展開したテザーの間を小型クライマーが昇降する実験を行うもので、日本大学の青木義男教授らが、進捗状況や展望について説明。現時点での構想では、高さ計50cmの親子衛星を分離し、親子の間を結ぶテザーを「孫」にあたるクライマーで往復させ、クライマーの性能や衛星の安定度、テザーへの影響の評価などを行う。
 この実験の場合、クライマーの昇降運動の反動が親子の衛星の位置を変化させてしまうため、クライマーは極力小型化し、重量150gに収めたいとしているほか、テザーを挟み込んで駆動するローラーを多数用いることで、接触面への摩擦と負荷を軽減することなどを想定しているという。青木教授は「学内での実験とあわせて、このSTARSプロジェクトでエレベーター研究にできるだけ貢献したい」と話した。
 衛星軌道上からのテザー展開は、想定される軌道エレベーターの建造プランの、建造の最初期に求められる関連技術であるだけに、深いかかわり、軌道エレベータ-に関する軌道上での実証実験は初めてでもある。

 この日はこのほかに、静岡大の学生チームが、テザーのたるみを抑えるリール機構などを備えた「STARS-C」や、デブリの除去を目的とする「STARS-D」などについて発表が行われた。(関連記事:宇宙での軌道エレベーター実験計画採択

(軌道エレベーター派 2015/7/2)
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