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水を持つ天体、続々発見

2015-03-15 14:03:11 | 気になる記事
木星の衛星ガニメデ、地下に水 「生命の可能性さらに」

米航空宇宙局(NASA)は12日、木星の衛星ガニメデの地下に、塩分を含む大量の水を確認したと発表した。水の層は厚さ100キロに達し、水量は地球の海水より多いという。生命の存在に欠かせない水が大量に存在することで、ガニメデにも生命を育む環境がある可能性がでてきた。(後略。朝日新聞デジタル 3月13日)

 おお、非情に興味深い。ヽ(○´w`○)ノ 同じ木星の衛星エウロパや、土星の衛星エンケラドゥスにも似た環境が観測されており、ガニメデにも、となるとひょっとしたらこうした構造を持つ天体は多いのかも知れません。これらの星は、木星や土星の巨大な引力による潮汐で、凍り付いた岩盤が動くことで熱が生じるらしいですね。エウロパではその際に噴水のようなものが吹き上がる様子も観測されています。で、俗に液体中の方が化学反応が起きやすいので、岩盤の下に広がる海(?)の中で生命につながる現象も発生する可能性がより期待できる、というわけですね。

 今後の発見にぜひ期待したいものですが、相当難しいだろうなあと思うのは私だけでしょうか。人が行って潜って採ってくるなんてわけにはいかない距離ですから、おのずと探査機に頼るしかない。で、宇宙機を飛ばして衛星にアプローチし、クレバスのような場所を見つけて上空から、もしくは着地して観測機器を落とすなどするしかないんでしょうね。厚さが10kmやら100kmもある岩盤もしくは氷塊をボーリングするだけの資材は運べませんし。そうなると、地底湖のような場所からデータを中継する設備も必要というわけで、準備も大変でしょう。惑星の潮汐で岩盤がガシガシ動いてるんですから、地表からの定点観測は維持できないかも知れないし。
 一番気になるのは、これはもう科学の世界の宿命というか、生命現象をどこまで確認できれば「生命を発見した」と判断できるのか? 学者というのはそういう断言はしないものなんじゃないかと思うんですよね。生物学的には、生命とは①外界との境界面を持つ ②エネルギーと情報の代謝を行う ③自己複製をする――を満たすものを指すのが一般的だそうですが、何十億kmも離れた場所の状況を、そこまで観測できるものでもないでしょう。その意味では、仮に何かの発見したら、その何倍、何十倍もの疑問を生み出すに違いありません。

 しかしそれでも「生き物っぽい何か」の、さらに「痕跡」だけでも見つかれば、やっぱり素晴らしい。やっぱりそれは、天文学や生物学にパラダイムシフトを引き起こすでしょうし、「私たちは特別な存在だ」という驕った人間中心主義からの脱皮にもつながるかも知れません。何よりも、好奇心が満たされ、さらにそそられるというのは、生きることと同義だと思いますので。このサイトで何度も述べていることなんですが、自分が生きている間に進展があってほしいものです。
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