釜石の日々

三陸海岸

青森県南東端から岩手県沿岸部を経て宮城県の牡鹿半島までの海岸を三陸海岸というがこの三陸海岸はリアス式海岸になっていて暖流と寒流が行き会う場所でもあるため世界三大漁場の一つと呼ばれて来た。しかしリアス式海岸は同時に多くの津波の被害を受けて来た。リアス式は湾口が広く、陸に向かうにつれて狭くなっているため津波のエネルギーが陸に向かって集中する構造になっている。岩手県は「1600年以降の津波来襲エネルギー集積値」が日本で一番高い県だという。1960年5月24日午前4時30分三陸海岸を襲ったチリ地震津波は時速800Kmの速さでチリ沖からやって来た。三陸海岸における被害は、死者61名、被災世帯6,832戸(35,279名)、流失家屋472戸、全壊家屋472戸、半壊1,100戸、浸水家屋4,656戸に及び、岩手県内の被害総額は82億余円だったという。釜石の古老はこのチリ地震津波をヨダ(海嘯)と呼ぶそうだ。何の前触れもなく押し寄せてくる津波を指すそうだ。チリ地震津波以前には1896年と1933年の三陸沖地震津波が岩手を襲った。いずれも釜石東方沖を震源地とするマグニチュード7.6と8.3の地震による。1896年の津波では人口約6,500人の釜石町で死者4,000人以上、流出全壊家屋は全戸数約1,100戸のうち約900戸という甚大な被害を受けた。大船渡市三陸町の吉浜では最大波高24.4メートルを記録したという。こうした津波の経験から各湾に堤防が作られるようになり、津波時の避難場所も設定されるようになったが堤防は湾内の海流を変えてしまって海底の有り様も変化してしまったそうだ。


釜石の公園に咲く十月桜(寒桜) 寒さの中で小さく縮んで咲いているように見える
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