釜石の日々

自然に浸った半日

今日は朝から雲が空を覆って日が射さない一日になった。娘に架かって来た息子からの電話では、大阪でのゴスペルコンサートも無事終えたようだ。午前中はのんびり過ごして、昼頃から娘と二人で遠野へ出かけた。犬たちの餌の買い置きがなくなったので、いつものホームセンターへ行く必要があった。出かけに釜石で少し、紳士服の店に立寄って小物を買ったが、この時応対してくれた方が若い独身の店長で、応対に卒がなく、恐らく都会での勤務経験があるのだろうと思えた。尋ねてみると、やはり、鎌倉市近辺の生まれで、横浜や都内での勤務の後に、釜石へ転勤で来られたと言う。遠野も曇天であったが、窓から入る風がとても気持ちが良かった。釜石や遠野には蕎麦の美味しい店があり、中には自分の店専用の契約農家があったりする。遠野の市街地に入って間もなくのところにもそうした1軒の店があり、久しぶりに今日はそこで昼食を摂ることにした。この店も蕎麦を契約農家で作っており、蕎麦が美味しい。蕎麦を食べると必ず蕎麦湯を出してくれる。食後にはサービスのコーヒーも出る。お店の人の応対も気持ちがいい。ホームセンターでの購入が終わると、福泉寺へ行った。ここの境内で黄菅が自生しているのが見られる。ただ黄菅の時期がさすがに過ぎていた。山百合が代わりに伸びて来ていた。山門からの長い松並木の空気が新鮮だ。山手には簡易の八十八カ所めぐりの小さな御堂が点在している。仁王門のそばの池には黄菖蒲と睡蓮が咲いている。ちょうど雨粒が落ちた時のような水の輪が所々に見えるので、よく見てみるとアメンボウがいた。睡蓮の花の近くの葉の上にはカエルが乗っていた。福泉寺の仁王様は新しく、彫刻もやや戯画的で、一般的な仁王像に比べて気迫に欠ける。あまり好みではない。釜石近辺では数少ない、逍遙しながら花を見ることの出来るところだが、今一つ中途半端なところがある。もう少し、花の数を増やせばもっとたくさんの人が訪れることが出来るだろう。今のところ春と秋が主体だ。ゆっくりと境内を回った後、いつもの遠野の田園地帯をのんびり車を走らせた。相変わらず遠野の田園には何か所かでたき火の煙が立ち上っている。遠野の自動車学校の手前まで来た時、土手から雄の雉の頭が出ていた。距離にして3m位だ。車をゆっくりバックさせて、娘に助手席から下りて、見てみるように指示した。車を回り込んで近づいた娘の目の前から虹色に輝く羽根を付けた雉が飛び立って行った。こんなに近くで野生の雉を見たのは娘にとって初めてだった。途中で道を逸れて、通りがかった農家の庭先に咲く菖蒲を、断って、見させていただいた。さすがに遠野は菖蒲が咲くのも遅い。バイパスへ戻って、上郷の産直に立寄った。また3つほど山野草を買ってしまった。ここには遠野の伝統工芸品も売られている。早池峰神楽の面まで売られている。釜石にいる間に1つは買っておきたいと考えている。本物の面なので価格も決して安くはない。娘は都会ではとてもそんな値段では買えないだろうと思われる安い値段の手作りのブローチを買っていた。竹細工の魚釣り用の魚籠なども、ネットの値段を考えると、極端に安い。注文後に作られるようだ。釜石自動車道の2つのトンネルを抜けたところで、突然霧雲が周囲を覆っていた。釜石市内も、周辺の山々は30m以上の高さでは霧雲に覆われていた。遠野とはやはり天候が大きく異なっている。
遠野福泉寺の松並木

簡易八十八カ所の御堂

仁王門のそばの池の睡蓮

田園地帯の道ばたに咲く月見草

上郷産直で売られている早池峰神楽の本物の面
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