釜石の日々

氷山の一角

感染症の場合は特に、公表値はあくまで氷山の一角でしかない。無症状感染があればなおである。中国で新型コロナウイルス感染が報じられ始めた、早い段階で英国の研究者は、すでに2月4日までに中国の感染者は25万人に達すると言う予想を公表していた。中国には、中国版LineやFaceBookを運営する巨大IT企業テンセントTencentがあるが、先週土曜、そのテンセントの「エピデミック・シチュエーション・トラッカーEpidemic Situation Tracker」というタイトルのウェブページで、新型コロナウイルス感染確定数が15万4023人、疑わしい人が7万9808人、死亡者数は2万4589人、治った人269人と書かれていた。台湾タイムズthe Taiwan Timesが報じた内容だ。現在は、すでにこのページはなくなっている。何にしろ、公表値よりも遥かに多くの感染があると考えていた方がいいだろう。意図があろうとなかろうと、感染症では、把握出来るのは一部でしかない。「世界の工場」の閉鎖が長期化しそうだ。感染者の出たタイは、やはり景気減速が明らかとなり、タイ始まって以来の低金利となっている。米国の短期資金市場であるレポ市場への中央銀行FRBの介入も昨年9月以来、現在もなお続けられている。「異常」が定着した形になっている。4日には、620億ドルの資金調達が必要とされたが、それに対する資金供給量は300億ドルしかなかった。短期だが、毎日現金の必要に迫られている経済主体が絶えない状況が米国で続いており、中央銀行以外では、現在の金利では、その資金を提供出来ないのだ。中央銀行は他にも、短期国債の買い取りを継続して行っている。マイナス金利を続けざるを得ない日本やEUの中央銀行に比べ、多少は金利に余裕のある米国中央銀行も、2015年から開始した金利引き上げを、昨年には逆転し、3度の金利引き下げを行わざるを得なくなった。金利引き下げだけで終わらず、9月からは実質的な4度目の量的金融緩和に入ってもいる。表面上は穏やかに推移している現在の米国経済も、実は水面下では、逼迫した状況が続いているのだ。そして、内容は異なっても、マイナス金利を続けざるを得ない日欧も、やはり水面下には逼迫した状況が存在し続けている。中央銀行の金融緩和の継続と政府の赤字財政下での債務拡大で、現状をようやく維持出来ている。伝統的に政府支出を極力少なくし「小さな政府」を掲げて来た米国共和党が、今、大統領の下で財政支出の大盤振る舞いを行っている。それですら、しかも今の米国経済を支えるには十分ではないのだ。中央銀行が懸命に通貨を印刷し続けて、助けている。「世界の工場」の閉鎖は、3ヶ月もすれば、世界中に影響が及ばされるだろう。一部では、今回の新型コロナウイルスを経済のブラック・スワンになるのではと見られている。確実なのは、世界の主要国は今、どこも裏では自転車操業していることだ。
オナガガモ(雄)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「社会」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事