郎女迷々日録 幕末東西

薩摩、長州、幕府、新撰組などなど。仏英を主に幕末の欧州にも話は及びます。たまには観劇、映画、読書、旅行の感想も。

函館戦争のフランス人vol1

2006年01月19日 | 日仏関係
函館戦争の旧幕軍にフランス人が参加したことは、かなり、知られてきていると思います。
その中心だったジュール・ブリュネ大尉は、映画『ラスト・サムライ』のオルブライトのモデル、ともいわれているのですが、どうせだったら、日仏合作で描く映画・函館戦争を、見てみたいですねえ。
著作権フリーになっている様子ですので、1969年のもの、といわれる写真を載せましたが、ブリュネ大尉は、なかなかいい男、なんです。

鈴木明著『追跡』(集英社)
篠原宏著『陸軍創設史 フランス軍事顧問団の影』(リブロポート)
『函館の幕末維新 フランス士官ブリュネのスケッチ100枚』(中央公論社)

以上が、私がこれまで持っていた函館のフランス人に関する本なのですが、このたび、下記の古書を手に入れました。

クリスチャン・ポラック著『絹と光 日仏交流の黄金期』(アシェット婦人画報社)

在日フランス商工会議所が企画した非売品のようでして、シャネルとエールフランスがかなりの資金を出したもよう。
シャネルの洋服は馬鹿高いですが(えーと、ちょっとかわいいな、と思った、ごくカジュアルな夏のTシャツ一枚が10万していて、仰天しました)、役に立つものですねえ。
日本語とフランス語、双方で書かれているのですが、詳しくて、図版が多くて、実にいい本です。
引用されている、明治2年3月28日付のブリュネの手紙には、土方さんも出てきます。

Le chef detat-major general se nomme Hijikata.
Cest lancien second daimyo-chef des Sinsen-gumi de Yedo.

総司令長官は土方という男で、江戸新撰組の副長です。

これは、「現在の組織の概要」として、ブリュネ大尉が、まず大鳥圭介を陸軍奉行として紹介し、自分はその代役である、とした上で、

マルラン旅団(半旅団長・本多、大川)
カズヌーブ旅団(半旅団長・春日、伊庭)
ブッフィエ旅団(半旅団長・松岡、神木)
フォルタン旅団(半旅団長・瀧川、小杉)

と陸軍を四旅団に分け、最後に、その総司令官は新選組の「Hijikata」である、と記しているんです。
とすれば、大鳥圭介は軍政の長、土方は伝習隊現場総司令官、ということで、きっちり本人たちの役割分担意識は出来上がっていたのではないかと、そんな気がします。

ああ、それにしましても、見たいですねえ。日仏合作、函館戦争映画。
それこそ、日本女性のおかげで莫大な利益を得ているだろうシャネルさん、恩返しに出資しませんか? いえ、私はイタリアブランド好きで、シャネルは買ったことがないですけど(笑)

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