郎女迷々日録 幕末東西

薩摩、長州、幕府、新撰組などなど。仏英を主に幕末の欧州にも話は及びます。たまには観劇、映画、読書、旅行の感想も。

パステル調「マリー・アントワネット」

2007年01月24日 | 映画感想
マリー・アントワネット〈下〉

早川書房

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見てまいりました、映画マリー・アントワネット。
等身大のマリー・アントワネット で予想しておりました通りの映画でした。好みです。
欲を言いますならば、です。フェルゼン伯との恋が、ちと軽すぎないかい? というところでしょうか。奥手のお嬢様設定なんですから、そういう場面では、初々しさを出した方がよかったのではないかと。
しかしまあ、恋の重さを描くなら、パリ逃亡のエピソードは欠かせませんし、ヴェルサイユにさようならで幕を引くのならば、軽くてよかったのかもしれません。



普通の女の子が、突然、絢爛豪華で格式張ったヴェルサイユ宮殿に放り込まれた、という臨場感が、よく出ていました。これはこれで、根も葉もある少女のファンタジーではないかと。
検索をかけていたら、ベルバラの池田理代子氏が、公式掲示板で、「内容が納得いかないのでお勧めできない」と発言なさっているらしいと知り、好奇心を押さえられずに、見に行きました。ほんとうでした。
まあ、あんまり社会派受け、一般受けする映画では、なさそうな気もしますよねえ。それでも、日本ではけっこう初日の動員がよかったようで、宣伝がうまいんでしょうか。
ま、なんといっても本物のヴェルサイユ宮殿ですから、観光映画のつもりで見てもいいですし。
パンフレットを買って、一つ、驚いたことがありました。
ええっ!!! マリア・テレージア女帝が、マリアンヌ・フェイスフル!?
昔、年上の男性が大切そうに持っていましたドーナツ盤のシングル「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」。
ミック・ジャガーの恋人だった軽そげなねーちゃん、ですよね?
あー、びっくりした。



花とお菓子とシャンパンと、ドレスにジュエリー、扇にパンプス。すべてがパステル調の夢の世界で、面白うてやがて哀しき乙女かな。
ああ、もう一つ欲を言えば、ですね、オランダが日本から運んでいっていた漆器を、ですね、出していただきたかったかなあ。パステルの中に、漆器の黒と金が入ると、ステキに締まったと思うのですよね。マリー・アントワネットの漆器のコレクションは有名ですし。


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2 コメント

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こんばんは~ (八ちゃん)
2007-01-27 00:43:34
TBありがとうございます。
史劇と見るより、女性の物語と捕らえたところがソフィアらしいというか、成功だったのかと思いました。
監督もキルスティンも注目する人物ですので、男の自分でも十分に楽しめたのですが…。
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ご訪問ありがとうございます。 (郎女)
2007-01-27 02:30:14
ソフィア・コッポラ監督の作品は、テレビで『ヴァージン・スーサイド』を見ただけなのですが、これが妙に印象に残っておりました。個人的に、マリー・アントワネットを史劇ではあまり見たくなくって、といいますか、史劇にされますと、おそらく私はつい、「そうじゃない! くらくらする」とか、言い出すのがオチでして(笑) 少女の微妙な心理、情感を描ける監督なのだから、と期待していたのですが、裏切られませんでした。映画として、いい出来ですよね?
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