開館十周年プレ企画ということで、泉屋博古館分館「近代洋画と日本画」
二つの展示室のうち一室を、ここのお得意の中国古代の青銅器の展示に当てて、企画展示はもう一部屋だけ、ロビーには住友の歴史の資料まで展示。
しかし大震災が気合をそぐことに。
まず開催期間が、4/9からというのを4/23からに延期。
チラシに載っている板谷波山の工芸品は、余震が頻繁に続くので危なっかしくて展示中止。
けどまあ小さい部屋でモネから、熊谷守一までゆっくりとむきあえる。
梅原龍三郎の山への関心は、桜島ー霧島ー富士山ー浅間山と変遷したとかへえである。
原田西湖なる画家は始めて聞くが、アマテラスがひょいと岩屋から出てきたところを描く。
岸田劉生「二人麗子像」、劉生が神奈川は鵠沼に住んでいたときの作品で近くの漁師の娘が麗子の遊び相手だったとか。
山下新太郎「読書の後」、モデルに山下は「あなたは大変おとなしい方ですね」と冷やかされたとか、解説も充実。
で、眺めているとキーンとときどき鐘が鳴る。
これはもうひとつの展示室で、つまり青銅器の展示でお客さんが当時の青銅祭器の音色を確かめようと、復元された青銅器を実際につつけるという趣向。
ああ、また誰か鉦をついているんだなあと。
しかしいけないのは二つの展示室をはさむロビーだ。
ここでは来館者がアンケートに答えたり、図録を眺めたりするスペースがある、無料のお茶つき。
これがいけない。中年女性の下品な話の格好の場所となり、展示室まで声が響く。
中途半端に展覧会開催してはいけない見本みたい。