だらだら日記goo編

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地上絵を作った人々

2006-03-30 22:18:00 | アート・文化

ナスカの地上絵はUFOの着陸基地だという荒唐無稽な説がある。

そのため宇宙人探しにやってきた人々のために地上絵は荒らされたのだという。

実のところ地上絵といっても地面に何かを描いたわけではない、むしろ石を取り除いたのだという、その上を人々が歩くために。

毎日の招待券で科学博物館にナスカの展覧会を観に行く。

科学の展覧会というより、民俗学の成果を表した展覧会で地上絵のことは実のところ多くない、むしろ地上絵を表した人々がどういう人たちかを探る展覧会だ。

驚いたのはミイラが展示されていること、ナスカのミイラは頭に偉大な力が宿ると信じられていて丁寧にミイラにされたという。

で、ミイラを調べると頭の骨を変形させる風習があったとかいろいろ面白い。

展示は土器が中心だ、土器に現された生き物たちが又地上絵に反映している、共通のモチーフがここにはある。

で、ナスカの人々は精霊信仰の下にあったようだ、シャーマンは幻覚剤を飲み精霊と交わり、人々は死後動物祖先へと変身する。

いろいろな生き物が精霊的存在として表されるが、地上では農業との関係で猫が強い生き物として表されたとは面白い。

農業もするが圧倒的に水に乏しい環境にナスカはあった、実はそれとの関係で地上絵も書かれたのではないかというのがこの展覧会の仮説ではある。

TBSが絡んでいるだけあってバーチャル映像などいろいろある。

なかなか見所の多い展覧会だった、科学博物館の後、静岡と九州二箇所を巡回します。


不具合が多い

2006-03-28 22:29:51 | ブログ

ケイタイから自分のブログを閲覧できない状態が続いている。

OCNは復旧したといっているが僕はダメだ

NTTドコモ固有の現象なのだろうか。

なんか知らんがあちこちのブログで不具合が多い。

アメーバも夜遅くなると閲覧できない状態が続く。

今日は六本木ヒルズで用があったのでミュージーアムショップでいま開催中の「東京ーベルリン」展覧会のカタログを購入。

僕が行ったときにはまだできていなかったのだ。

カタログでも印刷ミスやなんか不具合の目立つものも多い。

どこの世界にも不具合はある。


グレーの村に魅せられて

2006-03-25 22:23:11 | アート・文化

「油彩画、水彩画の近代的位置を確立した人」だそうだ。

しかしどうもその絵は淡白に過ぎるのである。

それはフランスに渡った以前以後とまったく変わらない。

グレー村に魅せられた近代洋画家、浅井忠、その回顧展を日本橋高島屋で観る。

国立博物館の所蔵で高野時次という人のコレクションだ。

展示冒頭の「森」などフオンタネージに学んだらしくバルビゾンを髣髴とさせはっとするがあとはどうも芳しくない。

あちこちに写生旅行したようで「農家内部」とか「木曾福島」とか田舎のありのままの絵が続く。

この人は二年六ヶ月ヨーロッパにわたり、特にグレー村に惹かれて四回も訪れた。

そこでは「グレーの洗濯場」を日や時間を変えて写生するなどモネのようなこともしている。

確かに「グレーの冬」という作品など秋みたいに明るさが満ちて、その明るさはフランスで習得したものだと思う。

しかし帰国後も又農家を繰り返し描いたり、「比叡山」の絵などまことに物寂しく、この人の絵はどうもぱっとしない、工芸のほうに渡仏の成果は現れているのかもしれないが工芸の展示はない。

むしろ浅井の絵は裏面にも絵が描かれている場合があることで「先師 浅井忠先生」といって梅原龍三郎や石井柏亭の鑑があるのは興味深い。

後グレー村の地図を見ると2002/10/7に「黒田清輝通り」なる名前がついたという道があり面白い。

会場は土曜なのに物寂しいこの画家の作風と合わせるかのように閑散としていた。

皆さんお花見に行かれてしまったのかも、穴場の展覧会です。


季節は巡る

2006-03-20 22:37:31 | アート・文化

会場に入るなり目も鮮やかな風景画が飛び込んできた。

回顧展でも眼にした奥田元宋の「奥入瀬」だ、春が又巡ってくる、千鳥が淵の山種美術館にこの時期恒例の「桜」の展覧会を観に行く。

江戸の作家から現存する作家まで「桜」を描いた作品が所狭しと並んでいる。

横山大観は「春朝」だ、真っ赤な太陽と地面に咲くタンポポが印象的だ。

自然美を描いたものと歴史に取材した作品にわかれる。

後者は松岡映丘の藤原時代を「想像」して描いた作品とか、「道成寺」に取材した小林古径の作品が印象的だ。

自然に取材したのに歴史を感じさせる作品もある。

奥村土牛は「吉野」だ。

この人は吉野の山に「華やかさというより気高くさびしい」「荘厳さ」を感じ、「歴史画を描くような」気持ちで描いたという。

小林古径の「弥勒」は実在する奈良の磨崖仏を描いたもので以前見たこともあるが、発表されたときの世間の評価は高くなく、二十年も画家はアトリエで推敲を重ねたとは意外だ。

こうして又春がやってくる。

帰りがけに靖国神社へ寄ったら、テレビ局が桜のつぼみを映していた。

開花宣言ももうすぐだろう。

横山大観の「夜桜」は4/28から展示されるという、「ぐるっとパス」でまたいこう。


学べや学べ

2006-03-19 22:08:29 | アート・文化

しかし日本各地からよくもまあこんな資料を集めたものである。

世田谷郷土博物館とか福生市郷土資料室、早稲田大学図書館ー。

江戸東京博物館に「江戸の学び」の展覧会を観にいくが、その展示情報量の多さに驚く。

「今こそ寺小屋に学べ」とあり、個別指導でおおらかな寺小屋を紹介するのんきな展覧会と思っていたが、これは最新の研究成果のお披露目展覧会だ。

寺小屋の様子の再現など可愛いもので、寺小屋の教科書いわゆる「往来物」の展示からして十一項目、資料とともにいちいち解説がついて読むのも大変だ。

寺小屋が終わったかと思うと寺小屋での教育の成果で江戸は文字社会だったと貸し本屋やら暦やら多摩地域の俳諧とかいろいろ展示される。

それでも終わらず儒学が幕府の学問になったと湯島聖堂の紹介やら何やら、細かい文字資料と解説が延々と続く。

果ては石田梅岩の紹介と心学教訓いろはがるたなどこれは一体何の展覧会かということにもなる。

面白い人には面白いだろうが大多数のお客さんにはつまらない展覧会になろう。

子どもがあちこちでむずがっているのも無理はない。

寺小屋のおおらかな雰囲気を取り戻せという趣旨なら展示構成にもおおらかさがほしい。

しかし寺小屋は士農工商の身分制度がはっきりしていたから成り立つものであり、今の時代にその思想を反映させるのは難しいだろう。

僕は東京新聞の招待券だがこの展示情報の多さを見て千円取るのも無理もないと感じた。

この博物館は木曜金曜の夜間開館をやめて、四月から土曜に夜間開館するという。

僕は木曜金曜の夜間開館が大好きだったので残念ではある。

展示で一番面白かったのは看板「江戸の水」、化粧水「おしろいのよくのる水」とか品種改良した菊が咲き誇っている絵であったことを付け加えておこう。