京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

着付習いはじめの帯〆は・・・

2021-08-29 12:44:51 | 着付教室

コロナの感染状況、先がなかなか見えてこなくて、

着ていく場所がない・・・という皆さんのお声が突き刺さります。

それでも着付けのお稽古も、「暑い」+「コロナ」で、人数は少ないですが

頑張ってます

考えてみれば長く教室もしていますが、

いつも一番いい方法は?とか

早く簡単に着るだけなら便利なグッズつかう方法もあるし

何がいいのだろうか・・と教え方などずっと悩み続けています

 

「応用が効くように・・・」との私の考えで

基本的に普通の腰紐などを使って、帯は背中での手結びで教えています。

「その道具がなければ着られない・・では、困るから」

「何かアクシデントがあっても対応できるように・・・」と

しっかり着物のこと、着付けのこと、分かってほしいと思うからです。

ですから、ある程度基本ができたときには、こういう方法もありますよと

ズルする?方法なんかもお話ししています。

 

前置きが長くなりましたが、こんな私、着物習い始めの皆さんには

帯〆は、まず「平」でお稽古してくださいと言ってます。

なぜなのか・・・

帯〆は大きく分けて平ったい「平組」丸い「丸組」があります。

上の2本が「平」

3本目が「丸」

一番下は「冠」(ゆるぎ)という組み方です。

そして、それぞれの帯〆は上側が表、下側が裏で並べています。

 

 

それぞれを、結んでみました。

正しく結ぶとこのようになります。

写真で結び目の右側の縦になっている部分だけ裏になります。

「平」の帯〆では裏表がはっきりとわかりますが

「丸」のタイプは裏表がありません。

「丸」の帯〆は、裏表を意識せず簡単に結べるので

丸いのがスキ~~という方もありますが、

丸組で、変な手癖を付けてしまうと、平組を結ぶのに苦労しますし

自己流で覚えていらっしゃるとなかなかその癖が治らないことがあります。

 

お稽古で私は「帯〆は『結ぶ』のでなく『畳む』ような意識で・・」と言っています。

最初はちょっと覚えるのに、時間がかかっても

手の動きをしっかり覚えてしまえば、きりっと気持ちよく結べるようになります。

こんな理由で、ちょっとうるさいかもしれませんが・・・

最初から、丸組でなく平組で表裏を意識してしっかり結べるように教えています。

 

そこで、「ゆるぎ」の帯〆のお話です。

「ゆるぎ」は、着物上級者の皆さんも愛用されるシンプルで

使い勝手の良い帯〆です。

でも、ちょっと曲者?

よく見ないと表裏がわかりにくく、ちょっと厚みがあって丸っこいので

表裏を意識して、畳むように結ばないと・・失敗します

正しく結んでいるとこのように。

わかりにくいかもしれませんが、ゆるぎの表は、真ん中に溝があり、裏にはありません。

上の写真は、真ん中の縦になる部分(下の写真の矢印の部分)

がちゃんと裏になっています。

 

この写真は、矢印の部分は裏になって正しいのですが

結ぶときに手首をひねる癖などがあると、本当なら表が出ないといけない

左の部分が裏になってしまいます。

 

下側リバーシブルの帯〆のように幅のある平組のタイプでは、間違いがすぐわかるのですが

ゆるぎは間違っていても、見た目分かりにくく気が付かないかもしれません・・

 

ゆるぎの他、細目で厚みがある帯〆も、間違いやすいです。

ちょっとわかりにくいですが

上の写真が正解、下が間違いです。

 

正解、間違いなんていうと、

「そんなのどうでもいいじゃない」「別に気にしなければ」という声も聞こえてきそうで

確かに、自由に好きに締めていいのかもしれませんが

やっぱり、こういう事しっかり私は教えたいと、知っていてほしいと、思うのです。

 

これは、生徒さんにお貸しして、結び目がボロボロになった私の帯〆です。

平組で、さらにリバーシブルだとわかりやすいのでと皆さんに使ってもらっていたら

こんなになりました

皆さんのお稽古の跡ですね

 

長くなりましたが、これが

お稽古はじめは、ちょっとハードル高いかもしれませんが

平の帯〆で覚えましょう!という理由です。

 

こんなに苦労して時間をかけて言いたい事、やっと書いたのですが

果たして分かってもらえてる??

きっと皆さんがなさっているようにユーチューブや動画の方が

もっと分かりやすくて手っ取り早いんだろうな・・・

な~んて、今、思ってます

 

はぁ~~ついていけてないな~~

 

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7歳のお祝いのご相談・・・母の気持ちで

2021-08-22 17:06:12 | 仕事

 

毎日、気にかかるコロナの感染者数。

秋には何とかなってほしい・・・と思うばかりです。

コロナ禍においても、節目のお祝い事は待ってくれません。

動きが取れない今、夏のうちに、いろいろご準備いただければと思います。

 

先日、高校生の頃から知っているお嬢さん(Aさんとさせて頂きます)が

結婚してママになってそのお子さんがはや7歳になられるそうで

店を覗いてくださいました。

「わきさ~ん、相談があるのですが・・・。七五三で何が必要か教えてください」

と、以前にお手入れさせていただいているお着物一式を持ってこられました。

 

まず荷物の点検、小物類で不足しているもの、必要なもの

ヘアスタイルと髪飾りのこと

肩揚げや腰揚げのことなどを、お話しして着られるようにアドバイスしました。

こちらがそのお着物、Aさんが7歳の時に着られたお着物です。

今回、肩揚げをした状態、この後シワが気になったので

アイロンをかけておきました。

 

この着物をみて、その時にアドバイスしたこと、思い出しました

実はAさんのお母様、ずいぶん前にお若いのに亡くなられて・・・

その時に、この着物はどうしておいたらいいかと、Aさんから相談され

ご自分のお子さんに着せるときが来た時のことを考えて

最もいい方法と料金的になるべく負担のかからないよう考えてアドバイスしたつもりでした。

肩揚げは、したままでも丸洗いはできますし、もう一度揚げをしなければいけなくなりますが

お子さんが7歳になったときに揚げ直しをした方が、ふっくらとするので

揚げを取って丸洗いをして保存する事と

シボのある縮緬の生地ですので、きれいにしたタイミングでガード加工もお勧めしました。

 

今回も、ご実家に帰ってこられたタイミングで「教えてください」と頼って来て下さったこと

嬉しく思いますし

いつも店の前であいさつしていた亡くなられたお母様の笑顔が浮かびます。

「わきさん、お願いね!ちゃんとしてやってね」って聞こえてきそうで

秋のお祝いがちゃんと終わるまで、責任もってお手伝いさせていただこうと思います。

 

Aさんと雑談していた時、高校生のAさんがお母様と浴衣を買いに来てくださって

帯を選んでいると、たまたま店にいたまだ小学校に入る前くらいだった我が家の娘が

恥ずかしそうに「コレ・・・」といってよさそうなものを持ってきて勧めたそうです。

そんなことがありましたか??と懐かしくもあり

そうして思い出の中のシーンとして記憶していただいていることも

長く店をしていればこそ・・と、とても嬉しく思いました。

 

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夏物最終処分市 & ワクチン

2021-08-18 12:19:17 | 催し

昨日までお盆休みをいただいておりました

お盆の間も雨が続き、ニュースは豪雨とコロナ・・・

このままいつまで我慢の生活が続くかとおもうと気がめいります。

豪雨の被害にあわれた皆様をおもうと、これくらいではへこたれていられませんが。

 

緊急事態宣言もまたまた延長で、そんな中で催事はどうなんだろう・・・と

悩みながら、それでもやっぱり何かしていないと、ますますお客様の気持ちも

着物や店から離れていってしまいそうで・・・

夏の最後に、処分市を企画しました。

 

「夏物最終処分市」

8月25日~29日までです。

今年も不完全燃焼の夏ですね。

皆さんストレスたまっていませんか?

よかったら、おしゃべりしに来てください

 

緊急事態宣言中ですが、当店、密になることはないかと思いますので。

 

それから、主人はとっくに、それに私もお盆休みの間にワクチン接種2回目を済ませました

参考までに・・・

年齢が上がるとあまり副反応が出ないみたい・・・と情報収集していたのですが

主人は2度目39度の熱が出て、「イヤ、これは年齢でなく個人差ありそう」と

それに私、おかげさまで健康で、たまに何かで薬を飲むとよく効く・・・。

という事は? 体が反応するかも・・・とちょっと構えていました。

結果、大したことはなかったのですが、接種翌日、つまり昨日ですが

最高37・6度の熱、頭痛、倦怠感。今日も少し頭痛が残っている・・・。

異物が入ってきたことに素直に体が反応したようで

一日中ダラダラと(いえ、おとなしく)しておりました。

 

まだまだ気は抜くつもりはありませんが、少し、これで気が楽になりました。

 

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お宮参りのお祝い着

2021-08-12 11:15:08 | お客様の着物紹介

こちらは、何か月か前にお客様にお求めいただいた男の子のお宮参りのお祝い着です。

せっかくなので、ありふれたものでないものを・・

地色はやっぱり黒がいいな・・など

お客様のお好みなど伺いながら、ご覧いただいて

こちらの絞りと刺繍のはいった立派なお祝い着になりました。

実は赤ちゃんが生まれる前からご相談いただいたので

比較的お時間に余裕もあり家紋を入れるのもそれほど急がずにすみました。

もしも・・生まれてきて女の子だったらどうしよう・・と

昔は性別がわかっていてもたまに違っていたなんて話を聞いたことも

ありますので少し心配していたのですが、最近は精度が上がっているのですね

とてもありがたかったのですが、こんなところでも時代を感じてしまいました。

 

そして、先日お宮参りが無事に終わり、

着た後のお手入れにお持ちくださったので、了解をいただき

ブログで紹介させていただきました。

ご親戚の皆様方にも、素敵なお着物ねと褒めて頂いたと

おっしゃっていただき

大事なお祝い事のお手伝いをさせて頂いて嬉しく思います。

 

帽子やよだれかけも 正絹をお選びいただいているので

今回しまう前に、一緒に洗っておくことになさいました。

お子さんの物はその時は問題ないように思ってしまい込んで

出してみたら、シミが~~~という事が多いですので

こうしてすぐにお手入れしておくと安心です。

 

レンタルやネットで・・・とのお考えも多くなってきましたが

もう少しこだわりたいとお考えでしたら、ぜひお声をかけてください。

最近はデパートも売り場が縮小していますし、地域に相談のできる呉服店も

少なくなっているようです。

ご予算やご希望お聞かせいただければ、それに沿ったお品をご用意させていただきます。

それから、ご両親のお使いになったお祝い着を使おうというときは

少し早めに、お品の確認をなさってください。

赤ちゃんにお着せするもの・・・

汚れやシミがついていたり、かび臭かったり‥ではかわいそうです。

丸洗い、しみ抜きなども承りますので、ぜひ・・・。

 

こんなコロナの中、生まれてきてくれた赤ちゃん、

きっとイロイロ心配なこともあったでしょうに・・頑張ったお母さん

ほんと褒めてあげたいですね

 

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オリンピック

2021-08-10 12:47:56 | ひとりごと

オリンピック、終わりましたね。

毎日増え続ける感染者数の発表に、出かけるのも怖いし・・と

かなりテレビ観戦しておりました

いろいろな意見が飛び交っていますが、私の、呉服屋目線での感想を少し・・・。

 

おもえば延期になる前からとても気になっていたことがありました

それは、なんといってもメダル授与の時のアシスタントの装い。

ラグビーのW杯の時は、至る場面で「和」が感じられて、もちろんアシスタントの

お嬢さん達は振袖でした

さて、真夏のオリンピック、アシスタントの衣装は何だろう・・・

ちょっと無理だよね・・と思いつつ、絽の振袖だったらどんなに素敵だろう・・・

涼やかで上品でため息出そうだな~~と夢見ていました

それがだめなら、藍と白の浴衣せっかくだから市松柄をセンス良くデザインして。

な~んて・・・

私だけでなくきっと着物の好きな皆さんはそんなこと願っていらっしゃったのでは?

 

そして、コロナ。

きっと質素にしなくてはいけないのだから、とは思ってましたが。

今回のメダル授与式のアシスタントの衣装をみて「あ、そうなんだ」っていう感じでした。

これからの日本の感覚ってこういうことになるのかな・・。

確かに着物じゃ着付けしてもらう手間もかかるしね。・・・と。

どういうコンセプトなのか調べてみたらリサイクル糸で作られているそうで

最近の地球環境の問題も考えてのことなのですね。

 

でもね!ここから呉服屋目線(笑)

再生とか考えたら、いつも言ってるように着物って最たるもの。

解いてまた反物に戻るんですけど。

あの衣装、リサイクルした糸や布を使っているかもしれないけれど

使った後はどうなるのでしょう??素朴な疑問

捨てるの?誰かがもらうの??

もしも、浴衣であれば、オリンピックで着用した後解いて一反の反物に戻して

それを使って、例えば、のれんだったり日傘だったりエコバックや財布などの小物・・

いっぱい作って販売すれば、記念でほしい人いるんじゃない?

多少元だって取れそうだし、コロナであえいでいる和装業界、職人さん

頑張る場所ができるんじゃない?

と、素人考えに近いかもしれませんが・・・私の考え

 

 

開会式や閉会式も、もう少し日本らしさ欲しいな・・・。

太鼓や歌舞伎や着物や・・・それはもう古臭くて、もっと今や未来を見据えた日本を

アピールしなくてはいけないのかもしれないけど

 

開会式閉会式もいろいろ意見が飛び交っていますが

復興五輪、そしてこのコロナ禍の中で世界中のコロナで亡くなった方にの鎮魂や

疫病退散の思いを込めた物が目立っても良かったかなと思いました。

歌舞伎に私は詳しくありませんが、例えば海老蔵さんの「暫」

悪人をやっつけるヒーローなのに、なんだか何の説明もなくもったいなかったし

盆踊りもそもそもはお盆の供養する行事・・・

そんな意味が世界の人たちに伝わったのでしょうか?

こういう伝統、もっとアピールしてもいいんじゃないかなと。

祇園祭だって「疫病退散」を祈願するもの・・・

私は、閉会式を見ていて思いました。

「いっそのこと祇園祭の鉾を巡行させたら?」

すっごいインパクトよねな~んて。

 

最後に、小池都知事がやっぱり着物を着てくださっていたのと

伊調馨さんがメダルのプレゼンターで振袖を着ていてくださったのをみて

なんだかホッとした気持ちになり、やっぱりいいわ~~って思いました。

 

それから、ついでですが、今朝たまたま見た甲子園の開会式。

山崎育三郎さんの「栄冠は君に輝く」を聞いて感動しました。

そして衣装はまるで高校生のような白のシャツに黒のパンツ。

なんて清々しくて美しい事

シンプルなものっていいですね。ごちゃごちゃごまかしてなくて。

コロナ禍のオリンピック、このくらいシンプルでよかったんじゃない?

突き詰めていくとシンプルなものは美しいけれど

そこにたどり着くのって難しい。

本物は洗練されているなと思います、日本ってそう言うもの大事にしたいなと。

選手の皆さんに元気をもらったのはもちろんですが

私がオリンピックで考えた事でした

(私の個人的な感想ですので・・・)

 

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8月のおしらせ~夏季休暇・着物基本講座・最終バーゲン~

2021-08-03 14:04:07 | 仕事

今日も暑いです・・・

 

そして東京の感染者数に、毎日ゾッとしながら、

オリンピック見ながらステイホームのこの頃です。

こんな毎日を過ごしながら、はや8月に突入してしまい

ぼーっとしているわけにも参りません。

今月の予定をお知らせしておかなければ・・・

まず、お盆のお休みですが

8月13日(金)~17日(火)まで休ませて頂きます。

 

それから、8月18日に着物講座Ⅲ「お手入れ・取り扱い」を予定しておりましたが

このところの感染者数の増加もあり

今月は休講にして、この分を9月に移行させていただきたいと思います。

ご予定いただいていた皆様、大変申し訳ありません。

よろしくお願いします。

 

さらに今月末24日(火)~29日(日)に最終バーゲンを予定しています。

 

8月末までの緊急事態宣言延長もきまり、

今年も花火大会などのイベントももちろん中止になり

「私達、どうしたらいいの??」の今月・・・

でも嘆いてばかりでも仕方合いません。頑張らなくては

 

こんな時期だからこそ、いつになくゆっくりと時間がありますので

いろいろなご相談にはうってつけです

秋の七五三や成人式に向けてのご準備など、ぜひご利用くださいませ。

 

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