ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

パブチャリティー・セブンス2009

2009-01-11 | セブンス
行ってきました!
クイーンズタウンで開催されていたパブチャリティー・セブンス!

(7人制ラグビーの国内大会の総本山。古いですが詳細はコチラで)

・・・ってもちろんワタクシではなく、夫と善(11歳)が代表観戦。
糖尿病猫チャッチャの看病がある限り、家族揃っての旅行はナシの家です。(代表者その1→)
こちらは仕事や家事の合間を縫ってテレビで観戦しました。

結果は以下の通り。
ボール優勝:地元オタゴ
キャプテンに大注目!とてもセブンスの体系じゃないのに「強い、はやい、うまい!」(吉野家か?) パケハ(白人)とマオちゃん(マオリ)とアイちゃん(アイランダー)の比率がイイ感じで個人的に好感♪

プレート優勝:ウェリントン♥♥♥ (←ファンにつき

去年は「ただの人」だったピリ・ウィプが堂々オールブラックとして参加!
「素晴らしいアンバサダー」
と褒められてました。よかったね~♪
この1年でホントに大人になったよ、来シーズンも応援! 

どーしよう!ハーフばっかり3人も応援しているワタクシ><;みんながんばれ!


カップ優勝:ノースハーバー

これってかなりの大穴!そもそも「ハーバー対カウンティーズ」っていう決勝戦の組み合わせからして大ドンデン返し!
「どうした?スーパー14のフランチャイズ!特にその青ジャージ!」
とか言ってる人いません?あっ、いませんかぁ~´ー`ゞ

ハーバーって強豪カンタベリーから突然ランファリー・シールドを奪ってみたり、ときどき思いがけないこと(多分、本人たちにとっても)
やってくれるので普段は地味でも要注意チーム♪ 

ところで、この両チームと写っているキウイのおネエさん、善曰く、
「オタゴ・デイリーの者ですが~」
と言って選手にグルッと囲まれてこの通り(((@@)))
こんなのアリ!なんですね~。
スゴいよ、キウイのおネエさん!みんな気をつけよう!(笑)

「来年は線審で参加!」
を密かに企てている夫です´m`A

勝ち試合の不満-南アフリカ戦にて

2006-07-22 | オールブラックス
お久しぶりです。大変ご無沙汰してました。10日ほど前に引越し、生活が一変しました。まだ家の中に段ボール箱がある状態ですが、なんとかやっています。
引越しだろうが何だろうが、ラグビーだけは平常通り。
今夜のトライネーションズ、オールブラックス対南アフリカのスプリングボクス戦も、しっかり観ました~♪

結果は35:17でオールブラックスの圧勝。
点数だけ見れば、「ふ~ん、やっぱり。」
てなもんでしょうが、このうち25点をダン・カーターのキックで稼ぎ出し(7ペナルティー、2ゴール)、9番ピリ・ウィープと7番リッチー・マッコウが決めた2トライもダンが起点になったものだったし、

まるで、
ダンの
ダンによる
ダンのための
一勝負・・・

と言われそう。

でも、そんなことはありません。
やっぱりラグビーは15人のスポーツです。いくらダンのキックが良くても、プレーの組み立てが天才的でも、彼がスクラムを組めるわけでも、ラインアウトを取れるわけでもなく、
「やっぱりみんなが一丸となっての勝利なんだよね。」
と、改めて思ってしまいました。

ペナルティーで点を積み上げるなんて面白みのない試合に聞こえるかもしれませんが、スタートはドラマチックでした。開始直後、ラックから出たボールを蹴ろうとしたダンがチャージされ、ボクスは試合時間わずか17秒で先制トライ! これはオールブラックスの長い歴史の中でも記録に残るものでは?

ボクスは先週、オーストラリアの対ワラビーズ戦で49:0という、これまた歴史的な大敗を喫していました。
「今夜はゼロでは帰れない!」
という並々ならぬ意気込みが、ダンというオールブラックの心臓部への神風チャージを成功させたのか?

キャプテンのリッチーがオールブラックス・ドット・コム「選手日記」でも言っていたように、
「スプリングボクスは今週、これ以上ヤル気になれって言われてもムリなくらいヤル気満々」
裏を返せば切羽詰っていたってことでしょうから、ゴールキックも決まって早々に7点を得たことは、ずい分、追い風になったことでしょう。

しかし、追い風は吹いても神風は1回のみ。
そんなにピューピュー吹いちゃったら、神風にならないし´。`A 

その後は攻めても攻めてもオールブラックスの固いディフェンスに阻まれ、その間のミスをフランス人レフリーがこれでもかこれでもかと拾い上げ(試合の流れはブッチブチ)、双方ともペナルティーの嵐。しかも、ボクスの王子様、15番パーシー・モンゴメリーのキックが決まらず(確か7本蹴って)、1ペナルティー、2ゴールと蹴れば蹴るほどキックが100%決まったダンとの差は開くばかり。

立ち上がりの鮮やかさから一転、動揺が広がるボクス。
奇襲の先制点にも非常に落ち着いていたオールブラックス。


前半終了間際にピリのトライが決まって、オールブラックスは19:7とかなり安全圏で後半戦へ。後半は両チームとも1トライずつを決めたもののお互い攻めあぐね、流れができないままキックの差が得点差に。それがボクスへのプレッシャーとなり、後はメルトダウン状態に。特にパーシーはかなり辛そうでした。

勝ってホッと一息ながら、試合後の記者会見でグラハム・ヘンリー監督始め監督陣が、“frustrated”とか“frustrating”とか、とにかく「不満~~`へ´#」
と4、5回繰り返していたのが印象的でした。

それはもちろん、マスコミにありがちな、
「ボクスごときにてこずるなんて・・・」
などという薄っぺらな不満ではなく、決して足並みの揃っていない相手に対し、
「自分たちの思ったような流れを作れなかった」
という苛立ちのようで。

勝ち試合の直後でもそれに奢らず、理想とのギャップという不満からでさえも貪欲に学んでいこうとする姿勢は、いつもの事ながら好感です♪

1日8、9時間寝るのに(小学生並み^m^ぷぷぷぷ)最近はよく眠れなかったというリッチー、今夜はひとまずぐっすりかな?
トライネーション2勝目― 今夜も感動をありがとう!

トライネーションズは好スタート♪

2006-07-08 | オールブラックス
今夜のトライネーションズでの初試合、オーストラリアとのタスマン対決は、
オールブラックスがワラビーズを32:12で下し、まずは勝ち星発進´。`=3

新監督を迎え、イングランド戦、アイルランド戦とラインアウトを始めフォワード力を活かして、新生ワラビーズを印象付けていたオーストラリア。かなりの接戦が予想されていました。(ラグビーくじも試合時間が迫るにつれオッズが拮抗)

ところがフタを開けてみたら、2番ケビン・メアラムの2トライ、7番リッチー・マッコウのテレビ判定でのラッキートライに加え(記者会見で正直に言ってましたが、本人もそれほど自覚はなかったようで´▽`;)、10番ダニエル・カーターのファインプレーが活きて、交代で13番で入った新星イサイア・トエアバが走ってテスト(国対抗試合)初トライを決め、最終4トライとボーナス・ポイントもゲット♪
これでオールブラックスは19試合連続のホームでの勝利! 
立派なモンです(喜)

試合の立ち上がりはどっこいどっこいか、むしろワラビーズに勢いを感じ、そんな雰囲気を反映して、ワラビーズの15番クリス・レイサムが抜け、12番マット・ロジャーズが走り、最後は11番ロテ・トゥキリが先制トラ~イ@@
「リーグ(13人制ラグビー)出身のこのワラタス・コンビを走らせちゃマズイ!」
と、NZサポーターの誰もが思うようなクリアーなプレー。

しかし、前半も半分を過ぎたたところで、ワラビーズの8番ロッキー・エルソムにイエローカード。これを機にワラビーズに動揺が走るのが手に取るようにわかり、ラインアウトが崩れた隙をついてケビンがトライ。彼の2本目のトライもシンビン中で、オールブラックス優勢に。

あの動揺はかなり意外な感じがしました。
ラインアウトに身長2m級の選手を4人も揃え、自信も実力も十分に見えたのに。
「カプラン・マジック」に怖気づいたのか?
と、つい勘ぐりたくなったほど。

というのも今日のレフリー、南アフリカのジョナサン・カプランは、オーストラリア・チーム、中でもワラタスと相性が悪いことで有名なのです。今シーズンのスーパー14の準決勝、ハリケーンズ対ワラタス戦でもワラタス側からはケンケンガクガクの論議が・・・。もちろん、NZ側はまったくもって文句なし┐(  ̄― ̄)┌
きっと明日の新聞では、あのイエローカードが適切だったかどうかワーワーやることになるでしょう。(特にオーストラリアの新聞はスゴいバッシングか?)

個人的には物静かで冷静沈着、決して妙なレフリングをする人ではないと思いますが・・・。高い声で怒鳴り続ける○○とか、態度が高圧的な△△とかよりは、
「ずっといいかな~」と思うのですが。オージー(オーストラリア人)にとっては、
「また、こいつぅ~??」
と、天敵扱いなんでしょう。
レフリーが試合を作る
はある意味、真実かもしれません。

前半は14:7でオールブラックスのリードで折り返し、後半はダンのキックも決まり出し、ワラビーズの追加トライの後、リッチーのトライで点差は27:12と決定的に。この辺りから、控えの選手がドッと出てきてピッチはすっかり様変わり。
(21番のルーク・マクアリスター以外全員総ざらえ!モモちゃんことクリス・マソエは8番に)

特に15番レオン・マクドナルドが下がった後、13番ミルズ・ムリアイナがいつもの15番に戻り水を得た魚にように見えるや、あれだけ事前の論議が喧しかった13番に弱冠20歳のイサイアがスルっと入り、あっさりトライ。試合開始前後のミルズの硬さとは対照的でした。
本当にマルチタレントな芯の太いタイプなんでしょう。
コーチ陣が「イサイア・トエアバ計画」に賭ける意気込みもわかるというもの。
(「イートン計画」同様、「トエアバ計画」も進行中→)

ホームでの試合はお初だった5番ジェイソン・イートン、相変わらず良かったです♪ ラインアウトでのプレッシャーは強かっただろうけど、いつも通りの高い機動力が光ってました。今日で50テストだった大御所4番クリス・ジャックも良かった~♪ 
途中でジェイソンと交代したアリ・ウィリアムズも、
「次回は先発!」
の意気込みがジンジン伝わる好プレー。
リッチー、6番ジェリー・コリンズ、8番ロドニー・ソオイアロの仕事師たちは相変わらず冴えまくりでした。

立ち上がりにちょっとハラハラさせられ、
チャンスはがっつりいただき、
後半に向かってどんどん調子を上げていく、
いつもの不気味さも健在で、まずはホッと一息。

しかし、このパターンに慣れすぎて、
勝って当たり前
はいつものことながら、戒めないと。
どの勝利も選手たちの一刻一秒の努力と機転、たゆまぬ練習の賜物なのですから。

今日の一番のビックリは、国歌斉唱、ハカ(久々の「カパ・オ・パンゴ」でした。14番リコ・ギアのリードに惚惚惚♪)の後、
「さぁ、いよいよ!」
という時に、ジェリーがピッチで用を足しているところが、テレビにバッチリ映ってしまったこと@@ こんなシーンを観たのは初めてでした。けっこう、あることなんでしょうか? カメラもしっかり映してしまってから、
「あっ、ヤバっ!」
と他のカメラに切り替わってました(笑)

それ用のキットもあるみたいで、このクラスになると何万人の前で用足しなんて、もうどーでもいいのか、ジェリーだからなのか´ー`?
「おぉぉぉ、大物っ!」
と夫と大笑いしながらも、なんだかとっても感心してしまう一幕でした。

ハカとハンドバッグ

2006-07-05 | オールブラックス
ニュースでやっていたオーストラリア版「トライネーションズ」の宣伝。
クルマの後輪で、おばあさんが投げるローンボール(芝の上でやるボーリングのようなスポーツ)の硬いボールで、ロテ・トゥキリが素手で、
ぐちゃあ~~
とキウイ・フルーツを潰す、なんともまぁ趣味のワルい映像TT

「オージーの頭の中ってこうなってるの?┐(  ̄― ̄)┌」
って感じでした。これなら去年のライオンズ戦の時の、アイルランドとイギリスの地図が下からサーっと黒く塗りつぶされていく宣伝の方が、遥かにシンプルでクールに思えるんですが。まっ、この辺のセンスも国民性を代弁しているのでしょうから、一つのカルチャーとして受け止めましょう。しかし、まぁ、ストレートな@@

一方で、タナ・ウマガ率いるハカの映像。
なんとオールブラックスは全員が肩からハンドバッグをぶら提げているじゃありませんか@@
リッチーもピリもケビンも、超~マジメな顔して(って、合成ですから当然です)
これには思わず苦笑い!
ハイハイ、あのハンドバッグ事件ですね。
でも、当事者のタナはもう国際試合からは引退しているので、ちょっとタイミングを逸したか?
これも一つのカルチャーとして受け止めましょう。(いっぱい受け止めなきゃTT)

ところ変ってイタリア。
フィアットが黒いドレスの女たちによる「ハカ」のカマテを使ってのCMをオンエア。ニュージーランドは外交ルートを使って抗議したそうですが、あえなく無視。これはマオリの人たちにとって、所属する部族にまで立ち返る大変なこと。ハカやタットゥーを部外者が勝手に真似ることは、そのアイデンティティーを盗まれるにも等しく、大変由々しきこと。
カッコ良さだけで、ハカが無理解のままコマーシャリズムに乗ってしまうのは残念です。(映像はコチラ。下のクルマをクリック)

これって日本人には家紋を、スコットランド人には家に代々伝わるタータンチェックの模様を勝手に使われるようなものなんでしょうか? もっと、深刻なのかな~? まぁ、それだけオールブラックスの注目度が高いとも言えますが・・・。
(サッカー大好きイタリア人が見てもわかるんでしょうか?)

=============
楽しませていただいている皆さんからのたくさんのコメント、本当にありがとうございます。しかし勝手ながら、またしばらくお休みさせていただくことにいたしました。個人的にこれから先、猛烈に忙しくなってしまうことと、2002年から続けているメルマガ「西蘭花通信」が最近不定期配信になってしまっているため、定期配信への建て直しを優先させていただこうと思います。

コメントをいただきながら返信できないのも心苦しいので、以前のような無愛想ブログにいったん戻し、余裕ができたらまた再開させていただこうと思います。これもひとえに私のタイムマネジメントのまずさが問題なのですが、なかなか改善せず申し訳ありません´。`; どうかご理解いただけますよう。

短い間でしたが、いろいろなお話もうかがえ大変勉強になりました。これからもこのブログともども、ニュージーランド・ラグビーをどうぞよろしく!
皆さまにおかれましても、残りのシーズンを存分にエンジョイしてくださいね!

悩ましの13番

2006-07-04 | オールブラックス
クラブ・ラグビーの話を立て続けにしていたら、マア・ノヌが土曜日のクラブの試合で親指を骨折してしまったというニュースが・・・
「ゲーム感覚を取り戻す」
「ファンサービス、地元への貢献」

と、有名選手のクラブ・プレーは評価されるものの、試合時間が増えればケガの可能性も増えるというもの。マアには今回、多大な期待を寄せていたので残念です。

とは言っても、先週末にクラブでプレーをしていたオールブラックスは、
「今週末のトライネーションズでの先発はなし」
が規定路線だったので(さすがに今週先発する人には許可で出ないでしょう)、多少のケガ(捻挫くらい)は織り込み済みだったのでしょうが、マアの場合、全治6週間、簡単な手術もするという話でかなり深刻です。

彼の代わりに、オークランドの12番サム・トゥイトゥポが呼ばれました。
彼はアルゼンチン戦でイサイア・トエアバと組んだものの、トライネーションズの30人には選ばれませんでした。13番のマアが外れた代わりに12番のサムが呼ばれたところを見ると、コーチ陣は下馬評通り、
「13番はミルズ・ムリアイナで行く!」
と決めているようですが、彼の13番は最近ではスーパー14でちょっとお披露目があったくらい。黒ジャージとしてのお試しなしに、一気に調子を上げているオーストラリア戦へ・・・。
かなりの勝負をかけるようです。

←この写真は今年始めに新聞に載ったもので、
「タナ・ウマガの後を埋めるのは誰だ?」
みたいな内容で今後の12番+13番を占っていました。

当時はスーパー14開幕直前で(確か)、コンラッド・スミスがよもやあんな大ケガをするなど、思いもよらなかった頃。アーロン・メイジャーのスーパー14とアイルランド戦での大活躍もまだまだ先の話で、
「12番はアーロンかルークか?」
ということが真剣に話し合われていた頃でした。アーロンの大成長を目の当たりにしてしまった今、この論議は立ち消えになってしまいましたが。

で、13番。
その頃からミルズが一番人気、次がマアかコンラッドか、というところでした。今や後者2人がケガで消え、ミルズだけが残りました。器用な人なので13番でもなんでもこなすでしょうが、スーパー14で見た限りでは、
「フルバックの方が映えるな~」
という印象でした。しかし、違うチーム違う監督となると話は違ってくるんでしょう。

今回なぜ1つのポジションしかできないサムが呼ばれたのか、意外です。
アーロン+ミルズ
サム+イサイア

の可能性をみているんでしょうか。

いずれにしてもコンラッドが帰って来た時には彼が13番に返り咲く可能性が高いと見ているので(彼こそタナを12番に追いやった実力の持ち主!)、その間にマアが彼なりの13番を魅せる機会をほとんど失ってしまったことが残念で仕方ありません。
どうかこれ以上のケガ人が出ませんように(祈)

クラブ・ラグビーとNPC

2006-07-03 | NPC
クラブ・ラグビーなんて地味なエントリにまで
コメントありがとうございました。
今日もちょっと続きを。

子どもたちが“マイ・クラブ”と胸キュンになってしまう最大の理由の一つ、
それは共通のジャージじゃないかと思います。


ちびっ子もダグ・ハウレットとおそろ♪

ということも可能になっちゃうわけです。




←この年齢になってもやっている女の子って、めっちゃ
上手いです。
強いです。
恐いです。





ねっ?

ちなみに寝てるのがうちの次男(笑)



NPC(=ANZC)のオークランドのメンバー27人が発表されました。
せっかくなので主要選手と所属クラブと一緒に書き出してみましょう。
ちなみにオールブラックスは全員入っていません。その分、新人もかなりいて楽しみ♪

ビックリだったのは、サム・トゥイトゥポがキャプテンになったこと!
“エバーグリーン”ジャスティン・コリンズが故郷のノースランドに所属を変えたので、新キャプテンが指名されるのは必至でしたが、まさかサムとは@@

でも彼は「19歳以下」「21歳以下」の年齢別ニュージーランド代表でもキャプテンを務め、それぞれの世界大会で優勝しているそうなので、キャプテンシーに期待大です。

ジョン・アフォア(ユニバーシティー)  オールブラックスジュニアで活躍!
サイモネ・タウモエペアウ(マリスト)  フッカーもできる器用なプロップ。
デレン・ウィットコム(グラマーカールトン)  首のケガからいよいよ復帰!
カーティス・ハイウ(マリスト)  あの髪を洗うのに30分かけるそう@@
ブラッド・ミカ(オタフフ)  一時はノースランド行きの噂も。今年もがんばれ!
ジェローム・カイノ(ユニバーシティー) オールブラック返り咲きから再びNPCへ
アンドリュー・ブロワーズ(サバーブス) 日本からの帰国組。
ダニエル・ブレイド(ユニバーシティー) けっこううちの近くに住んでいるという噂?
オノサイ・トロリマ-アウヴァア(グラマーカールトン) 芸能一家のラガー。
スティーブ・デバイン(マリスト) 多いな~マリスト@@ 成績は伸び悩みだけど。
タニエラ・モア(テパパパ) 子どもに人気のイイ兄貴風。テパパパは濃いですよ。
タセサ・ラヴェア(パパトエトエ) パパトエトエなんかも名前からして濃いです♪
サム・トゥイトゥポ(ポンソンビー) なーんとキャプテンに大抜擢。ガンバレー♪
ベン・アティガ(ポンソンビー) スペンサーなきあとのポンソンビーを背負う?
イサ・ナセワ(グラマーカールトン) 超マルチタレント、ポジションはどこに?
デビッド・スミス(ポンソンビー) 今年の西蘭家イチ押し新人。セブンスからです♪
ジェームス・サマセット(マリスト) 息子たちがなぜか大~ファン。
ブレント・ワード(ユニバーシティー) キックはお任せ~!

ウレシかったのは、去年のクルセイダーズ戦で首の骨を折り、「あわや寝たきり?」とまで心配されていたデレン・ウィットコムのカンバック。あのケガがなければオールブラックスの3人目のフッカーだったんですから、この復帰は本人も嬉しいでしょう。

期待してるのが、ウィンガーのデビッド・スミスのデビュー♪
セブンスでしか観たことはありませんが、スター性も負けん気もありそうで、
久々の大型新人の予感。
(セブンスの時の話はコチラでちょっとだけどーぞ)

トロイ・フラベルはやはり手術をするそうで、年内いっぱいプレーはできないそう。アイルランド戦でオールブラックに復活してトライまでして、心中複雑かもしれないけれど、やっぱりここは健康第一で!

王国を支えるクラブ・ラグビー

2006-07-02 | クラブラグビー
ご無沙汰してました。インフルエンザに苦しめられ相変らずゲホゲホやってますが、ずい分と良くなりました。いろいろお心遣いをいただき、ありがとうございました。多分、あと数日で本調子になるかと思います。

「こんな時にテストマッチがなくて良かった~」
とつくづく思ってるラグビーバカです´。`A 
アルゼンチン戦は毛布に包まりブルブルガタガタ震えながら顔だけ出して観てました。
あの時は悪寒がものすごく、起きているのは目だけという状態でしたが勝って何よりです。アイルランド戦よりも冷や冷やしましたよ。こちらの体調もあるんでしょうが。
ライトブルーの王子様軍団、相変わらず侮れませんね。

今週はテストマッチがない代わりに、オールブラック級の大物選手がドッとクラブ・ラグビーに流れ、夫と次男が家族を代表して(?)観に行って来たので写真をUPしておきますね~♪
(マリストの試合前のダグとイサイア。ダグは一応アディダスだけど、思い切り私服´m`→)


【マリスト対パクランガ】 10:13
マリストはオールブラックのダグ・ハウレットイサイア・トエアバ、ジュニア・オールブラックスのサイモネ・タウモエペアウ、ブルースのライオン丸(あの髪型!)カーティス・ハイウが出ていたにもかかわらず、1トライ、1ゴール、1ペナルティーの10点に留まり、有名選手ゼロのパクランガに負けてしまったとさ!やっぱりラグビーは個人技よりチームプレーなんですね~´ー`;
(↑試合前の円陣。カーティスのアフロが目立つぅ~。ダグやイサイアの姿も)

NZのラグビーにはラグビースクールなるものがなく、子どもたちは5、6歳になると全国津々浦々にあるクラブに所属し、そこからすべてが始まります。どんなに有名なオールブラックでも全員クラブに属しています。クラブなくしてNPCはなく、NPCなくしてスーパー14やオールブラックスもないというわけです。
(あ~らよっ!軽々~?サイモネ→)

リッチー・マッコウや最近ではジェイソン・イートンのように、スーパー14をすっ飛ばしてオールブラックになることはあっても、どこのクラブにも籍を置かずにプロになることはできません。ですから、

クラブはこのラグビー王国の礎です。

そのためアマチュアの試合であっても、大変敬意が払われ、試合の予定も結果も新聞に載ります。
(←ダグ。ピッチの脇のベビーカーがなんともクラブ・ラグビー♪選手のかサポーターのか´。`?)

次男などいつも熱心にチェックしていて、オークランドを本拠地とするどのプロ選手のクラブ・チームも言い当てられます。それは自分も毎週、「10歳以下」という年齢別子どもラグビーで他のクラブと対戦しているため、大人の試合であれ子どもの試合であれ、“マイ・クラブ”にかかわることには違いがないからなのでしょう。

「来週の試合はカールトンかぁ、イサ・ナセワのとこだな。」
とまるで、イサと試合でもするかのような意気込みになってしまうのも、こういう事情からです´。`;  (子どもに人気のあるカーティス。マリストのキャプテンでしたがプロになって忙しいからもう降りてるかも→)

(←試合後取材を受ける、アイスくんことイサイア。超無口みたいですけど取材慣れしてだんだんオールブラックスの風格が?弱冠20歳ですよ@@この落ち着き!)




(こちらはちびっ子に囲まれる一番人気のダグ→)

対アルゼンチン戦 代わりに報告します

2006-06-25 | オールブラックス
風邪でダウンしているカミさんから「日本でこの試合を観られない人たちに結果を教えてあげて!」というリクエストで、ブログへ初書き込みです。
あっ、私は夫です。

結果は25(3トライ)対19(1トライ)でABの逃げ切り!
トライ:レオン・マクドナルド、ダニエル・カーター、スコット・ハミルトン(初テストマッチで初トライ)

終了直前はアルゼンチンに最後の力を振り絞られてゴール前に釘付け。劣勢が予想されたFW戦は互角だったので、点差ほどは危機感迫る試合ではなかったです。芝がかなり滑る状態だったようで、カーターもアルゼンチンのキッカーもゴールキックはなかなか決まらず。それがABには相手を引き離すことができず、逆にアルゼンチンにとっては追いつけなかった結果になりました。

今日のレフリーは、昨年末のグランドスラムツアーで「AB対イングランド」の笛を吹いたウェールズのレフリーで、あの試合同様にペナルティの嵐が吹きまくり。両チーム合わせて20以上のペナルティは、テストマッチとしては異常な数でした。昨年の対イングランドでは、FWのクリス・マソエ、ニーミア・ティアラタ、トニー・ウッドコックにイエローカードが出ましたが、今日はなんと品行方正で知られるレオン・マクドナルドに。それも残り10分のきつい時間帯・・・。リプレイを見る限りは危険なプレーではなく、単にオフサイドの位置からラックに入ったというもの。レフリーが試合を作ると言いますが、今日の試合を見る限りは「確かに!」と頷けます。

改装中のスタジアムには時計がなかったので、選手たちは残り時間がわからず、試合の組み立てが難しかったことでしょう。

カミさん流コメントは、復活してビデオを観てからになることでしょう。乞うご期待。

そうそう、風邪で寝込んでいるのはカミさんだけではなく二人の息子達も。次男は40度を超える発熱で、昨日は病院へ連れて行ったほどです。元気なのは私だけで、昨日は「ジュニアAB対日本」「フィジー対サモア」「オーストラリア対アイルランド」、さらに「南アフリカ対フランス」を午前3時までテレビ観戦。敵地で1967年以来の勝利を収めたフランスは素晴らしかった。今日のAB戦を含めても、最も見応えのある試合でした。

ところで、南アフリカのトライ欠乏症は、サッカー日本代表のゴール欠乏症同様に深刻で、コーチ陣とサポーター達をイライラさせていることでしょう。ということで、オーストラリアの仕上がりの良さを考えれば、今年のトライネーションはABとオーストラリアの一騎打ちの様相です。今年のワラビーズ、侮れないですよ。チンピララガーと我が家で呼ばれている12番のマット・ロジャーがケガで退場しましたが、トライネーションには200万ドル男のマット・ギトーが間に合うようです。

では、これにてサッ・サッ・サッーと失礼します。

タナがフランスへ!でも2ヶ月だけ

2006-06-21 | プレーヤー
えぇぇ?タナがおフランスにぃぃぃ?
とビックリしたこのニュース、90%本決まりだそうです。

なにがどーしたかというと、
今シーズンのNPC(あっ、ニュージーランド航空カップ(ANZC)ですよね、なんか慣れなくて´。`;)終了後の10、11月と2ヶ月間、タナ・ウマガがフランスの2部チーム「ツーロン」で10試合に出場するんだそうです。

その報酬が、
な、なんと140万ドル、日本円にして約1億円@@
というのでキウイたちは(キウイでなくても?)ビックリ仰天@@ 
「2ヶ月で140万ドルだから1ヶ月で70万ドル!」
とメディアもわざわざ断りを入れるほど。
(小学生でもわかるっちゅーに。すごい動揺ぶり^m^)

今年のウェリントンの最終試合が10月21日で、タナはその後すぐに家族とともにフランスに飛び、10試合を終えてクリスマス入り。その後戻ってきて、来年2月2日のスーパー14開幕には間に合わせるとかで、NZのプレーには影響なさそうです。
しかし、すっごーい強行軍@@

これって、今シーズンのスーパー14で南アフリカのシャークスでプレーしていた元オールブラックスでハイランダーズのトニー・ブラウンのケースと似てますよね?
彼は出稼ぎに行った日本のオフシーズンを利用して、南アフリカへダブル出稼ぎに出ていたわけですが・・・。(でも、スーパー14の終盤で両腕骨折という大けがをしてしまい、その後どうなったのでしょう?)

それにしても2ヶ月で1億円って、
ラグビーも“そういうスポーツ”
になっちゃったのかと思うと、心中複雑です。
お金のないチーム=弱いチーム
ということにならないよう祈るばかり。せっかくNPC(あっ、ANZC)でサラリーキャップ制を導入して力の均衡化を図ろうとしているのに、こういうガイジンマネーが動くとどうしようもないです。
これがタナ級の特別な選手の特別な待遇であることを願って止みません。

しかし、タナ。
ハンドバッグ事件で大騒ぎになったと思ったら、
エリザベス女王から勲章をもらい、
今度は大名出稼ぎ?!
さすが、話題もBIGですね~^▽^

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公私ともにすっごく忙しくしていて、なかなかUPできずにすいません。またゲリラ的に(って自分のブログだろーがとセルフでツっこみ入れときますが)戻ってきますね~。たくさんのコメントありがとうございますぅぅTT(感涙)

アイルランド戦第2戦-学び舎

2006-06-17 | オールブラックス
アイルランド戦第2戦。
朝から雨模様で降られるのは覚悟の上でしたが、本当に試合開始と同時に降りだし、最後まで止むことなく降り続きました。ところが、試合が終了するやいなやスパッと止み、帰り道では星まで出ていました。気温は6度。イーデンパークをすっぽりと包んだ慈雨は思ったほど冷たくはなく、屋根のない席で選手と同じように濡れながら80分のドラマを観てきました。
(シルバーファーンをかたどった花火のディスプレー。きれいでした→)

結果は27:17で、オールブラックスは101年来の対アイルランド戦での不敗記録を守り抜きました。しかし、先週の初戦の34:23の11点差よりもさらに点差の少ない10点差に、
「オールブラックスもたいしたことないな。アイルランドごときに辛うじて勝つなんて・・・」
と思う人も多いことでしょう。

初戦の翌日の報道もまさにそんなトーンで、
「30~40点差は当たり前」
と見ていた世間は一斉に戦犯探しを始め、すぐにマア・ノヌが槍玉に上がりました。
「13番ジャージを着てるってことはタナ・ウマガの後任だろ?何だこのざまは・・・」
といった論調で、目を疑うほどの酷評ばかりでした。

その一方で、
「オールブラックスをここまで追い詰めるとはアイルランドもなかなかやるじゃないか。」
と言わんばかりに、キャプテン、ブライアン・オドリスコルを筆頭に彼らを誉めそやす雰囲気さえあり、(←試合前の円陣)

「オールブラックスは強くて当たり前。」
という傲慢な思い上がりに背筋が冷たくなったものです。

幸いグラハム・ヘンリー監督率いるコーチ陣は冷静でした。
ヘンリー監督はマスコミと世間がアイルランド・チームへの敬意を欠いていると非難し、バックス・コーチのウェイン・スミスは、
「マア・ノヌはオドリスコルのような一流選手を相手によくやった。アイルランドのディフェンスは何度も彼に手を焼いていたようだ。」
と彼を称え、その力量を力強く支持していました。

スーパー14では監督の方針からか、キックを多用しては上手くいかず苦心していたマア。
それでもオールブラックスで先発できたことが本当に嬉しそうだった彼。
初戦では改心の笑みを見せながら本当に生き生きとプレーしていた彼。
一夜明けたら戦犯扱いだった彼――
「派手な外見は、繊細さを覆い隠し自分を奮い立たせる仮面なんじゃないのかな?」
となんとなく思っていますが、一連のアップダウンを彼はどう思っていたでしょう。

第2戦の今日、マアは控えで一度もピッチに立つことはありませんでした。
先週彼が着ていた13番を着たのはクルセイダーズのケーシー・ラウララ。
今日でテスト(国対抗試合出場)が2となった返り咲きで、ほぼ新人。彼はスーパー14でとことん輝いた人。チームはマアのハリケーンズを破って優勝しました。

しかし、ケーシーはオドリスコルに、黒ジャージに、タナの着ていた13番に、降り止まない雨に、取り込まれてしまったように動きが固く、ミスが目立ち、後半地面に寝たままの姿勢でボールをパスするという、このクラスではあってはならないペナルティーまで犯し、追い詰められている苦しさを露呈してしまいました。あれを見た時、
「明日の新聞は“お疲れ”と一声かけるだけで、決してケーシーを責めないだろう。」
と思いました。そして、
「じわじわとマアを褒め出し、いつの間にかコーチ陣と同じようにずっと彼を支持していたかのように振舞うだろう。」
とも思いました。

コーチ陣はこれらのテストマッチが、来年のワールドカップに向けた試行の場であるという認識を繰り返してきましたが、今やマスコミも世間も、熱烈なサポーターさえもこの言葉に対し真剣に耳を傾けるべき時にきたようです。彼らが目指しているのは、“アイルランドごときに” 30~40点差で圧勝することではなく、新人を大胆に先発させては本人の度量、チームワークなどをつぶさに検証することです。

かといって、この試みのために勝利を犠牲にすることは断じてできません。
これは、一企業が莫大な開発コストをかけながら次々と新製品を開発しつつ、増益し続けるようなものではないでしょうか? 単年はもちろん単月でも減益は許されず、ましてや赤字など、とんでもない話。こんな偉業を成し遂げている企業が、ちっぽけなメンツのために単月で前年同月比30~40%の大幅増益達成を目指すでしょうか? そんなことより、どんな状況下でも利益を生み続ける体質の探求に余念がないはずでは?

私と夫はいつもヘンリー監督を、「ヘンリー先生」と呼んでいます。
あの独特の眉毛が醸し出す教条的な雰囲気もさることながら、公立校でありながらラグビー校として有名なケルストン高校の校長兼ラグビー部監督を務めていたことや、生徒のような若手の中から選りすぐりの才能を発掘しては大舞台に立たせ、鍛えていく天性の教育者の才への敬意から、自然とそう呼ぶようになりました。

選手たちは彼やコーチ陣に全幅の信頼を寄せ、選ばれたことへの恩義をプレーで報いているように見えます。この強い絆こそが今のオールブラックス最大の強さなのでしょう。
(雨に打たれながらのハカ→)
いい選手が揃っているだけでは勝てない――
というのは前回のワールドカップでの彼らを例に挙げるまでもなく自明の理です。

先週のワイカトス・タジアムも、今夜のイーデンパークも
ヘンリー先生が教壇に立つ巨大な学び舎だったのです。
そこで学ぶのは選手ばかりではありません。教師自身も多くを学んでは、果敢な手腕のリスクとリターンを弾き出しています。私たちサポーターもまた、学ばなくてはいけないのでしょう。
一試合の結果に一喜一憂し、見栄や感情に任せてマスコミを挙げて一選手をこき下ろしては憂さ晴らしをしているようでは、偉大な試みを邪魔するだけです。

何のために、どこに向かっているのか、そのためには今何が必要なのか―
もう一度、先生たちの生の声に耳を傾けようと思いました。同時に先生の意向をとっくに理解している選手たちの冷静沈着さ、意向を汲めない時の口惜しさが少しはわかるような気がしてきました。

第2戦は幸先のいい出足で前半終了10分前までは17:0。最後の10分で20:14まで追われて折り返し。後半は一時3点差の20:17まで追いつかれました。しかし、オールブラックスには焦燥の中にも落ち着きが見え、このまだら模様は各選手の経験の差によるようでした。要となる選手は終始冷静で、その落ち着きがややもすれば浮き足立ちそうな若手や新人をしっかりと着地させたように思います。

その要の1人がミルズ・ムリアイナ(38テスト)だったかと思います。
アイルランドがペナルティーキックを決めて3点差まで迫まった時に、彼がライン際で見せた的確なトライセービングタックルで(実際はトライライン直前にキックされてきたボールを取ったアイルランド選手を押し出した)、一番浮ついていた最後の1人までが、
「勝つ!」
と確信したんじゃないかと思います。

その直後の終了15分前にルーク・マクアリスターが決定的なトライを決め、キックも入れて試合の流れを揺るぎないものにしました。彼もまた終始不気味に落ち着いていた1人ですが、トライの後の弾けるような笑顔にそれまでの重圧を感じました。
学びはまだまだ続きます。

旅立ちの時

2006-06-16 | オールブラックス
昨日、アルゼンチン戦に出場するオールブラックスが出発しました。
前回もお伝えしたように、現在オールブラックスはアイルランド戦向けとアルゼンチン戦向けに実質2チームあるため計39人の大所帯です。

旅立って行ったのは先発の15人で、リザーブの選手は明日のアイルランド戦第2戦が終わってから改めて発表され、先発隊に合流する段取りになっています。選手も大変ですが、その両方を仕切らなければならない監督陣も大変ですよね?

昨夜ニュースを見ていたら、出発前にアイルランド戦のメンバーがアルゼンチン戦のメンバーに「壮行ハカ」(英語では「さよならハカ」(Farewell Haka)ですが、「ちょっと雰囲気違うかな~」と意訳してみました)で、見送っていました。

私服で集まったアイルランド戦組。Tシャツにお得意のジャンダル(≒ビーチサンダル≒本当は「ジャパニーズ・サンダル」の略語で鼻緒がついているぞうり系全般)という、キウイの標準スタイルで、アーロン・メイジャーのリードのもと、本物のハカを贈っていました。

それを移動用ブラックジャージに身を包んだアルゼンチン戦組が、キャプテン、ジェリー・コリンズを中心にしっかりと腕を組み、唇を噛みしめて受けていました。気心知れた仲間同士の間にサッと走る緊張と高揚をテレビカメラはしっかり映していたように思います。

終わった瞬間に張り詰めていたものがふと緩み、双方が肩をたたきあって互いを労い、胸を熱くし、誰もが勝利を誓っていたであろう光景を目にしたとたん、なんだか涙がこぼれそうでした。
双子の片割れ同士が離れていくような、不思議な眺めでした。

送る方も送られる方もどちらもオールブラックス。
ただ、課せられたミッションが違うだけ。この2組が1つになって最強のオールブラックスが結成された時、数人の人たちは姿を消すことになります。でも、この瞬間はまぎれもなくそこに集まった全員のものでした。

アイルランド第2戦もアルゼンチン戦も、心に刻まれる試合になるでしょう。

旅立っていくのはオールブラックスばかりではありません。
スーパー14のチーフスのキャプテンで、現在もNZマオリを率いて「チャーチル・カップ」のために北米遠征中のロック/6番のジョノ・ギブスがウェールズへ。元クルセイダーズの9番ジャスティン・マーシャルが移籍したばかりのクラブチーム「オスプレイズ」へ移ることになりました。

今回のオールブラックスに選ばれなかったことが直接の引き金になったのか、すでに話がついていたことなのかはわかりませんが、つい最近サインしたようです。ヨーロッパ行きは2年契約が普通なのに3年契約で、受け入れ側の熱意を感じます。彼のキャプテンシーにも高い評価が下されているようです。

あ~、残念。あの笑顔、あの兄貴肌。
ワイカトファンのみならず、惜しいことです。逆に言えばこれだけの選手を手元に残せないほど、ここにはキラ星がひしめいているということなのですが。ジョノはラグビー協会に契約繰り上げを求めているので、雄姿はマオリ戦で見納めになりそうですTT

カンタベリーでスーパー14はドラフトでハイランダーズだった15番ベン・ブレアもウェールズへ。こちらはつい最近までジョナ・ロムが所属していた「カーディフ・ブルース」へ。キッカーで元オールブラックス。27歳という若さを買われてこちらも3年契約です。

今シーズンのハイランダーズでは大活躍。特にブランビーズ戦での逆転のペナルティーキックは翌日の新聞で
「BB(ベン・ブレア)キング」
という見出しになるほどの炎のキックでした。(ブランビーズはこれで4強入りを逃してしまいました)

あ~、残念。あのまじめさ。あのチョコチョコ走りTT
夫はアンドリュー・マーテンズなきあとのNZラグビー界では彼の大大大ファンだったので、移籍を知った時はしばらく無口になっていました。ハイランダーズへドラフトに出てからも、過去の功績を称えられ、
「カンタベリーはベン・ブレアを忘れない。」
と言われ続けてきた彼ですが、NZも忘れないよ!

もう1人、カンタベリーの10番カメロン・マッキンタイヤーもフランスへTT
年齢別代表だった頃は、ダン・カーターが彼の控えだったこともあるそうですが、ダン、ルーク・マクアリスターと3つ巴で学生の頃から10番の座を争い続け、とうとう黒ジャージを着ることなく国外へ。今はジュニア・オールブラックスの12番で、パシフィック・ファイブ・ネーションで活躍中。
(↑ジュニア・オールブラックスのサモア戦にて。カメロンは控えでした)

あ~、残念。ダンがいない間のNPCは彼頼みだったのに。
「ベン・ブレアも移籍でカンタベリーのキッカーは誰になるんだろう?」
と、ぼんや~り思うくらいで、まだまだ現実味がありません。

今は明日のアイルランド戦第2戦をしっかり応援したいと思います。

アイルランド戦第2戦はオークランド勢で

2006-06-13 | オールブラックス
テストマッチの嵐で大変ですぅ~~<<うっきゃぁぁぁ!ウレシい悲鳴!
オールブラックスはもちのロンロン、ジュニア・オールブラックスあんどNZマオリ♪
オーストラリアにはイングランドが来てるし、南アフリカにはスコットランドが@@ 
それぞれ南半球勢ががっつりいただきで、オーストラリアはついでにサッカーのワールドカップで日本にまで勝っちゃったし!(しまった!これは禁句´~`?)

パシフィック・ファイブ・ネーションズのフィジー対トンガでは、ちょっとビックリなトンガの大健闘で久々に島魂(音読みすると一応「闘魂」?)を見せてもらったし。なんだかんだとスーパー14期間中並みのウレシい忙しさ♪

このブログ、ラグビーライフが充実している時こそ、「更新がナイ」
という大きな特徴がありまして´▽`;、時間ができるオフシーズンになるとけっこう小まめに更新されたりします。わかりやすいですよね?

それからこのブログのもうひとつの特徴として、
試合前の選手発表はなぜか丁寧に追っています。試合後はけっこうアバウトなのに・・・なんででしょう? 書いている本人もよくわかりませんが´。`;、選ばれた選手たちへのエールをこめて、
今回も、行ってみよ~!!

■アイルランド戦■第2戦  (カッコ内は出身NPC、ピンク字が変更)
15.ミルズ・ムリアイナ(ワイカト)  初戦の大活躍は語り草。黒ジャージで光る?
14.ダグ・ハウレット(オークランド)   初戦の初トライは彼らしい手堅い仕事。
13.ケーシー・ラウララ(カンタベリー)ABs復活。マアとの違いをどう見せるか?
12.アーロン・メイジャー(カンタベリー) ABsの重要資産。資産運用は年中無休。
11.ジョー・ロコココ(オークランド) 地元オークランドで今度こそ華麗なトライを!
10.ルーク・マクアリスター(ノースハーバー) 初戦の不完全燃焼を一気に解消!
9.バイロン・ケラハ(ワイカト)   彼も初戦の不完全燃焼を第2戦で完全燃焼?
8.ロドニー・ソオイアロ(ウェリントン)  再び仕事師に休みなし。がんばって!
7.リッチー・マッコウ(カンタベリー)  フツーの7番に戻って思う存分の活躍を!
6.ジェローム・カイノ(オークランド)   今回は念願の先発。ホームで大仕事?
5.トロイ・フラベル(オークランド) 途中交代でも評価が高かった初戦の勢いを!
4.クリス・ジャック(カンタベリー) 期待が強い第2戦ラインアウトを担う大御所。3.カール・ヘイマン(オタゴ)スクラム戦健闘に拍手。ハカのリードは意外や意外。
2.ケビン・メアラム(オークランド)   地元でのラインアウト建て直しに期待!
1.クラーク・ダーモディー(サウスランド)  ルーキーも2テストめ。がんばって!

【リザーブ】
アンドリュー・ホーア(タラナキ)   アントンはアルゼンチンへ。後はお任せ!
ニーミア・ティアラタ(ウェリントン)左右できるクラークの2度の先発。交代に期待。
グレッグ・ローリンソン(ノースハーバー)   トロイと交代で今回は控え。
クレイグ・ニュービー(オタゴ)    器用なマルチプレーヤーがベンチ入り。
ジミー・カーワン(サウスランド)初戦はゲームタイムの長さとディフェンスに満足?
デビッド・ヒル(ワイカト) ホームのワイカトで出番がなく第2戦に期待。
マア・ノヌ(ウェリントン)  最も悔しい思いでベンチ入り?チャンスはあるさ!

サクっと素人感想など。
ただ今、オールブラックスはアイルランド戦向けとアルゼンチン戦向けに、実質2チームあるため(リザーブ以外、キャプテンも含めて重複なし)、ガラリとメンバーが変わる可能性はなかったのですが、それでも「ここは!」と思われるポジションには入れ替えが。

13番■マア・ノヌ ⇒ ケーシー・ラウララ
「こんなに生き生きしたマアさん、久しぶりに見たな~♪」
と感激していたのは私くらいなものだったようで、新聞もコメンテーターも酷評ばかりTT
「彼の強み(=フィジカルの強さ、突破力)
彼の弱み
(=相手に読まれる技の少なさ)
と言い切ったコメントも。とにかく、対面のブライアン・オドリスコルのトライを止められなかったことで戦犯扱い。
あれほどトライに絡んだことは、これでチャラTT
(監督陣はこの点は責めておらず、むしろブライアンに完全に背中を向けていたジョーに不満げ?)

スーパー14での不完全燃焼を一気に吹き飛ばすようなプレーで調子を上げたところだったので、今回のリザーブはかなり辛いかも。何試合か連続で出る機会があれば、もっとプレーが洗練されてくるように思うのですが、こうして1回限りが続くとプレーのパワフルさと雑さだけしか印象に残らない感じで残念です。でも、新人でもない限り黒ジャージを着たとたん、完璧を要求されるんでしょうね。プレーの洗練を待たなきゃいけないなんて、甘いのか?

一方のケーシー。スーパー14での大活躍は誰もが認めるところで満を持しての返り咲き。個人的にはクルセイダーズのような、シャンペン・ラグビー向きなプレーヤーかな~と思いますが、監督勢は記者会見で、
「ノヌより技に長けている」とはっきり言ってました。
パワーか技か?
タナ・ウマガの後をどう埋め、最終的に誰が13番を不動のものにするのか、最も選抜が難航しているポジションだけに、これからもいろいろ起きそうです。

6番■マーティー・ホラー ⇒ ジェローム・カイノ
唐突に打ち出された「ツイン・オープンサイド・フランカー」作戦は、やはりマーティーとワイカトファンへのはなむけだったようで、継続しないそうです。マーティーは今回、リザーブからも姿を消してしまいました。機会が与えられ、これで去年からのしこりの禊が済んだことになるんでしょうか? 交代で引っ込む時の彼のなんとも言えない表情が忘れられません。ジェロームは交代で出てからのモビリティーの高さに評価。ケガで昨シーズンを棒に振っているだけにホームでの先発でのカンバックは心憎いお膳立て?

5番■グレッグ・ローリンソン ⇒ トロイ・フラベル
グレッグはスーパー14ほど光らず、ルーキーの重圧やラインアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーがきつかったか? 天性のやんちゃ坊主トロイはトライまで決めて泣いてましたね。出場時間が短かったのに世間の評価はとても高く、ホームでも暴れてくれることでしょう(笑)

11番■ジョー・ロコココは?
「ジョーはスコット・ハミルトンに交代?」
と思ってましたが、ホームで絶大な人気を誇る上、スコットがシティヴェニ・シヴィヴァトゥのケガでアルゼンチン戦のスタメンに回るため再び先発。ケガが怖いのか迷いがあるのか、どうしても腰の引けたプレー、タックルを受けてからの立ち回りの弱さが気になります。昨シーズン、ジュニア・オールブラックスやセブンスにまで戻された直後の南アフリカ戦での輝きが見たいです。

と相変わらずジョーには厳しいですが、若干23歳で「元オールブラックス」になって欲しくないので、ここはどうしてもがんばって欲しいです。

アイルランド初戦の気づき

2006-06-10 | オールブラックス
いろいろ書きかけだったのですが、すべて時間切れで、アイルランド戦初戦の話を。ご存知のことと思いますが、
結果は34:23とオールブラックスの勝利で終わりました。
これが今シーズン初のテストマッチですから、幸先のいいスタートです。

ただし、試合そのものはオールブラックスにとり非常に重苦しいものでした。
特に8:16で終わった前半など、ラインアウトの悪さもあってテストキャップが少ない若手や新人には踏ん張りどころでした。

しかも、アイルランドはヨーロッパでのトリプル・クラウン(英連邦のイングランド、スコットランド、ウェールズへの全勝)を引っさげ、オールブラックスへの初勝利という百年来の夢の実現に向け、名キャプテン、ブライアン・オドリスコルの下、今までにない意気込みで乗り込んで来ています。

オールブラックスはいくらホームゲームとは言え、グラハム・ヘンリー監督が試合後の記者会見で何度も強調していたように、7ヶ月ものブレークの後、たった5回の練習で今日の試合に臨んでいたのです。足並みの悪さというよりも、
彼らにしては珍しく、自信のなさが目に付きました。

その筆頭が、
スーパー14の時と同じ暗い表情の2番ケビン・メアラムでした。
スーパーでの表情は今シーズンから担ったブルースのキャプテンとしての重責に苛まれているものかと思っていましたが、今日もまったく同じ表情で、
「これは?」
と思いました。ライアンアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーというよりも、彼の中で今シーズンに入ってからずっとつかめずにいる“何か”との葛藤があるように見えました。

ケガで欠場したロックのアリ・ウィリアムズの代わりに大御所のクリス・ジャックを迎え、その相棒はスーパー14をともに戦ってきた、今夜がデビューとなった南アフリカ人の新人、グレッグ・ローリンソン。34テストのベテランのケビンにとってはかなり良好な状況のはずでしたが、なかなか一筋縄ではいかなかったようで。

もう1人、自信のなさを感じたのが10番ルーク・マクアリスター。
彼は今週早々に不整脈で練習を休まざるを得ないという、突然の体調不良に見舞われてしまいました。報道では完全復帰という話でしたが、テレビに映し出された顔色の悪さを見た時はドキリとしました。

試合開始後30数秒で14番ダグ・ハウレットが決めたトライのゴールキックを外し、その後のペナルティーキックも外したときなど、顔色の青白さで唇が赤々と見え、出血しているのかと目を凝らしてしまうほどでした。彼のこんな表情はスーパー14のときのチーターズ戦以来でした。(チーターズの南アフリカのホームは高地にあり、慣れないプレーヤーには非常にきつい場所で、あの時のルークも非常に苦しそうでした)

しかし、ここが天才と優秀な選手の分かれ目です。
体調への自信をぐらつかせていても、彼は自分自身、ひいては勝利への自信に対しては揺ぎなく、終始落ち着いていて、動揺も感じませんでした。舌を巻かざるを得ないほどの平常心。

さすが、ライオンズという歴史的な大舞台でオールブラックス・デビューを飾り、きっちりとチームを勝利に導いた逸材だけあります。立ち上がりの苦しさがあってこそ、それ以降、特に後半に入ってからの彼の追い上げの早さ、多彩さ、聡明さが目を引くというもの。最初から好調であったら、その底知れない実力と可能性を、ほんの40、50分の間にここまで知らしめることは難しかったでしょう。
苦境をがっちり取り込み、それを食いつぶして立ち上がる―― 本当に天才です。

ルーク以外で今回特に印象深かったのは、12番アーロン・メイジャー。
この試合ほど、
オールブラックスにとっての彼の“資産価値”を感じたことはありませんでした。
長らく言われ続けてきた、「ダニエル・カーターのお守り役、女房役」という名刺代わりの肩書きは、「ルーク・マクアリスターの・・・」でも「マア・ノヌの・・・」でも十分活かされているということを、とことん知らされました。

NZでは独特な言い方で、10番のポジションを「ファースト・ファイブ・エイス(1st5/8)」、12番を「セカンド・ファイブ・エイス(2nd 5/8)」と言いますが、なぜ12番が「セカンド」なのか、ここまで痛烈に感じた試合はありませんでした。ルークの不安な表情を、アーロンのニコニコ顔が陽光のように照らしてしまったかのようでした。彼自身、10番をやっていた頃よりも今の方が数倍も輝いて見えます。適材適所とはこのことなのでしょう。

アーロンが輝かせていたのはルークばかりではありません。
13番マア・ノヌもでした。
スーパー14のハリケーンズでは決勝戦まで駒を進めながら、彼自身はどうしてもブレークスルーできない何かを抱え込んでしまっていたように見えました。しかし、今日の彼はまったく違っていました。目をしばたかせてしまうほどのきらめきで、ヘンリー監督が彼を高く買っている訳を改めて思い知らされました。

心から信奉しているであろう、タナ・ウマガとのコンビより、彼をどのプレーヤーよりも恐れるアーロンとのコンビの方が上手く行くとは皮肉な話ですが(笑)、彼を鋭利なラインブレーカーとしてフル活用する方針は、本人にとってもチームにとっても非常に上手く行っているように見えました。彼自身の会心の笑みが印象的でした。

後半戦の立ち直りは、オールブラックスの底力の証明として、しばらく語り草になるでしょう。同時にアイルランドの自信を来週の分まで根絶やしにしてしまったかもしれません。第2戦は初戦の後半の「つづき」として始まるような気がします。

まずは今シーズンの初勝利をありがとう!

ルークの復活、クリスの移籍

2006-06-08 | NPC
だんだんアイルランド戦が近づいてきて、ボルテージ上がってきてます!
明日は肩慣らしに(なんの^^?)、ジュニア・オールブラックスのサモア戦を見に行っちゃおうかと♪ これをUPしたら、NZマオリ対アメリカも観ます♪
(結果は・・・もう出てますが。「あ~、やっぱり?」の点差)

ワイカトのアイルランド戦はチケットをしっかりゲットしておかなかったばっかりに、鼻息荒くテレビ観戦ですTT イーデンパークは行きますよ~☆

【ルーク復活】
え~っと、世間を心配させていた10番ルーク・マクアリスターの体調不良というか不整脈は、“自然に”収まったそうで、土曜日は大丈夫だそうです~☆ 
彼は過去にも2回同じ問題があったそうで、最近では2年前に一度あったとか。ついでに往年の名選手ジンザン・ブルックも不整脈だったそうです。

オールブラックス専任のドクター・ロビンソンによると、
「症状は深刻に聞こえるだろうが、ルークのような健康な若者にとっては比較的軽症なもの。」
「ルークは完全に健康を取り戻した。」
ということでOKでしょう! ジンザンのように58テストまで、いいえ、それ以上までがんばって。でも、お大事に! 

【クリスのタスマンへの移籍】
「ここから来たかぁ!」
と思ったのが、クリス・ジャックのカンタベリーから新設タスマンへの移籍。

今シーズンからNPCは、「ニュージーランド航空カップ」に名前を変え、従来の10チーム総当り戦から、4チームを追加した14チームを7チームごとのプールに分けて戦う、いわば拡大NPCとなります。

タスマンはリコ・ギアが移籍したことで話題になったネルソンベイとマルボロが合併してできたチームで、そこへジャックが移ることに。出身地でもない遠い場所への移籍の理由は、
拡大NPCに導入されたサラリーキャップ制度のせい。

新制度ではNZラグビー協会から選手の報酬として各チームに支給される金額が一定額に決められており、有名選手を多数抱えるチームは今までの報酬を支払えなくなってしまいました。

それでさっそく、クルセイダーズがクリスを放出したようです。
と言っても、タスマンはクルセイダーズのフランチャイズ。スーパー14となればリコ同様、真っ先に召集されるわけです。それに今シーズンからオールブラックスのNPC出場義務がなくなるので、本人が望めば全試合をパスできそうです。

となるとクリスのようなオールブラックス当確選手は、所属がどこでも試合にはほとんど出場しない可能性が高く、
「所属チームが変わってもそんなに大きくは影響しないんだろうか?」
とも。試合に出る時だけ現地に飛んで、引越しの必要もないのでは?
ミルズ・ムリアイナはオークランドからワイカトへ引っ越しましたが)

昨シーズンのリコは最後にほんのちょっと、NPC2部だったネルソンベイに出てました。それもほとんどファン・サービスのようで、試合は高校野球に現役の大リーガーが入って来たような感じでしたよ。彼の場合、自分で望んで行ったのでそんなに悠長には構えていられなかった訳ですが。その時の話はコチラから。

報道でもクルセイダーズがクリスの“早期放出に合意”などとあり、なんだかフレンドリーな雰囲気。ファンには淋しい限りでしょうが、有名選手の振り分けによる各チームの人気と実力の均質化など、協会としての理念や期待もあるはずで、その辺、協会にもチームにも選手にも、いろいろな思惑が働いていそうです。

従来チームに残る有名選手は減俸を受け入れる代わりに、
1) 原則NPCの試合には出ない
2) スーパー14の報酬を上乗せして調整(こちらはサラリーキャップなし)
3) チームとの契約金(非公開)を上乗せして調整
など、いろいろ水面下で調整しているという噂もあります。いくら協会の方針とはいえ、がんばって出場しても減俸だなんて話は、
いくらなんでもないでしょう~´。`;プロですからね。

そうそう、このノリでウェリントンのロイ・キニキニラウはワイカトへ。
彼は引越し組かな? 新天地でもがんばってね!

「7番が2人?」のアイルランド戦

2006-06-07 | オールブラックス
月日は流れて(←大げさ)もう水曜日@@ 
オールブラックスのアイルランド戦まであと3日@@
日記メルマガなんてUPしてる場合じゃない!

で、ジュニア・オールブラックスを再び後回しにして(ゴメンよ、ジョシュTT)
メンバーを見てみましょう。(って、とっくにご覧になってるでしょうが)

■アイルランド戦■  (カッコ内は出身NPC)
15.ミルズ・ムリアイナ(ワイカト)   ホームの試合、この人は欠かせません。
14.ダグ・ハウレット(オークランド)  髪も伸びてきてポジションも元通り?
13.マア・ノヌ(ウェリントン) 「コンラッドの代わり」と言わせないプレーを!
12.アーロン・メイジャー(カンタベリー)  スーパー14のあのノリ待ってます!
11.ジョー・ロコココ(オークランド)  ダグとのコンビ、ABsでも復活?
10.ルーク・マクアリスター(ノースハーバー)  ライオンズ戦の感動を再び!
9.バイロン・ケラハ(ワイカト)  ご当地プレーヤーなら、彼!魅せてね。
8.ロドニー・ソオイアロ(ウェリントン)  仕事師に休みなし。がんばれ!
7.リッチー・マッコウ(カンタベリー)  再び7番で登場。キャプテン初仕事!
6.マーティー・ホラー(ワイカト) 今回一番ビックリなポジショニング@@
5.グレッグ・ローリンソン(ノースハーバー)ABsデビューの南アフリカ人。
4.クリス・ジャック(カンタベリー) 相手のラインアウトの強さに大物ご指名。
3.カール・ヘイマン(オタゴ) スクラム戦がんばって!クラークも一緒だぜぃ!
2.ケビン・メアラム(オークランド) スーパー14後半の復調で一気にスパーク!
1.クラーク・ダーモディー(サウスランド) ルーキー。左右できる強みに期待!

【リザーブ】
アントン・オリバー(オタゴ)  スーパー14後半の失調でケビンと立場逆転?
ニーミア・ティアラタ(ウェリントン)  左右できるプロップにライバル出現。
トロイ・フラベル(オークランド)  肩の手術を延期しての悲願のABs復活。
ジェローム・カイノ(オークランド) 手術でワンシーズンを棒に振っての復活。
ジミー・カーワン(サウスランド)  ここはご当地のバイロンに花を持たせて?
デビッド・ヒル(ワイカト)  ご当地選手としては辛いサブかな?きっと機会が。
スコット・ハミルトン(カンタベリー) ルーキーとしてはがまんのしどころ?

いや~、ビックリでしたね!
リッチーとマーティーが一緒、しかもマーティーが6番っ???

これって、
ツイン・オープンサイド・フランカー
という作戦なんだそうで、
球に行くスピードを問われる7番を2人置き、早い展開を!
というヘンリー大先生の説明。
なるほどぉ~、マーティーは6番ジャージを着てても7番ということで。
(つまりこの試合、6番がいませんっ!)

この作戦、2003年のワールドカップの時にオーストラリアがフィル・ウォーとジョージ・スミスという速さがウリの2人で試し、
オールブラックス相手に大成功を収めたものとか´。`A(オイオイ)

オールブラックスでも試してたんですって!
2004年のウェールズ戦でリッチーとロドニーがツインに・・・。
結果は26:25の僅差で勝利(ホ~っ)
でも、その1回しか試さなかったところをみると、そんなに評価されなかった´。`?
「んな、ミョーなことやってないでジェリーを出せ、ジェリーを!」
で、チャンチャンだったのでは?

で、今回の突然の復活。これも来年のワールドカップへの試みのひとつ?

じゃ、ないでしょう。
個人的にはそうは思いません。

昨シーズン、マーティーをライオンズ戦に選ばなかった時、ヘンリー先生は世間から(特にワイカト周辺から)非難ごうごうでした。(その時、マーティーはジュニアオールブラックスとしてオーストラリアへ)
「マーティー、ヨーロッパへ?(現役ABsだと値段が張るので)」
と、一気にいろ~んな思惑が噴出。ヘンリー先生に強~い圧力がかかりました。

その後、注目された年末のグランドスラム・ツアーでもマーティーは選ばれず、
なんとモモちゃんことクリス・マソエがデビュー!
「すわっ!ワイカトに暴動か?」
ってな勢いの批判もありましたが、結局、文句なしのグランドスラム達成でそんな声もワイカト以外では尻すぼまりに。

で、今シーズンの唐突なマーティーのオールブラックス復活――
これはひとえに、地元ワイカトでの試合だからじゃないかと読んでます。ここでも何度も言ってますが、ワイカトのサポーターの熱心さって半端じゃないです。今年のスーパー14でブルースの最終戦となったイーデンパークでのワイカト・チーフス戦なんて、
「ちょっとちょっと、どっちのホーム?」
と思うほどの黒赤黄の大応援団が駆けつけ、おなじみのカウベルを
ガラガラガラガラガラガラ~
と鳴らして、そりゃスゴーい応援でした。結果は30:9でチーフス圧勝@@

あの熱い応援を味方につけない手はないでしょう。敵に回すなんて持ってのほか・・・。
で、ヘンリー商店の4人はいろいろ考えた末、キャプテン・デビューとなるリッチーの顔も、地元のホープ、マーティーの顔も立てられる、ついでにスーパー14決勝戦に出たジェリーは元々お休みという、三方が丸~く収まってどこからも文句が来ない方法を編み出したんでしょう。これで昨シーズンの批判の借りも返せるし・・・。
ヘンリー先生、元校長先生ですからね、これくらいの段取りは朝飯前´。`?

なのでこの作戦、
上手くいってもいかなくても1回限り、ワイカト限定じゃないかと思ってます。
なんて言ったらワイカトの人から袋叩きに遭っちゃうかな^^?
(←マーティーの活躍にみんな注目!)

個人的には11番ジョーの先発もオドロキでした。スーパー14でのトライ1個はチームを考えると仕方ないところもあるとして、ウィンガーの中では最も弱そうに見えるので、スコット先発かな~と思ってました。

でも今日の新聞によれば、ヘンリー先生は彼を「主要兵器」と位置づけてるそう!
う~ん、先生の深読みはまだまだ続きます。

ところで、10番ルークが病気のよう。ご当地選手、デビッド先発も?波乱万丈な展開です。くれぐれもお大事に~☆