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森羅万象 ~ 歩く印象派

北ア水晶岳ヘリ墜落事故  

2007年04月14日 12時40分47秒 | 私の山歩き・山の仲間たち
なんとも痛ましい事故である。
4月9日の夕方、北アルプス水晶小屋付近で起きたヘリ墜落で2名が死亡した事故。他の8名の中にも重傷者がいる。
この日は、冬の間閉鎖していた山小屋が雪で壊れたりつぶされたりしていないかを調査したり、山開きの準備をしたりするのが目的だったという。(山開きの前に小屋の改築計画があり、そのため建設会社のメンバーも加わっていた。)
事前の打合せでは天候が悪化した場合には小屋に一泊することになっていたそうだ。
離陸直後の落下、機長らが死亡という事態の中、10名のうち比較的軽症だった篠さん(45)と友野さん(35)この2人の奮闘が死亡者を最小限にとどめることになる。
新聞によれば「篠さんは、ともに軽症だった友野さんとスコップで雪を掘り現場から小屋に続く道をつくった。『スコップで20~30メートルの斜面に階段をつくりけが人を運びやすくした』」そうだが
事故当時は風速8~10メートルで、雲と霧に覆われ、稜線で雪煙が舞い上がって視界がなくなるほどの状況で篠さんら2人は必死で小屋までの雪をかいたのだろう。篠さん、友野さんの奮闘のおかげで死亡した機長ら2人を除く8名が小屋の中に避難できた。

水晶岳付近は北アルプスでも最奥部にあたる。黒部五郎や鷲羽岳、雲ノ平など愛好家に人気の山域でもある。3年ほど前に一度訪ねたことがあるが夏山時期でもたどり着くまでに最低2日は要する。積雪期はヘリコプター以外でのアプローチは困難に近い。

事故原因等はこれから判明していくだろうが、わずかな判断ミスが惨事につながり、小屋直下という幸運さと軽度のけがであった2人の懸命な救護が残りの命を救った。
山の天候(特に冬から春にかけて)の怖さを思い知らされた事故である。


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