人間の脳には限界があります。
もちろん、それは人それぞれではありますが、誰もが大差のない誤差程度の範囲です。
前回までに人の記憶の仕方について少し触れましたが、
今回はもう少し深く見てみましょう。
その前に補足をしておかなければなりません。
「自分は入力スピードを速めたいだけで、脳の仕組みを知りたいのではない」
こんな声が聞こえてきそうだからです。
しかし、何をするためにも準備が必要なのは誰にも共通して思うことでしょう。
また、そうした基礎知識があれば、後に確かな力となるということも覚えておきたいことです。
さて、以前にお話ししたように、脳の記憶容量の限界としてご紹介したマジカルナンバーがあります。
この説明でいけば、私たちは大体10個程度しか記憶にとどめておけないことになります。
しかし、実際はどうでしょうか。
恐らく、10個以上のことを覚えておけるはずです。
これは、最初に説明したように、全くの無意味な語句での話であり、
意味のある語句や何かと関連づけられるものでは当てはまりません。
例えば、以下の数字の配列があります。
141421356
数字は一つ一つが独立しているため、これを覚えるのはなかなか難しいはずです。
しかし、「ひとよひとよにひとみごろ」と語呂にすれば、難なく覚えられます。
ちなみに、これは√2の覚え方ですね。
こういう手法をうまく利用しているのは、電話番号です。
フリーダイヤルなどは、語呂を利用し、さらに音程をつけています。
ただの数字の羅列ではなく、口ずさみながら日本語で意識づけることに見事に成功している例とも言えます。
さて、それでは、単語登録の場合はどうでしょうか。
既に日本語であり、これまでの手法から、もとの語句に近い音で登録しています。
しかし、いざ実践となれば、なかなか思い出せずにいることも多々あるでしょう。
それは、文章を書くとき、何度もその語句を用いることが余りないせいです。
日本語は汎用性が高いため、ある語句に固執しなくても、
別の言葉に置きかえて、同じ意味の文章をつくり出せることに起因します。
さらにいえば、そうすることが日本語を上手に使いこなせている特徴であるとも言われているからです。
それでは、以下の文章をごらんください。
①既婚者率は年々増加している。
②結婚をしている方の割合は、年を追うごとにふえている。
③パートナーがいる人のパーセンテージは、経年的に上がっている。
実のところ、どの文章もほぼ同じ意味となります。
しかし、同じ意味であるにもかかわらず、用いられている語句は異なっているのです。
これでは、単語登録を行おうにも、どんな語句を登録すればいいかがわからなくなってしまいます。
結果、登録はしたけれども、使う頻度が少なく、記憶の底に埋もれていってしまうのです。
そこで大切なのが⑤の登録する際は、複数の語句を関連づけることです。
私たちは、物事を記憶させる場合、それ単体ではなく、複数の事柄を関連づけて覚えています。
例えば、「たばこ」であれば、色、材質、形状、味、においなどであり、
「東日本大震災」であれば、日付、震度、被害地域、複合災害などです。
この例でいけば、「東日本大震災」という単語を忘れかけたとしても、
「3.11」を覚えていれば、思い出せる確率は上がります。
また、「津波」「福島」「放射能」から「原子力発電所事故」を喚起させることができるはずです。
要するに、何か一つを覚えるのではなく、複数の関連する語句により、
その一つと数珠つなぎにしておくことで、より思い出しやすくしているのです。
単語登録も同様です。
何か一つだけを登録するのではなく、複数の語句を同時に登録し、
その登録したという記憶を頼りにするのが効果的です。
「あります」を登録する場合、
「ありまして」「ありました」「ありません」を同時に登録すればよいのです。
もちろん、「あります」を登録するのでしたら、
「なります」「ございます」「まいります」「いたします」などの関連語句もセットにするとよいでしょう。
このように、1セットの登録をしておけば、忘れてしまうことはぐっと少なくなるはずです。
さて、これまで五つの基本原則についてご説明してきましたので、
いよいよ、次回からは実践をもとにお話を進めてみましょう。
もちろん、それは人それぞれではありますが、誰もが大差のない誤差程度の範囲です。
前回までに人の記憶の仕方について少し触れましたが、
今回はもう少し深く見てみましょう。
その前に補足をしておかなければなりません。
「自分は入力スピードを速めたいだけで、脳の仕組みを知りたいのではない」
こんな声が聞こえてきそうだからです。
しかし、何をするためにも準備が必要なのは誰にも共通して思うことでしょう。
また、そうした基礎知識があれば、後に確かな力となるということも覚えておきたいことです。
さて、以前にお話ししたように、脳の記憶容量の限界としてご紹介したマジカルナンバーがあります。
この説明でいけば、私たちは大体10個程度しか記憶にとどめておけないことになります。
しかし、実際はどうでしょうか。
恐らく、10個以上のことを覚えておけるはずです。
これは、最初に説明したように、全くの無意味な語句での話であり、
意味のある語句や何かと関連づけられるものでは当てはまりません。
例えば、以下の数字の配列があります。
141421356
数字は一つ一つが独立しているため、これを覚えるのはなかなか難しいはずです。
しかし、「ひとよひとよにひとみごろ」と語呂にすれば、難なく覚えられます。
ちなみに、これは√2の覚え方ですね。
こういう手法をうまく利用しているのは、電話番号です。
フリーダイヤルなどは、語呂を利用し、さらに音程をつけています。
ただの数字の羅列ではなく、口ずさみながら日本語で意識づけることに見事に成功している例とも言えます。
さて、それでは、単語登録の場合はどうでしょうか。
既に日本語であり、これまでの手法から、もとの語句に近い音で登録しています。
しかし、いざ実践となれば、なかなか思い出せずにいることも多々あるでしょう。
それは、文章を書くとき、何度もその語句を用いることが余りないせいです。
日本語は汎用性が高いため、ある語句に固執しなくても、
別の言葉に置きかえて、同じ意味の文章をつくり出せることに起因します。
さらにいえば、そうすることが日本語を上手に使いこなせている特徴であるとも言われているからです。
それでは、以下の文章をごらんください。
①既婚者率は年々増加している。
②結婚をしている方の割合は、年を追うごとにふえている。
③パートナーがいる人のパーセンテージは、経年的に上がっている。
実のところ、どの文章もほぼ同じ意味となります。
しかし、同じ意味であるにもかかわらず、用いられている語句は異なっているのです。
これでは、単語登録を行おうにも、どんな語句を登録すればいいかがわからなくなってしまいます。
結果、登録はしたけれども、使う頻度が少なく、記憶の底に埋もれていってしまうのです。
そこで大切なのが⑤の登録する際は、複数の語句を関連づけることです。
私たちは、物事を記憶させる場合、それ単体ではなく、複数の事柄を関連づけて覚えています。
例えば、「たばこ」であれば、色、材質、形状、味、においなどであり、
「東日本大震災」であれば、日付、震度、被害地域、複合災害などです。
この例でいけば、「東日本大震災」という単語を忘れかけたとしても、
「3.11」を覚えていれば、思い出せる確率は上がります。
また、「津波」「福島」「放射能」から「原子力発電所事故」を喚起させることができるはずです。
要するに、何か一つを覚えるのではなく、複数の関連する語句により、
その一つと数珠つなぎにしておくことで、より思い出しやすくしているのです。
単語登録も同様です。
何か一つだけを登録するのではなく、複数の語句を同時に登録し、
その登録したという記憶を頼りにするのが効果的です。
「あります」を登録する場合、
「ありまして」「ありました」「ありません」を同時に登録すればよいのです。
もちろん、「あります」を登録するのでしたら、
「なります」「ございます」「まいります」「いたします」などの関連語句もセットにするとよいでしょう。
このように、1セットの登録をしておけば、忘れてしまうことはぐっと少なくなるはずです。
さて、これまで五つの基本原則についてご説明してきましたので、
いよいよ、次回からは実践をもとにお話を進めてみましょう。