私が言葉を認識するには、
書物などに書かれたものを目で見るか、人が話した言葉を聞くかがあります。
別の器官を使い、同じ言葉を認識しており、
同じ言葉を認識するために、別の記号で処理します。
例えば、「状況」という言葉があります。
このブログを読んでいる方は、画面上でその形を認識し、意味を読み取ります。
それでは、これを音声として聞いたときはどうなるでしょうか。
「じょうきょう」という単語は、言葉として発せられる際には、
「ジョーキョー」となることが多くあります。
「う」という言葉は、音声として発せられる場合は音引きとなります。
むしろ、「う」とはっきり話すことに違和感を覚えることのほうが多くなります。
このほか、幾つかの例を見てみましょう。
【例1】前提条件が間違っている。
【例2】先ほどの話は、君の言うとおりだ。
【例3】氷が超スピードで解ける。
【例1】では、「ぜんてい」と「じょうけん」に着目してみましょう。
音では、「ゼンテー」「ジョーケン」と発することになります。
【例2】では、「とおり」に着目してみましょう。
音では、「トーリ」と発することになります。
【例3】では、「超」に着目してみましょう。
音では、「チョー」と発することになります。
このように、「あ」「い」「う」「え」「お」などの母音は音引きに置きかえて発せられているのです。
さて、ここで少しだけ話をそらしてみましょう。
私たちが話す言葉は何も日本語だけではありません。
私たちの国の言葉以外、つまり、海外で話される言葉も取り入れられています。
その多くは英語であり、今では和製英語と言われ、
片仮名表記で当たり前に使われている語句も数多くあります。
昭和初期、欧米諸国との対立情勢を理由に、
野球は全ての用語を日本語に言いかえていたそうです。
今でも、ホームランを「本塁打」、ヒットは「安打」などという場合もありますが、
アウトは「だめ」、セーフは「よし」など、聞きなれない言葉もあります。
戦争終結後、英語が広く日本で普及し、英語という意識もないまま使う言葉もあります。
「オーケー」「オーライ」「ペーパー」
数え上げればきりがありませんが、とにかく日本人はとても柔軟な発想を持っています。
しかし、今挙げたものは、実際の発音から誤った表記になってしまったのです。
「オーケー」は「okay」、発音記号は「òʊkéɪ」、
「オーライ」は「all rigth」、「ɔːrάɪtl」、
「ペーパー」は「paper」、発音記号は「péɪpɚ」
つまり、正しく片仮名で表記するとすれば、
「オーケイ」「オールライト」「ペイパー」となるのです。
ただ、私たちが日常会話を行う上では、実のところ、正式な表記などはどうでもよいことです。
「オーケー」なのか「オーケイ」なのかは、会話では問題にはなりません。
よって、「言うとおり」でも「言うとうり」でも「言うとーり」でもよいのです。
さて、話を戻すことにしましょう。
単語登録の際に、一番苦労するのは登録したい単語をどのように省略するかということでした。
そして、そのときに注意すべきは、
①本来の語句より短くする
②本来の語句に近い
③既にある語句は用いない
④登録語句ではなく、法則を覚える
⑤複数の語句を関連づける
というものがありました。
この法則と今話した速記の法則を組み合わせてみましょう。
「状況」は母音を音引きに直し、音引き部分を削除し、拗音、促音を五十音に直します。
「状況」→「ジョーキョー」→「じよきよ」
という登録が完成します。
この法則にのっとり、幾つかの語句をあらわしてみましょう。
「修正」→「シューセー」→「しゆせ」 「完成」→「カンセー」 →「かんせ」
「休憩」→「キューケー」→「きゆけ」 「交通」→「コーツー」 →「こつ」
「調整」→「チョーセー」→「ちよせ」 「通行」→「ツーコー」 →「つこ」
「表明」→「ヒョーメー」→「ひよめ」 「病名」→「ビョーメー」→「びよめ」
「中継」→「チューケー」→「ちゆけ」 「明快」→「メーカイ」 →「めかい」
「安定」→「アンテー」 →「あんて」 「発表」→「ハッピョー」→「はぴよ」
「広報」→「コーホー」 →「こほ」 「平成」→「ヘーセー」 →「へせ」
「重要」→「ジューヨー」→「じゆよ」 「合計」→「ゴーケー」 →「ごけ」
これは、あくまで一例ですが、
こうした法則を用いるだけで、タイプ数は今の約2分の1になるでしょう。
そもそも、熟語の多くは子音と母音の組み合わせで音読されるものが多いせいです。
速記のおもしろさを伝える一例に「こと」があります。
「コト(事、琴、古都)」「ゴト」「コド(弧度)」
「コードー(行動、講堂)」「ゴートー(強盗)」「ゴードー(合同)」
「コトー(孤島)」「ゴトー(後藤)」「コドー(鼓動)」
速記の世界では、最終的には、これらは全て同じ表記「コト」であわらし、
意味から何を当てるかという作業が必要になります。
だからといって、これらが単語登録に適しているかというと決してそうではありません。
単語登録とは、入力された語句を一発で変換させることが重要であるため、
ある程度の手間が必要となるのです。
これは、一番初めにお話ししたように、何でも短ければいいのではないということです。
書物などに書かれたものを目で見るか、人が話した言葉を聞くかがあります。
別の器官を使い、同じ言葉を認識しており、
同じ言葉を認識するために、別の記号で処理します。
例えば、「状況」という言葉があります。
このブログを読んでいる方は、画面上でその形を認識し、意味を読み取ります。
それでは、これを音声として聞いたときはどうなるでしょうか。
「じょうきょう」という単語は、言葉として発せられる際には、
「ジョーキョー」となることが多くあります。
「う」という言葉は、音声として発せられる場合は音引きとなります。
むしろ、「う」とはっきり話すことに違和感を覚えることのほうが多くなります。
このほか、幾つかの例を見てみましょう。
【例1】前提条件が間違っている。
【例2】先ほどの話は、君の言うとおりだ。
【例3】氷が超スピードで解ける。
【例1】では、「ぜんてい」と「じょうけん」に着目してみましょう。
音では、「ゼンテー」「ジョーケン」と発することになります。
【例2】では、「とおり」に着目してみましょう。
音では、「トーリ」と発することになります。
【例3】では、「超」に着目してみましょう。
音では、「チョー」と発することになります。
このように、「あ」「い」「う」「え」「お」などの母音は音引きに置きかえて発せられているのです。
さて、ここで少しだけ話をそらしてみましょう。
私たちが話す言葉は何も日本語だけではありません。
私たちの国の言葉以外、つまり、海外で話される言葉も取り入れられています。
その多くは英語であり、今では和製英語と言われ、
片仮名表記で当たり前に使われている語句も数多くあります。
昭和初期、欧米諸国との対立情勢を理由に、
野球は全ての用語を日本語に言いかえていたそうです。
今でも、ホームランを「本塁打」、ヒットは「安打」などという場合もありますが、
アウトは「だめ」、セーフは「よし」など、聞きなれない言葉もあります。
戦争終結後、英語が広く日本で普及し、英語という意識もないまま使う言葉もあります。
「オーケー」「オーライ」「ペーパー」
数え上げればきりがありませんが、とにかく日本人はとても柔軟な発想を持っています。
しかし、今挙げたものは、実際の発音から誤った表記になってしまったのです。
「オーケー」は「okay」、発音記号は「òʊkéɪ」、
「オーライ」は「all rigth」、「ɔːrάɪtl」、
「ペーパー」は「paper」、発音記号は「péɪpɚ」
つまり、正しく片仮名で表記するとすれば、
「オーケイ」「オールライト」「ペイパー」となるのです。
ただ、私たちが日常会話を行う上では、実のところ、正式な表記などはどうでもよいことです。
「オーケー」なのか「オーケイ」なのかは、会話では問題にはなりません。
よって、「言うとおり」でも「言うとうり」でも「言うとーり」でもよいのです。
さて、話を戻すことにしましょう。
単語登録の際に、一番苦労するのは登録したい単語をどのように省略するかということでした。
そして、そのときに注意すべきは、
①本来の語句より短くする
②本来の語句に近い
③既にある語句は用いない
④登録語句ではなく、法則を覚える
⑤複数の語句を関連づける
というものがありました。
この法則と今話した速記の法則を組み合わせてみましょう。
「状況」は母音を音引きに直し、音引き部分を削除し、拗音、促音を五十音に直します。
「状況」→「ジョーキョー」→「じよきよ」
という登録が完成します。
この法則にのっとり、幾つかの語句をあらわしてみましょう。
「修正」→「シューセー」→「しゆせ」 「完成」→「カンセー」 →「かんせ」
「休憩」→「キューケー」→「きゆけ」 「交通」→「コーツー」 →「こつ」
「調整」→「チョーセー」→「ちよせ」 「通行」→「ツーコー」 →「つこ」
「表明」→「ヒョーメー」→「ひよめ」 「病名」→「ビョーメー」→「びよめ」
「中継」→「チューケー」→「ちゆけ」 「明快」→「メーカイ」 →「めかい」
「安定」→「アンテー」 →「あんて」 「発表」→「ハッピョー」→「はぴよ」
「広報」→「コーホー」 →「こほ」 「平成」→「ヘーセー」 →「へせ」
「重要」→「ジューヨー」→「じゆよ」 「合計」→「ゴーケー」 →「ごけ」
これは、あくまで一例ですが、
こうした法則を用いるだけで、タイプ数は今の約2分の1になるでしょう。
そもそも、熟語の多くは子音と母音の組み合わせで音読されるものが多いせいです。
速記のおもしろさを伝える一例に「こと」があります。
「コト(事、琴、古都)」「ゴト」「コド(弧度)」
「コードー(行動、講堂)」「ゴートー(強盗)」「ゴードー(合同)」
「コトー(孤島)」「ゴトー(後藤)」「コドー(鼓動)」
速記の世界では、最終的には、これらは全て同じ表記「コト」であわらし、
意味から何を当てるかという作業が必要になります。
だからといって、これらが単語登録に適しているかというと決してそうではありません。
単語登録とは、入力された語句を一発で変換させることが重要であるため、
ある程度の手間が必要となるのです。
これは、一番初めにお話ししたように、何でも短ければいいのではないということです。