入力マスターへの道

タイピング速度に頼らず、最速の入力マスターを目指そう!

始まりがあり、終わりがある。

2013年11月27日 23時40分00秒 | 入力速度について
文章には、始まりがあり、終わりがあります。

話し始め、文頭は、主語や時節、そして、前回に話した接続詞が多く用いられます。


「まず初めに、……。そして、……。次に、……。最後に、……。」


マザーキーという概念があるように、文章にもマザー語句なるものがあります。
そこでのつまずきを防ぐ意味でも、接続詞の単語登録はとても重要です。


今回考えたいのは、文末です。
私たちが会話を行うとき、その種類は幾つかに分けられます。


まずは、「ある」「なる」「いる(おる)」を用いて、事実を伝えます
そして、「思う」「考える」「気がつく」「感じる」などを用いて、感情を伝えます


例えば、事実を伝える文章には以下のような例文が挙げられます。


①彼の家には2匹の犬がいます
②この学校は5クラス編成になります
③家には台所があります


こうした文末は、過去、現在、未来などの時節で活用しますし、
話す相手との関係も関係してきます。


①彼の家には2匹の犬がおりました。(過去形)
②この学校は5クラス編成になりますか。(疑問形)
③家には台所がございました。(謙譲語)


「ある」+「ます(丁寧語)」を組み合わせ「あります」ができます。
同様に、「なる」+「ます」+「か(疑問形)」なりますか」ができます。
さらに、「あります」の謙譲語「ございます」を過去形にして「ございました」ができます。


事実を伝える文末は、こうした語句で締めくくられるため、
こうした語句を登録しておくこともとても重要です。


・「あります」
あります  → 「あり」+「ます」  → あま
ありまして → 「あり」+「まして」 → あまて or あて
ありました → 「あり」+「ました」 → あまた or あた
ありません → 「あり」+「ません」 → あせん or あまん


このように、[語句の初めの文字]+[語句の初めの文字]+[活用する部分]という法則をつくります。

スピードを重視すれば、「ありました」は「あまた」でも構いません。
しかし、「あまた」には「数多」という語句が既に存在しているため、
誤変換を避けるため、「あた」のほうが望ましいでしょう。

また、「ありまして」は「あて」にすると、「当て」「宛て」という語句が既に存在するため、
「ありまして」は「あまて」のほうが都合がよいのです。

私の場合、既に数千回、数万回と入力をしているため、法則を思い出すよりも先に指が動いてしまいます。
そうなる前は、まずは法則を重視して覚えることが必要かもしれません。

それでは、この法則を用いて、「なります」「います」「おります」「ございます」も登録してみましょう。

・「なります」
なります  → 「なる」+「ます」  → なま  or なす
なりまして → 「なる」+「まして」 → なまて
なりました → 「なる」+「ました」 → なまた or なた
なりません → 「なる」+「ません」 → なせん or なまん

・「います」
います  → 「いる」+「ます」  → 短いため、単語登録の必要なし
いまして → 「いる」+「まして」 → いまて
いました → 「いる」+「ました」 → いまた
いません → 「いる」+「ません」 → いせん

・「おります」
おります  → 「おる」+「ます」  → おま
おりまして → 「おる」+「まして」 → おまて or おて
おりました → 「おる」+「ました」 → おまた or おた
おりません → 「おる」+「ません」 → おせん or おまん

・「ございます」
ございます  → 「ござる」+「ます」  → こま  or こま 
ございまして → 「ござる」+「まして」 → こまて or こて
ございました → 「ござる」+「ました」 → こまた or こた  
ございません → 「ござる」+「ません」 → こせん or こまん


「なります」は「なま」にすると、「生」があります。
ただ、「なす」しても、「ナス」「成す」などがあるため、どちらつかずです。

「ございます」の場合、「ご」の濁点をどう考えるかはとても微妙です。
しかし、濁点というのは、日本語キーではとても遠くにあるため、面倒なのが実情です。
私は、このような文末語句など、常に使うものについては省いておりますが、
初めのうちは法則の暗記のためと思って、用いても構いません。


それでは、前回と今回の単語登録でどれだけ文書作成が楽になるかを実際に見てみましょう。


(本文)
まず初めに、おじいさんがおりました
(入力キー)
まずは おじいさんが おた

(本文)
それでは、次の話となります
(入力キー)
そは つぎのはなしと なす

(本文)
要するに、駅でございます
(入力キー)
よすに えきで こま


上記のように、文頭と文末の単語登録のおかけで随分と楽になりました。
特に、文末は、文書全体の約半分ほどが今回示した単語で終わります。

わざわざ数万回と同じキーをたたくのは無駄ですし、疲れる作業です。
こうしたところは、手を抜く絶好のポイントとなることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

物事はスタートダッシュが大切

2013年11月23日 12時34分15秒 | 入力速度について
それでは、ここからは、いよいよ実践に入ります。
なるべく説明を省き、要点を絞っていきますので、わかりづらいこともあるかと思います。
その際は、これまでのページを参照していただくか、
コメント等で質問をお寄せいただければ幸いです。



まず、接続詞のように定型句を見てみましょう。
接続詞とは、文と文をつなぐ役割を持つ品詞です。


それでは、けれども、しかし、ですから、したがって、そのため、また、そして、


接続詞を使って例文を示します。

私は、家に帰ります。そうすると、愛犬が出迎えてくれました。
僕は、あすにキャンプに行く予定です。しかし、天気は余りよくないようです。
彼は、学校で一番速いです。ですから、リレーの選手になるのは当然です。


このように、2文の間に挟み、意味が続くようにする品詞を接続詞と言います。
また、2文に分けずに、接続詞を文末に置くこともできます。


この問題は難しいけれども、頑張って挑戦しようと思います。
僕には妹がいるため、彼女を守らなければなりません。


接続詞は、思います、思いません、思いましてのように活用がありません
つまり、語尾が変化しないため、単語登録には最適と言えます。

特に、接続詞の直後には読点(、)が必要なため、読点ごと登録しておくのがよいでしょう。


けれども、    → けも
したがって、   → しがて
したがいまして、 → しがまて
それでは、    → そは
そのため、    → そめ


最近の会話では、こうした接続詞が置き去りにされる傾向が強いため、
文章をいざ書こうとすると、どういうふうに文章をつなげていけばいいのかがわからないこともしばしばあります。
例えば、小学校低学年の子どもの作文や日記などがそのいい例でしょう。

きょうは、朝6時に早起きした。気分がよかった。着がえて、公園に行った。大きな犬が前からやってきた。怖かったです。


どのような流れかということはわかりますが、関連性が余り見えてきません。
そこで、適当な接続詞を挿入していきます。


きょうは、朝6時に早起きしたため、気分がよかった。そこで、着がえて、公園に行った。そうすると、前から大きな犬がやってきた。だから、怖かったです。


接続詞は、起承転結をはっきりさせるためにもとても重要な品詞の一つです。
会話の中ではこの接続詞やそれ以降が省略されることがしばしばあり、
「だから?」「それで?」などと聞き返すこともよくあります。


おなかが減った。(だから、)ご飯ちょうだい。


日本語会話の場合は、こうしたところは話者よりも聞き手に委ねていることが多くあります。
しかし、文章にする場合には、こうした語句は必要です。
そして、文章を書くときには、この接続詞から始まることが多くあるため、
入力リズムをつかむためにもこうしたところでつまずきたくはないのです。
そういう意味からも、接続詞の登録はとても重要な意味があるとも言えます。

(本文)
それでは、まず最初に、あすの予定を伺いましょう。
(入力キー)
そは まずさ あすのよていをうかがいましょう。


どんなことでもそうですが、始まりは非常に大切です。
そこでつまずくと、何事もうまくいかないものです。
いいスタートを切るため、また、気持ちのいい入力を始められるために
接続詞の登録はぜひお勧めします。

知らない日本語の危険

2013年11月19日 16時18分20秒 | 入力速度について
少し日にちがあいてしまいましたが、
いよいよ、本日からは、単語登録を実際に機能的に使いこなしていくことになります。
しかし、その前に、インターバルを挟み、日本語文の特徴を見詰め直してみましょう。

私たちは日本人でありながら、実のところ、日本語をほとんど使いこなせていないのが実情です。
また、そんな状態で用いる日本語をさらに変則的に使うため、
現在の日本語は、皆さんが考えている以上に不規則になっています。



まずは、英語文を見ていきましょう。

英語文の最もよい法則とは、主語、述語の関係がしっかりとしていることです。
また、その他の品詞もきれいに並べられています。


I know.(知っています)
I do not know.(知りません)



英語の一番のポイントは、この順序が絶対に入れかわらないということです。
それは、どんなに修飾語を補っても同様です。


I know what you say.(私は、あなたが何を言うか知っています)
I know what you say in meeting tomorrow.(あしたに会うとき、私は、あなたが何を言うか知っています)


英語の場合は、修飾語が主語+動詞の後ろにひたすら続きますので、
語句の順序が入れかわることはありません。
(ちなみに、別の言い方はありますが、この際は説明を省きます)



しかし、日本語はどうでしょうか。


「私はわかります」「わかりますよ、私は」


これは単なる倒置法ですが、英語とは異なり、意味が変わることはありません。
また、以下の文章をごらんください。


「すばらしいAさんの発表を聞きました」


ぱっと見ただけでは、何がよくないのかがわかりません。
しかし、「すばらしいAさん」なのか、「すばらしい発表」なのか、これではよくわかりません。

こんなことを言うと、それは屁理屈だと怒られそうですので、
代表的な誤読例文として用いられる文章をごらんください。


「警官は血を流して走る泥棒を追った」


さて、血を流しているのはどちらでしょうか。


「警官は血を流して、走る泥棒を追った」とすれば、血を流しているのは警官です。
「警官は、血を流して走る泥棒を追った」とすれば、血を流しているのは泥棒です。

要するに、日本語文では、品詞の順序がぐちゃぐちゃでも成立してしまうのです。
しかし、成立してしまうからといって、意図が正しくなるかは別です。
そのため、英語とは違い、日本語文を作成する際には十分な注意が必要です。



次に、以下をごらんください。


「思う」
「思うのです」
「思うのであります」
「思うのでございます」
「思います」
「思っています」
「思っております」
「思ってございます」
「思っているのです」
「思っているのであります」
「思っているのでございます」
「思っているところであります」
「思っているところでございます」
「思っているわけであります」
「思っているわけでございます」
「思った」
「思いました」
「思っておりました」
「思ってございました」
「思っていたところであります」
「思っていたところでございます」


「思う」という語句だけで、言い回しがこれだけあります。
もちろん、これだけはありませんし、この後の接続を考えれば、まだふえていきます。

このような中で、単語登録をしようとするのですから、
登録前には、細心の注意が必要です。


例えば、

「日ごろより弊社をお引き立ていただき、まことにありがとうございます。」

単語登録と言いつつも、このような長文の登録は可能です。
文書においての形式的な挨拶などは、そのまま登録することも手法としてはいいでしょう。

しかし、先ほどお話ししたように、
日本語文では、送る相手や内容によって、言い回しが変わってくる可能性があります。
そうした場合、長文を登録しておき、不必要な部分を削除するやり方ができますが、
不要文字の削除忘れや丁寧語などの誤った使い方を放置することがあります。

ですから、機能名称も単語登録となっていることですし、
やはり、単語に限った登録をしていくことが効率的と言えるでしょう。

無数にある星も星座とすることで見失わずにいられる不思議

2013年11月08日 22時33分42秒 | 入力速度について
人間の脳には限界があります。
もちろん、それは人それぞれではありますが、誰もが大差のない誤差程度の範囲です。

前回までに人の記憶の仕方について少し触れましたが、
今回はもう少し深く見てみましょう。



その前に補足をしておかなければなりません。


「自分は入力スピードを速めたいだけで、脳の仕組みを知りたいのではない」


こんな声が聞こえてきそうだからです。



しかし、何をするためにも準備が必要なのは誰にも共通して思うことでしょう。
また、そうした基礎知識があれば、後に確かな力となるということも覚えておきたいことです。



さて、以前にお話ししたように、脳の記憶容量の限界としてご紹介したマジカルナンバーがあります。
この説明でいけば、私たちは大体10個程度しか記憶にとどめておけないことになります。

しかし、実際はどうでしょうか。
恐らく、10個以上のことを覚えておけるはずです。

これは、最初に説明したように、全くの無意味な語句での話であり、
意味のある語句や何かと関連づけられるものでは当てはまりません。



例えば、以下の数字の配列があります。


141421356


数字は一つ一つが独立しているため、これを覚えるのはなかなか難しいはずです。
しかし、「ひとよひとよにひとみごろ」と語呂にすれば、難なく覚えられます。
ちなみに、これは√2の覚え方ですね。

こういう手法をうまく利用しているのは、電話番号です。
フリーダイヤルなどは、語呂を利用し、さらに音程をつけています。
ただの数字の羅列ではなく、口ずさみながら日本語で意識づけることに見事に成功している例とも言えます。



さて、それでは、単語登録の場合はどうでしょうか。
既に日本語であり、これまでの手法から、もとの語句に近い音で登録しています。
しかし、いざ実践となれば、なかなか思い出せずにいることも多々あるでしょう。

それは、文章を書くとき、何度もその語句を用いることが余りないせいです。
日本語は汎用性が高いため、ある語句に固執しなくても、
別の言葉に置きかえて、同じ意味の文章をつくり出せることに起因します。
さらにいえば、そうすることが日本語を上手に使いこなせている特徴であるとも言われているからです。

それでは、以下の文章をごらんください。


①既婚者率は年々増加している。
②結婚をしている方の割合は、年を追うごとにふえている。
③パートナーがいる人のパーセンテージは、経年的に上がっている。



実のところ、どの文章もほぼ同じ意味となります。
しかし、同じ意味であるにもかかわらず、用いられている語句は異なっているのです。

これでは、単語登録を行おうにも、どんな語句を登録すればいいかがわからなくなってしまいます。
結果、登録はしたけれども、使う頻度が少なく、記憶の底に埋もれていってしまうのです。



そこで大切なのが⑤の登録する際は、複数の語句を関連づけることです。

私たちは、物事を記憶させる場合、それ単体ではなく、複数の事柄を関連づけて覚えています。
例えば、「たばこ」であれば、色、材質、形状、味、においなどであり、
「東日本大震災」であれば、日付、震度、被害地域、複合災害などです。

この例でいけば、「東日本大震災」という単語を忘れかけたとしても、
「3.11」を覚えていれば、思い出せる確率は上がります。
また、「津波」「福島」「放射能」から「原子力発電所事故」を喚起させることができるはずです。

要するに、何か一つを覚えるのではなく、複数の関連する語句により、
その一つと数珠つなぎにしておくことで、より思い出しやすくしているのです。



単語登録も同様です。

何か一つだけを登録するのではなく、複数の語句を同時に登録し、
その登録したという記憶を頼りにするのが効果的です。

「あります」を登録する場合、
「ありまして」「ありました」「ありません」を同時に登録すればよいのです。

もちろん、「あります」を登録するのでしたら、
「なります」「ございます」「まいります」「いたします」などの関連語句もセットにするとよいでしょう。

このように、1セットの登録をしておけば、忘れてしまうことはぐっと少なくなるはずです。



さて、これまで五つの基本原則についてご説明してきましたので、
いよいよ、次回からは実践をもとにお話を進めてみましょう。

法則は量を凌駕する

2013年11月07日 20時41分36秒 | 入力速度について
何かの新しいことを覚えようとした場合、
今まで以上のより多くの情報が必要となります。

今まで覚えていたものをど忘れして、
記憶を頼りに思い出すのとは勝手が違います。

新しい配列の語句を覚えるということは、皆さんが思う以上に難しく、
それを数百個、数千個と覚えるのは不可能に近いことです。

そういう意味では、高速ローマ字タイピングも
単語登録入力も同じく険しい道だと思われがちです。



さらに、以前にお話をしたとおり、人間の記憶力には限界があります。
マジカルナンバーという言葉で説明したとおり、
初期の段階での記憶は、7プラスマイナス2、つまり、5~9個程度であるのです。



そこで、まずは、私たちがふだんはどのように記憶をしているかをご説明します。
ちなみに、私の学生時代の専攻は認知心理学であり、いわば、脳科学に似た分野です。
博士号などは取得しておりませんので、基礎知識程度にお聞きいただければ幸いです。


新しい語句を覚えるのに一番最適なのは、繰り返し見る、聞く、しゃべるということです。
たった一度見たり、聞いたりしただけで何でも覚えられる人がいるとすれば、それはきっと天才の部類に属されます。

つまり、先生の聡明なお話も上司のありがたいお言葉も
その場限りにしていれば、ほぼ間違いなく、100%覚えていないでしょう。
私も社員を指導する立場ではありますが、そのように相手を見ています。



さて、日常生活でも経験していることですが、私たちの暮らしはさまざまな情報に囲まれています。

1日で得られる情報は数千とも数万ともなり、
仮に、それらの全てが記憶されてしまえば、頭の中はパンク状態になります。
つまり、私たちの脳は、それらの情報を無意識に取捨選択し捨て去っているのです。



例えば、電車通勤の方であれば、車内の広告を必ず一度は目にしているはずです。
もしくは、目の前にいる人の洋服の種類や色なども認識しているはずです。
しかし、時間がたてば、そんなことは頭の片隅にも残っておりません。

逆に、よく知る友人、もしくは、好意を寄せる異性、同じ時間を共有する同僚など、
自分に近い人間については、楽に思い出せることができます。



私たちの脳では、記憶の処理として、覚えるかどうかを保留する短期記憶というものがあります。
頭の中に入ってくる信号は、捨て去られるか、短期記憶にとどめるかを選択します。
その後、短期記憶にとどまったものを重要なものと捉え、長期記憶にとどめるか、捨て去るかを選択します。

先ほどもお話ししたように、これは無意識のうちに脳の中で処理してしまうことです。
逆にいえば、無意味なように思えても長く覚えている物事とは、
あなたの中で、あなたの脳が重要だと判断したものだと言えるのです。



さて、それでは、無意識の世界で記憶する物事について、私たちがどう意識すればよいかということです。
それには、記憶としてとどめようとする意思が必要になります。



先ほどの脳内での取捨選択は機械的なものなのです。
つまり、より多くの付随する情報があれば短期記憶、そして、長期記憶に移行させることができます。
それが何度も繰り返すという反復行為です。


1回目は忘れられ、
2回目は短期記憶にとどまり忘れられ、
3回目は長期記憶にとどまる。


もちろん、現実にはたった3回で済む話ではありませんが、
このようにして、忘れないよう何度も繰り返すことは必要です。

また、覚えるために、見る、実際に口にする、さわってみるなど、多くの器官を使うことも重要です。
歌の歌詞などは、目で追うだけではなく、実際に口ずさむことで容易に覚えられるのもそのせいです。



さて、話はようやく本題に入ります。

以上のように、単語登録をしても、その登録語句を忘れてしまっては意味がありません。
そのため、覚える工夫もまた必要だということです。

もちろん、登録した単語を複数回繰り返し用いる、また、声に出して読むこともよいでしょう。
しかし、これから行おうとしているのは、数百、数千という単位の語句です。
声に出すことは言うまでもなく重要ですが、これを繰り返すには途方もない時間が必要になります。



そこで、④の「登録語句は覚えず、法則で覚えること」が重要になってくるのです。



日本語文というのは、幾つかの法則でできています。
ですから、単語自体を覚えるのではなく、その法則を覚えるのです。


例えば、私は以下のような登録をしています。


特徴的(とく・ちょう・てき)→とちて
一体的(いっ・たい・てき) →いたて
継続的(けい・ぞく・てき) →けぞて
精力的(せい・りょく・てき)→せりて
積極的(せっ・きょく・てき)→せきて


ごらんのように、「○●的」は、○の漢字の頭、●の漢字の頭、的(てき)の「て」、
このように、頭の文字を一つずつとるという法則にしています。


「特徴的」は「とちて」で、「一体的」は「いたて」だと覚えるのではありません。
上記の法則で、ほかの語句も全てが登録しておくのです。
そうすれば、


「経済的(けいざいてき)」「多角的(たかくてき)」「圧倒的(あっとうてき)」「精神的(せいしんてき)」
「潜在的(せんざいてき)」「効果的(こうかてき)」「効率的(こうりつてき)」「象徴的(しょうちょうてき)」
「財政的(ざいせいてき)」「普遍的(ふへんてき)」「実践的(じっせんてき)」「本能的(ほんのうてき)」



○●的という言葉はこれ以外に幾らでも存在しますが、
その全てはたった一つの法則により、3文字で入力することができるのです。

これならば、10でも20でも、いえ、100の語句を登録しても間違いなく覚えていられるのです。
覚えるのは、単語ではなく、この法則一つなのです。


50のキーだからできること

2013年11月05日 21時21分18秒 | 入力速度について
入力する際に必要なことは、


①いかにタイプ数を少なくするか
②いかに誤変換をなくすか
③いかに手の負担を少なくするか



この3点が挙げられます。
そして、この3点を限りなく追求していけば、必然的に入力が速くなっていくのです。

そこで、これまでに単語登録という手法でそれを実践しているわけですが、
この手法は、かな入力でのみで可能だというわけではありません。

もちろん、単語登録を最大限に生かせることから、JISキーボードでのかな入力の話を進めていますが、
ローマ字入力や親指シフトキーボードでの入力手法でも単語登録は可能です。
ただ、話が後に進んでいけば、ローマ字入力では圧倒的に不利になってしまいます。



以下の三つの語句をごらんください。


「きょうきゅう(供給)」「きょうきゃく(橋脚)」「きゅうきょく(究極)」


この三つの単語を私は以下のように登録しています。


「きよきゆ(供給)」「きよきく(橋脚)」「きゆきく(究極)」
(この三つの語句の登録理由については別にご説明します)



シフトキーとの同時押しがなくなり、文字数も6文字から4文字へ少なくしています。
さらに、これも後ほどお話ししますが、タイプするキーが中央に寄ってくるので、
入力する際のタイプミスもかなり減り、手を左右に動かさないため、負担も減っていきます。

それでは、これをローマ字入力する際にはどうなるでしょうか。

「kyou kyuu(供給)」「kyou kyaku(橋脚)」「kyuu kyoku(究極)」

ごらんのとおり、前の漢字と後ろの漢字の頭が「ky」から始まるため、
もとの語句を識別するには最低でも3タイプはしておかなければいけません。

すると、考えられる単語登録は以下のようなものとなります。

「kyokyu(供給)」「kyokya(橋脚)」「kyukyo(究極)」

しかし、単語登録によりタイプ数が少なくなったわけではありますが、
果たして、もとの単語を思い出せるでしょうか。

「きょきゅ=供給」「きょきゃ=橋脚」「きゅきょ=究極」

覚えられなくもないかもしれませんが、私には非常に難しく見えます。
それに、ここまでタイプするのであれば、全部を打ってしまえという気にもなります。


そのため、ローマ字入力で単語登録をする場合は、
以下のように暗号のようなコードを作成するのが最も適切です。

a1=ありがとうございます
a2=ありがとうございました
a3=あすに伺います
a4=後で伺います


実際に、電報の受け付けセンターなどでは、こうした手法を取り入れているようです。
しかし、これを暗記するとなると、数は限られてきます。
また、決まり切った受け答えぐらいしか登録できないのが実情です。

日本語の場合、尊敬語、謙譲語、丁寧語などで文末が変わっていきますし、
活用すれば語尾が変わっていきます。



ちなみに、親指シフトキーボードでは、上記の私が登録したような単語登録は可能です。
しかし、シフトキーとの同時押しがどうしても必要になるため、
スピードがそこまで上がるわけではありません。
ただ、少しでも上がることは間違いありませんので、取り入れてみてもよいかと思います。



さて、それでは、きょうは③の既に存在する語句では登録しないことについてご説明します。

これは、先日の1文字では登録しないことの考え方と同じです。
せっかく変換に時間をかけないように登録するのですから、無意味語にするのが望ましいです。

そのため、以下のような登録は、余りお勧めしない登録となります。

「挨拶」→「あい」…「愛」「遭い」「会い」などと重複
「こんにちは」→「こん」…「今」「紺」などと重複
「送信」→「そし」…「阻止」と重複




入力速度を上げ、楽にしようとするのはもちろん重要ですが、
変換のことを考えて登録することも大切です。

特に、日本語には同音異義語や似たような語句が多数存在します。
そのため、ばんばんと登録数だけをふやしていっても、後に無用の長物となることもあります。

登録をする際は、ほかに語句がないか、かぶっていないかなど、
慎重に登録することが求められてくるのです。

パソコン教室に行った者ほど入力が下手になる

2013年11月04日 12時18分58秒 | 入力速度について
ここまでお話を進めていながら、ふと思ったのですが、
単語登録の手法を書き忘れていました。

既におわかりことだとは思いますが、一応、触れておきましょう。

wordであれば、ツールバーから[校閲]を選択します。
その中の[日本語入力辞書への単語登録]をクリックしましょう。
そうすると、[単語の登録]という新しいウィンドが開きます。

上段から、登録したい単語、よみを入力します。
昨日の例ですと、

単語:機会  読み:きかか

これで登録をすると、以降、「きかか」と入力し、変換キーを押せば「機会」と変換されます。



さらに、もう一つだけつけ加えておきましょう。

私自身は、もともと、ワープロ時代からキーボードを扱っていたので関係はありませんが、
パソコン教室なるものに通っていた方は、キーボードの入力に誤りがあるようです。
それは、変換キーを使用せず、スペースキーで変換させるという手法です。

まずは入力したい語句をタイプしていくと、文字の下に破線がつきます。
そして、平仮名以外の表記にしたい場合、通常では変換キーを押して選択します。
しかし、どうやら最近のパソコン教室では、この変換にスペースキーを用いるようです。

そのせいだったのか、最近では、スペースキーがやらたと幅広になっているものを量販店でよく見かけます。
もちろん、キーボードの大きさはある程度決まっていますので、その分、無変換キーや変換キーが小さくなっています。



断っておきますが、この変換手法は全くの誤りです。
これは、ローマ字入力というよりも、英文入力の際の手法です。



英文には、変換という概念がありません。
そのため、変換キーは不必要です。

逆に、英語には、日本語にはない語句と語句の間のスペースがあります。
そのため、語句を入力→スペース→語句を入力→スペースという作業が必要になります。


ex) I am Sam.
  ↑単語と単語の間のスペース


日本文には、もちろん、英文のようなスペースはありません。
皆さんもスペースキーには頼らず、きちんと変換キーを押すことになれる必要があります。



ちなみに、既に書かれている文章上で、誤変換を修正するような場合があります。
このとき、修正したい語句をシフトキーにより範囲指定して、スペースキーで変換させるという教え方もあるようです。

言わなくてもおわかりかと思いますが、
このやり方も大間違いであり、今すぐにやめましょう。



Wordにしても一太郎にしてもメモ帳にしても、文章を入力するようなアプリケーションは、
範囲指定をしなくても、変換したい場合にカーソルがあれば、変換キーを押して変換できるのです。

変換をするときにはスペースキーを押しなさいと教わった者は圧倒的に不利で、
文中に無意味なスペースがふえるだけになってしまいます。
しかし、これは犯行声明文を書くときには最適です。雰囲気が出ます。


結局、パソコン教室に通った者は、本来の入力手法を間違えているのです。
そして、変換キーって何であるのかわからないと逆の疑問をぶつけてきます。
何にしてもそうですが、まずは、きちんとした意味を知ることが大切です。



また、さらに蛇足でお話ししますと、変換のタイミングについてです。
youtubeなどを見ていますと、かなり長文になっても変換させずにいるのをよく見かけますが、
あれも余りお勧めしません。

タイピングコンテストのように、決まった文章を何百回も入力するのであれば構いませんが、
ふだんに行う入力作業時には、そのようなことはありません。


おしょくじけん → おしょく・じけん(汚職事件)、おしょくじけん(お食事券)
しぜんたい → し・ぜんたい(市全体)、しぜんたい(自然体)


このように、語句の分かれ目で変換させていかなければ、誤変換のもととなります。
これもタイピング速度重視の誤った解釈です。



さて、余計な話ばかりをしてしまいましたが、いよいよ本題です。



今回は、②の登録する単語は本来の音に近いことについてご説明いたします。
とはいっても、これについてはほとんど説明は不要です。

例えば、「タイピング」を登録する際、「ぬた」なんかにしてしまうと、思い出せなってしまいます。
せめて、「たひく」「たひひ」などで登録し、音と関連づけることが望ましいという程度です。

もちろん、「たいひ」としないのは、「堆肥」「対比」などがあるからであり、
既に存在する語句を避けることは言うまでもありません。



私の場合、以下のような登録があります。


みりょく(魅力) → みりく
ふきょう(不況) → ふきよ
ヘルパー    → へるは
アンケート   → あんけ


先ほどの「タイピング」は、覚えやすさでいけば「たひく」、入力しやすさなら「たひひ」となります。
特に、同じキーを二度打つのは速さの面ではかなり有利になります。
しかし、冒頭にお話ししたように、登録語句の数がふえていけば、
果たして「タイピング」=「たひひ」と結びつくかという疑問があります。

そのため、私としては、目先の速さよりも後の整理のしやすさをお勧めします。
速いということは、逆にいうと、考える時間を削っていると考えなければいけません。

そのため、「真っ先に連想できる」という頭の回転の速さに重きを置くことが
単語登録では求められてくるのです。

手の負担と誤変換を極力最小限にするために

2013年11月04日 01時00分10秒 | 入力速度について
単語登録の魅力的な部分とは、楽にタイピングができることです。
私のように、毎日、コンスタントに何万文字も入力しなければならない場合は特にそうです。

以前にお話しいたしましたが、ここでの目標はタイピング最速ではありません。
入力をいかに楽に速くするかが目的となります。



きょうは、前回にお話しした五つの基本原則について、もう少し詳しく見ていきましょう。
まずは、①の登録する単語は、本来の単語以下の文字数で登録すること(2文字以上)についてです。



単語登録のそもそもの発想とは、
長く、タイピングしづらい語句を登録して入力しやすくすることです。
また、変換リストに載らない語句もその対象となります。


例えば、札幌市には簾舞(みすまい)という地区があります。
この地名は、恐らく、「みすまい」と入力し、変換キーを押してもヒットすることはありません。
こうした場合に、「みすまい」→「簾舞」と登録しておけばよいのです。



次に、理由についてです。



以前にお話ししたとおり、かな入力の場合は、ローマ字入力とは違って手の移動範囲が広くなります。
そうした場合、指を上下左右に動かざるを得ない場合も多くあります。

例えば、「交通(こうつう)」は、
最下段の「こ」、最上段の「う」、最下段の「つ」、最上段の「う」となります。
この単語を何の登録もせずに数度も入力をすれば、ほぼ間違いなく指がつります

日本語の語句の特徴として、子音+母音の組み合わせが圧倒的に多いことが挙げられます。
かな入力では、「あ」「う」「え」「お」が最上段にあるため、
必然的に指が上下に移動することとなります。

そうしたこともあり、かな入力はローマ字と比べて使いづらい面があります。
また、それを何とか解消しようと、親指シフトキーボードが生まれたとも考えられます。



さて、それでは、本題に戻り、「ホーム」と入力してみましょう。
最上段の「ほ」、最上段の一番右の「ー」、下から2段目の一番右の「む」となります。
これもかなり面倒な指移動となるはずです。

この「ホーム」を単語登録しようとした場合、「ほ」と登録してはいけません
「ほ」には「帆」「歩」「穂」など、単体で意味をなすからです。



以下の例文をごらんください。


改革を推進するため、一歩でもを進めなければいけません。
船に乗り、を張る準備を進めましょう。


仮に、「ホーム」を「ほ」と登録してしまった場合、


改革を推進するため、一歩でもホームを進めなければいけません。
船に乗り、ホームを張る準備を進めましょう。


このように、誤変換を起こす可能性があるのです。



要するに、ただ速く入力しようと考え、1字で登録をしようとすると、
結局、無駄に変換時間を長くすることになってしまうのです。
これでは、効率的とは言えません。


今回の例に限らず、日本語の場合には、1字で語句をなすものがたくさんあります。

「こ」→「子」「個」「戸」
「し」→「死」「市」「詩」
「く」→「区」「苦」「句」

そのため、必ず2字以上で登録するが必要となります。
例えば、先ほどの「ホーム」であれば、「ほむ」「ほほむ」「ほむむ」などがよいでしょう。

ちなみに、本来の語句以下というように、
「未満」にはせず、「以下」としたことにも理由があります。



例えば、「キカイ」「機械」「機会」と2種類の意味を持つ語句があります。
この語句を入力する際、変換キーを押してどちらかを選択する時間はかなりロスになります。


建設機械の導入の機会に合わせ、全ての機械を更新しましょう。


こんな文章が出れば、誤変換の可能性はかなり大きくなります。

特に、ワードを含めた文書作成のアプリケーションには、変換率が高いものが上位に来る設定となっています。
そのため、以前に多く変換した語句が上位に来るため、必ず一発で変換できるとは限りません。

もちろん、その機能を反映させないこともできますが、余りお勧めはいたしません。
それは、より多くの語句を入力する際には不利になるからです。

決まり切った日常会話を入力する場合やどんな表記にしても構わないのであれば、さほど問題はありません。
しかし、変換順位がかなり下になっている語句の場合は、毎回下まで行くのはかなり大変です。



さて、話は少しずれてしまいましたが、先ほどの「キカイ」についてです。
この語句を私は以下のように登録しています。

「機械」→「キカイ」(そのまま変換)
「機会」→「キカカ」(単語登録)

単語登録の趣旨に添い、少しでもタイプを少なくしようとすれば、2字にしたいところです。
しかし、「キカイ」は「キイ」にしても「キカ」にしても、既に別の語句が存在します。
そのため、タイプ数は変わらなくても、誤変換を防ぐ目的に単語登録を行うのです。



このように、単語登録のよいところは、タイプ数を少なくするほかに、
誤変換を防ぐという利点もあるのです。

日本語には、同音異義語が数多く存在します。

「ジシン」→「自身」「自信」「地震」
「カテイ」→「課程」「家庭」「仮定」「過程」
「キカン」→「機関」「期間」「器官」



このような語句にぶつかったときに、
さて、どの漢字に変換しようかと悩み、手がとまれば、入力スピードは落ちていきます。

前回の動画のように、分速200文字を超えてくれば、5秒悩むだけでも数十文字の差がついていきます。
たかが数十文字といっても、それが長文になれば、莫大な差が生まれてしまうのです。

そのため、できる限り一発変換で進んでいけるようにするためにも
単語登録とはとても重要になってくるのです。



さて、それでは、次回は②についてお話ししたいと思います。

速くするのは、手先ではなく、頭の回転

2013年11月03日 01時23分10秒 | 入力速度について
音声を聞きながら入力するのは、本当に難しい作業です。
耳で音を聞き、その内容を理解し、手でキーボードをたたき、
入力された文章が合っているかどうかを目で確認します。

この作業を同時に行わなければならないということが
どれほど困難であるかは実際に行った者でなければわかりません。



それでは、前回のお話の続きの前に入力動画をごらんいただきましょう。
以下は、私が入力している様子を撮影したものです。





これは、音声を聞きながら入力している様子ですが、
ヘッドフォンを着用しているため、その音声は流れておりません。

また、動画は8分30秒ほどですが、音声は7分のものです。
文字数にして約2,200ですから、分速250~270文字程度というところでしょうか。

しかし、これは、タイピング数ではありません。
文字を入力し、変換をさせなければならないため、
タイピング数に換算すれば単純に3~4倍程度となるはずです。

分速750タイプ~1,080タイプは必要となります。

このブログでもご紹介した隅野貴裕さんという方は、
1秒間に17タイプ入力できるという内容をテレビで放映したことを覚えています。
分速に直せば1,020タイプですから、まあ、ぎりぎり間に合うかの瀬戸際というところでしょう。



要するに、タイピング速度なんていうものは、さほど重要ではないのです。



動画をごらんになり、皆さんも気がついたはずです。
それらしい入力していないのに、いつの間にか、ボリュームのある語句が入力されています。
これこそ、前回にお話をした単語登録のなせるわざです。

前回にもお話ししたとおり、
単語登録とは、本来の語句を省略した形で登録するシステムを言います。

例えば、今回の動画でいえば、

「アンケート」「札幌市」「ニーズ」「ワーク・ライフ・バランス」など、

多様な語句が一瞬のうちに出現します。

「アンケート」では、本来は5文字のタイプが必要ですが、この動画では3タイプしかしておりません。
「ワーク・ライフ・バランス」では、12タイプ必要ですが、3タイプとなります。



さて、こうして実際に目で見ると、この魅力的なシステムをすぐに活用したくなりませんか?

しかし、その手法について、具体的に話さないのには理由があります。
それは、前回にお話ししたように間違った単語登録方法があるからです。



そこで、単語登録に必要な幾つかの法則について説明します。



①登録する単語は、本来の単語以下の文字数で登録すること(2文字以上)

これは、当たり前といえば、当たり前です。
タイプ数を減らすために登録するのに、逆にふえてしまっては手間です。



②登録する単語は、本来の単語に近い音で登録すること

本来の語句から全くかけ離れた語句で登録してしまうと、
登録した単語を忘れてしまうからです。



③既に存在する語句では、登録しないこと

例えば、「パソコン」を「はこ」で登録した場合、
「箱」があるため、変換に手間取ります。



④登録語句は覚えず、法則で覚えること

前回お話ししたとおり、無意味な語句を数百、数千と覚えるのは不可能です。
そこで、登録語句自体を覚えようとするのではなく、法則で覚えておくとよいでしょう。



⑤登録する際は、複数の語句を関連づけること

これも、④と同様であり、忘れないための工夫です。



さて、以上の五つの原則をお話ししましたが、
次回は、その一つ一つを詳しく見ていくことにしましょう。




自分の脳の限界を知ってからの単語登録こそ効果がある

2013年11月02日 20時00分19秒 | 入力速度について
さて、それでは、前回のおさらいから参りましょう。



入力速度の向上には、「単語登録」が不可欠です。
この単語登録とは、

インテリジェンス → インテリ
プロモーション  → プロモ

このように、私たちが日常に行う「語句省略」に近いことは既にお話ししたとおりです。
しかし、それでは、登録単語を足早に詰め込んでいけばいいのかというと、決してそうではありません。



ここで、以下の省略された語句が含まれる例文をごらんください。


自民党のある議員が衆院選で当選したとき、日教組の問題を取り上げていた。


この文章を省略語なしで再度ごらんください。


自由民主党のある議員が衆議院議員総選挙で当選したとき、日本教職員組合の問題を取り上げていた。


このようになります。



さて、皆さんは、この省略語が全てわかったでしょうか?
恐らく、大半の人が意味も含めて読み解くことができたことでしょう。
これは、その省略語が世間の間で浸透しているからだと言えます。



では、同じ文章でも、このように省略されてはどうでしょうか。


自党のある議員が院選で当選したとき、日組の問題を取り上げた。


これでは、よくわかりませんね。
これは、単語登録でも同様の過ちとなる危険性があるのです。


「ありがとうございます」を「あが」と登録したとしましょう。
「よろしくお願いします」を「よお」と登録したとしましょう。


果たして、こうした登録語句数が1,000個を超えても、
登録語句を忘れずに覚えていられるでしょうか。
恐らく、いえ、ほぼ間違いなく無理だと言えるでしょう。

つまり、単語登録は、先ほどの省略語句と一緒で、
いかに覚えられる語句を登録するかが重要となります。



ここで、少しだけ話を脱線させましょう。
皆さんは、自分の電話番号を確認せずに言うことができるでしょうか?
私はというか、恐らく、皆さんも言うことができるはずです。

続いて、自分の家の住所はどうでしょうか?
これもほぼ問題なく、覚えていられることでしょう。

それでは、友人の電話番号はどうでしょうか?
こう言われると、半分以上の方が脱落するはずです。

最後に、友人の家の住所はどうでしょうか?
恐らく、答えられる方は数人に限られてくるはずです。



人間の脳は、覚えられる語句数がおおよそ決まっています。
脳科学の世界ではマジカルナンバーなどと呼ばれており、
人が記憶できる語句数を7±2と定義しています。

つまり、無意味な語句や記号は、5~9個程度の範囲だということです。

友人の電話番号は、固定電話であれば10桁、携帯電話であれば11桁ですので、
ほとんどの人が覚えられないのです。

それでは、どうして自分の電話番号を覚えていられるかというと、
何度も見聞きし、復唱することでようやく記憶にとどめているのです。



先ほどの単語登録も同様です。
速さだけを追求して、無意味な語句のつづりで登録数ばかりをふやしても、
結局、覚えていられるわけがありませんので、使われる語句は限られてきます。

こうした理由もあり、単語登録という考え方はすたれていき、
そのかわりとして、自分のかわりに機械が覚えてくれる予測変換という手法に切りかわったと考えられます。



ここまでお話をすると、いよいよわけがわからなくなってくるころです。


入力スピードを向上させたいはずなのに、一向にその手法が見えてこない。
単語登録は、結局、記憶力に頼るのなら、自分には無理かもしれない。


こんな声が画面越しに聞こえてくるようです。



しかし、私が冒頭にお話ししたとおり、
神がかったタイピング速度は技術の継承ができないのに比べ、
私の手法は誰にでもまねができるのです。

ちなみに、私の単語登録数は、4,000個程度>です。
恐らく、さらにふえていくことでしょう。
そして、もちろん、この語句を私は全て覚えています。



それでは、次回には、どのような単語登録が望ましいかを実際に見ていくことにしまょう。
また、その手順についてお話しするのと同時に、
実際に、私が入力する様子もごらんいただくことにしましょう。