西京極 紫の館

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西郷と大久保  海音寺潮五郎/著  新潮社

2009年01月22日 20時36分18秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
茫乎とした外貌の下に激情を秘めた熱誠の人・西郷吉之助と、冷徹にして情に溺れることのない智謀の人・大久保一蔵。私心を滅して維新の偉業をなしとげ、同じ憂国の思いから征韓論で対立し、遂に袂を分かつ二人の英傑。その相補い相競う姿を、複雑な藩情、迫り来る外国の圧力、刻々移る多難激動の時代の中に、その肌に触れ、息づかいを聞くように生々とまた敬愛の思いをこめて描く快作。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
   感動度 ☆☆☆☆★
   実用度 ☆☆☆★★
  読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
薩摩が生んだ明治維新の二大英傑、西郷と大久保の友情と裏切りを、司馬遼の「翔ぶが如く」とは違った、ウエットなタッチでドラマチックに描いた海音寺潮五郎の代表作。どちらかというと大久保の視点から描かれている印象。筆者は西郷の生き方に傾倒しているとのことだが、敢えて江戸開城の下りをあっさり書き飛ばしているのはバランスをとる為か?読み易く歴史小説初心者にもお薦めです。
ここでとても共感した一節を書き出しておこうと思う。これは実際に西郷が欧米列強を評した言葉。

「わしは欧米諸国は野蛮国じゃと思っている。国が富み、兵が強く、汽車が陸を走り、汽船が海を走り、電信が一瞬にして信を数百里の外へ伝えようと、何でそれが文明国なものか。彼らは道ならずして人の国を奪うではないか。真の文明国とは、外には道義をもって立ち、内には道義の行われる国を言うのだ」

奇しくも昨日はアメリカ大統領オバマ氏の就任演説の日。


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