27日、久しぶりにつくばを走りました。ビンディングにもだいぶ慣れたので、集団でも走れるかもしれない、ってやっと思えるようになりました。
つくばに行く途中は雨も降っていましたが、出発の頃は薄曇りで、ライドにはちょうどいいお天気になりました。「スポーツバイクつくば」のツアーで、20数人で出発。田んぼの中の農道を通ったりします。小鳥のさえずりがにぎやかで、レンゲの花がピンク色に広がります。もう、初夏の風が吹いています。
時速約23kmで1時間ほど走って、平沢官衛跡(ひらさわかんがいせき)で休憩。ここまでは、なんとかみんなに遅れずに走れました。でも、やっぱりビンディングがちょっと怖い…。ビンディングに気を取られて、とっさの判断が遅れがちです。また、早めに外すよう心がけてはいるものの、いつ止まるのかが、しょっちゅう気になります。そして、止まる度に緊張。
休憩の後、私は疲れてスピードダウン気味…間があかないようにがんばらなきゃ。Sさんが「休憩の後、すぐに高速で走るあたりが、みんな体育会系だよねえ」なんて笑いながら話しかけてくれました。
10分くらい走った時、上り坂の途中で、急に前の人たちが次々と減速。前方からくる車をちらっと見た次の瞬間、私の自転車の前輪が、前を行くSさんの後輪のギアに接触しそうになりました。「あ、どうしよう…、危ない」と思った瞬間、接触 私の手はハンドルを握ったままだったので、そのままコンクリートめがけて顔から落ちてしまいました。「痛い…」。目の前に白い小さな四角いかけらが落ちています。あ、もしかしたら、これ、私の歯?。みんなが心配そうに、私の顔を覗き込んでいます。聞くところによると、左前歯が2ミリほど欠け、その隣の歯が半分折れてしまったらしいです。唇も切れて血がにじんでいます。Sさんは転倒しなかったので、ほっ…。
さほど痛みはなかったので、「大丈夫です」と言って、ゆっくり立ち上がり、また、みんなと一緒に走り始めましたが、しばらく行くと、歯に痛みがきて、走れなくなっちゃいました。もう、気持ちも折れちゃった。
松永さんが車をとってきてくださり、そのまま歯医者さんへ。日曜診療のところがあって、助かりました。健康保険証は、ライドの必需品だとつくづく実感。持ってて良かった~。左前歯を、セメントで足して、右前歯と同じ長さにしてくれました。その隣の半分折れてしまった歯はレントゲンをとったところ、神経まで折れたところが達しているので、後ですごく痛みますよということで、応急処置として神経を殺してくれました。そして、自宅の近くの歯医者で、後日、差し歯にしてもらってください、と言われました。折れた歯は使えませんでした。とうとう私も差し歯かぁ。自転車で差し歯になるなんて思っても見ませんでした。
松永さん曰く「スピードが出ていないからといって、怪我が軽いということはありません。スピードがない場合、力が分散しないので、体重とエネルギーが一カ所に集中するために、かえって大きな事故につながることもあるんですよ」。なるほど~。では、この程度ですんで幸運だったのかもしれない。
お店に戻ると、松永さんが、私のビンディングを特別加工してくれていました。ビンディング自体は一番ゆるい状態にしてあるのですが、さらに、はずれやすくするための加工です。脚力のある人にとっては、逆にはずれ易すぎて危ないそうです。こんなビンディングの相談を他のお店でしたら、きっと、「これが一番ゆるい状態ですから、慣れるまでがんばってくださいね!」なーんて言われて終わりなんだろうなあ、と思うと、本当に感謝です。これで、とっさの時の判断も少しは早くなることでしょう。
落車後、「これに懲りずに、また走ってくださいね」、「僕も、ここ、差し歯なんですよ。」、「ま、こういうことは、起きてしまうときはおきてしまうんだから、気にしなくていいのよ。ドンマイ」 なんて皆さんに励ましていただき、嬉しかったです。Sさんも、松永さんが車をとりにいっている間、鎮痛剤やきんつばを分けてくれて、おしゃべりで気持ちをほぐしてくれて、とても心強かったです。皆さん、ありがとうございました。
次の日の朝、唇がアヒルのように腫れていました。膝もまたまた傷だらけ。歯医者さんで仮の差し歯を入れてもらって、ひと安心。
こういう経験を通して、怪我をした人や、自転車で転倒した人の気持ちが、よりわかるようになっていくんですね。