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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

GUNSLINGER GIRL 14巻/相田裕

2011-12-17 13:45:11 | 漫画(新作)





相田裕「GUNSLINGER GIRL」14巻読了。




めっちゃ楽しみにしてたんですけど・・・
正直不思議な充足感を受けるといいますか、
ここまでずっと読者として見守ってきたからこそ
生まれる親心っていうか、
それはキャラに対してなんですけど。悲しい結末も救いの無い結末もあります、
けど、
それに対して悲しいとか救いがない、って風には
決して思えないんですよね。
決して強がりではなく
ある意味、別の意味では想いを完遂させて終われたのかなあ・・・と。
ネタバレになるので誰が終わったかは言いません
だけど、どんな結末だったにせよ、不幸とも言い切れない、けど幸福とも絶対に言えない
それでも絶対的な喪失感はなくて、むしろある程度ホッとした部分もあって。

どんな人生が幸せだとか
不幸だとか
他人が決めることじゃなくて、それは当人が決めることであって
その観点からすると
本望というか
望んだ生き様、死に様だったんじゃないかなあと
そんな気もしている訳です。
少なくとも
昔からの読者としては動揺と言うより納得に近い描写の数々で
誰かの為に生きれた事、誰かの為に死ねたこと
それ自体が一つの救いのような。
元々人間って
孤独に生きていく生き物だって思ってるので
そんな生き物が
誰かの為に、自分が一番大事っていう観念を外してまで
誰の幸せの為に人生をまっとう出来た、という事実。
孤独からの解放。
同時に、好きな人と一緒に最期を迎えれるという幸せ。どっちかが先に、ではなく
二人一緒に、誰かと一緒に。それも孤独からの解放。
初期から読んできてるので
色々と想う事はありますが
それでも個人的に想いを抱くとしたら、感謝とか安心なのかなって思います。
見届ける事が出来て良かった、見届け甲斐のある物語でした。
最後の着地点、改めてそれぞれのキャラをどう描いて、どう生かすか。そこにもまた期待しています。


それにしても、リコの叫びは本当に良かったですね。
生きるのに理由も目的もなくなったのなら
私の為に生きて、と。
ガンスリはシンプルな物語だと思ってるんですが
そんな渾身のセリフも必要以上に分かりやすくて、これまた良かった。
今まであまり感情を前に出すことがなかったキャラだけに
あそこで本心をぶちまけられたのは
本当に良かった
シリーズ通しても屈指の名シーンだったと思います。
その他にもキャラの数だけドラマがあって
それを一つ一つ丁寧に拾い上げているような構成もまた好印象
本当の終わりの終わりまで描かれた密度の高い新刊でした。
メインはジャンとリコの顛末ですが、前回の続きからぺトラとサンドラの描写まで
様々なキャラクターの心情や想いが詰まってるので
いちいち緊張しながら読んでしまいました。
どのシーンもどのラストも大切でした。
区切りは付きましたが
その分ラストをどう描くのか・・・にも絶対に注目ですね。最後まで付き合いますよ。




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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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しばらくでした。 (あおベル)
2011-12-17 23:45:24
僕も、今読み終わった所です。
あなたの分析、感想、想いの吐露に、激しく共感します。
それにしても、相変わらずシビアな展開でしたね…この作品、ジャンとヘンリエッタで始まったので、彼らが主役だと思ってたんですが 
どうやら違ったようです。
最近思います。 ジャコモの言う、「闘争こそ人間の本質」
これは真理なんだろう、と。
だからといって、殺人を正当化する理由にはなり得ませんが。
…今回、アンジェリカのしおりが付録でついてて、良かったです。
返信する
お久しぶりです (西京BOY)
2011-12-19 05:43:28
あおベルさんコメントありがとうございます!13巻の時もどうもでした。


共感感謝です。
個人的には本当に周りを気にせず好き勝手書いてるつもりなので
そういう言葉をもらえるのは自信に繋がりますね。
有り難いです。

今回も相変わらずシビアで、キャラに対しての容赦がなかったですね。
でも元々ハッピーエンドが不可能な設定なだけに
むしろ見届けられてホッとした・・・っていうのが一番感じた事柄でした。
あれはあれで一種の幸せだったのかな、と。
幸せの定義は人それぞれですが
少なくとも私は最後まで不幸だった、とは言い切りたくないし、そうも感じなかった
そんな儚いラストが逆に絶妙にも思えましたね。

ヘンリエッタのシーンは思わず息を呑んでしまいました。
エピローグが非常に気になります。


確かに人間は分かり合えるようで、実際分かり合えない生き物なんだなあ、ってのは
個人的にも実感することはありますね。
そこで軋轢が起こるのも当然で
どっちが正しいも間違ってるも本当はどこにも存在しないんだろうなあ・・・とも思います。

私はクラエスでした(笑)。
アンジェリカのエピで号泣したので羨ましいです。
クラエスも好きですけどね。
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re (あおベル)
2011-12-20 11:13:14
エピローグ、どうなるんでしょうね。誰視点で描いてもOK、とは思いますが、僕個人の希望するパターンを色々考えてみました。
(1)組織が解体された後、別の仕事についたマルコーが、ふと街でアンジェリカに似た子供とすれ違い、振り向く(2)投薬の副作用で、ヘンリエッタ達の事をすっかり忘れてしまったクラエスが、紅茶を飲んで知らずに涙を流す(3)マリア•マキャヴェリが数年後結婚し、娘にトリエラの名をつける
(4)ペトラが死に、アレッサンドロはヤクの夢の中に逃げ込む。そこでしか彼女に会うことが出来ないから
(5)公社のやってきた、義体などの非人道的行為は全てモニカの暴走、という名目で裁判が行われる。
モニカが、「子供たちの幸せの為にやってきた事だ」と言って罵声を浴びる(6)ベリサリオが、義体3期生を作り出す
…まぁ、僕の頭で考えつくような安易なエピローグではないでしょうが、
こうやって色々考えさせられる
懐の深い作品だと思います。

………しかしな……「きっと真相はこうでしょう」のくだりが、あんな伏線になってたとは……
マジか…って、読みながらずーっとつぶやいてましたよ。
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面白いアイディアですね。 (西京BOY)
2011-12-22 08:42:53
あおベルさん毎回どうもです!


正直どれも有り得そうですね(笑)。特に3番みたいなパターンはガチでやりそうな感じもしますが
真相は次までお楽しみ、って感じですか。
個人的には生きていた時の彼女らを他キャラが想起する、ってパターンとか考えたんですが
どうにも予想するのが苦手な性みたいです(笑)。
その分あおベルさんが記述して下さったパターンを妄想しつつ次の巻まで気長に待ちたいと思います。
ありがとうございました。

考えさせられる部分は大きいですよね。
初期の頃から懐の深さは一貫していたような気がします。
クラエスの話とか好きですし。

あのお話は当時もゾクッとしたんですが、今回も「まさか!?」ってドキッとさせられました。
でも、やっぱりあの話があったから納得出来る部分が強かったって考えると色々と凄いなあ、と感じざるを得ないですね。
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