超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Syrup16g全曲レビューその19「根ぐされ」

2011-01-13 21:34:35 | Syrup16g全曲レビュー




今年最初のSyrup16g全曲レビューです。
常に聴いてるので、
常にプッシュ状態です。
という訳でいきなり重い曲からいきます。「根ぐされ」です。






根ぐされ       シングル「パープルムカデ」収録




私も中学生の時くらいから既に根ぐされてたんですが・・・。
まあ、それはそれとして
タイトル通りの曲です。
もう自分は根から腐っていると。これ以上どうしようもないんだと。
ある種独白のような雰囲気も感じさせる曲です。

弾き語りスタイルで、ポロンポロンと弾かれる頼りないギター
蚊の泣くような弱弱しい声
擦れ切った歌詞に
どこか儚くもあるムード、等カップリング曲でありながら、非常にディープな曲です。
「パープルムカデ」はアルバムの中に普通に入ってるんですが
このシングルはカップリングの出来もとても良いので、アルバム持ってても手にしてもらいたい。
 実際シングル単体でもよく聴きますしね。


巷では弱者のフリをした音楽もよく耳に入ってきます。
まあそれは個人的に感じてるだけなんですけど。
でも、この曲は、本当に空っぽというか、それでいて助けか何かを求めてるような・・・。
本人にその気があるのかどうかは未知数ですが
この曲聴いてると、「俺のつぶやきを聴いて」欲しい、みたいな
そんな意志を感じざるを得ないんですよね。
まるで隣で歌ってるかのような。
それはとても残酷な世界観で。救いがあるとは言い難い。

ただ・・・こうやって今抱えてるどうにもならない気持ち、それを吐き出す事こそ重要というか。
だから、聴き手としてもこの曲の中に自分を置くのもありだし
そういった世界観に静かに浸るのもありだし。
夜中とかに部屋で一人きりで、考えながらひっそりと聴きたい曲です。地味ですが、私はとても好きな曲。



途中、いきなり轟音になるんですが
そこもそこで音に悲しみが宿っていて、流石だなと思ってしまう。
初聴きでピンと来なくても
時間が経ってからまた聴いてみて下さい。経験の数だけ沁みると思う。





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