今年最初のSyrup16g全曲レビューです。
常に聴いてるので、
常にプッシュ状態です。
という訳でいきなり重い曲からいきます。「根ぐされ」です。
根ぐされ シングル「パープルムカデ」収録
私も中学生の時くらいから既に根ぐされてたんですが・・・。
まあ、それはそれとして
タイトル通りの曲です。
もう自分は根から腐っていると。これ以上どうしようもないんだと。
ある種独白のような雰囲気も感じさせる曲です。
弾き語りスタイルで、ポロンポロンと弾かれる頼りないギター
蚊の泣くような弱弱しい声
擦れ切った歌詞に
どこか儚くもあるムード、等カップリング曲でありながら、非常にディープな曲です。
「パープルムカデ」はアルバムの中に普通に入ってるんですが
このシングルはカップリングの出来もとても良いので、アルバム持ってても手にしてもらいたい。
実際シングル単体でもよく聴きますしね。
巷では弱者のフリをした音楽もよく耳に入ってきます。
まあそれは個人的に感じてるだけなんですけど。
でも、この曲は、本当に空っぽというか、それでいて助けか何かを求めてるような・・・。
本人にその気があるのかどうかは未知数ですが
この曲聴いてると、「俺のつぶやきを聴いて」欲しい、みたいな
そんな意志を感じざるを得ないんですよね。
まるで隣で歌ってるかのような。
それはとても残酷な世界観で。救いがあるとは言い難い。
ただ・・・こうやって今抱えてるどうにもならない気持ち、それを吐き出す事こそ重要というか。
だから、聴き手としてもこの曲の中に自分を置くのもありだし
そういった世界観に静かに浸るのもありだし。
夜中とかに部屋で一人きりで、考えながらひっそりと聴きたい曲です。地味ですが、私はとても好きな曲。
途中、いきなり轟音になるんですが
そこもそこで音に悲しみが宿っていて、流石だなと思ってしまう。
初聴きでピンと来なくても
時間が経ってからまた聴いてみて下さい。経験の数だけ沁みると思う。