超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

リューシカ・リューシカ 3巻/安倍吉俊

2011-11-22 23:31:43 | 漫画(新作)





安倍吉俊「リューシカ・リューシカ」3巻読了。





安倍さんの漫画が1年に2冊も読めるとはねえ・・・中々に感慨深いですな。
今までの
子供の視点でこの世界のふしぎをちょっと覗く、っていうコンセプトは変わってないんですが
そんな中でもペットの、それもカメレオンが来たり、表紙でデカデカと描かれているのにも関わらず
何のペットだろう?って読んでて思ってしまったんですが(笑)。
時折ちょっと哲学的な要素もあったりで
今回も相応に良い感じに仕上がってると思います。みんなカメレオン、って考え方は
個人的には合ってると思うなあ。
きっと嫌われないように、見つからないように変化してるんでしょうね。他人の色に。
なんてことも考えつつ、
ツタの話だとかドーナツの話とかは子供っぽい無知さと感覚の鋭さが光っていて、その両方を描いているので
安定して楽しく読むことが出来ました。
一見間抜けのように見えるけど
こうやってまじまじ描かれてみると、視点を変えてみると実は面白いことばっかりなんですよねえ・・・。
そもそもここに存在している事自体が不思議ですし。
個人的にですが、灰色と黒色の戦いは自分も子供の頃よく想像してましたね(笑)。
そんなピンポイントに来る幼少時の記憶も含みつつ
純粋かつ無垢で可愛いリューシカの姿にも十分に癒された1冊でした。にしても巻末は相変わらずですね!
読み終えた後に思わず便に走ってしまった事は内緒です☆

子供の視点で描く漫画の場合、大抵は「良い大人」が側にいるもんなんですけど
この漫画は違うんですよね。
そういう分かりやすい「良い大人」が居ないからこそ、リューシカの無茶っぷりが光ってるというか
ある種放任主義って感覚もありますからね。
肝心な時には
勿論駆けつけてくれるけど、家族のようで家族でない感覚もある。それが不思議なのと同時に
他の漫画との差別化にもさり気に貢献しているのだと思います。
一人で延々と遊んでる感じっていうか
制限がなく色々と出来たあの頃の感じ、が上手く漫画に落とし込めてるのは流石だなあ、って思いましたね。




あとがきを抜かせば(笑)、相当に読後感の良い漫画ですね。
同人誌の頃から読んでるので、これからもどんどんリューシカの世界が広がっていくといいな。期待です。




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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2011-11-24 15:13:39
初めまして。
私もリューシカ・リューシカ3巻、非常に楽しく読むことが出来ました。1年に2冊読めるというのは本当に良いことですね。

ただ一つ気になったのは、Amazonでのリューシカのレビューです。「よつばとと似てる」だの、「劣化よつばと」だのと書いてあります。
彼らはどこをどう読んでよつばとと似てると感じたのでしょうか?
絵柄も話の構成も主人公の感性も周りの人物もオチも、何もかもが違うのに。あえて共通点を挙げるなら、「小さい女の子が主人公」という所くらいでしょうか。
けどこれだけで「似てる」というのも…。

安倍さんとあずまさんの作品に対する根本的なアプローチの違いが分からない人がいることは、非常に悲しいです。
どちらも好きな漫画家だけに、特に。
駄文失礼致しました。
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こんばんわ~ (西京BOY)
2011-11-25 01:24:13
初めまして!


安倍さんのペースから考えると、年に2冊はかなり働かれてますね(笑)。
私はコミケに同人誌も買いに行ってるので、それ含めると益々収穫の多い1年でした。
3巻も安定した面白さでしたね。

う~ん安倍ファンからすると、あくまで個人的な印象ですけど
「NieA_7」をマイナーチェンジしたものっていうか、アプローチを変えてプレゼンしてる感じといいますか
非常に安倍吉俊らしいお話だと思ってるんですよね。
そこを考えると
まずそういう考えは浮かんでこないものなんですけど、やっぱり
安倍さんは客観的に考えてマイナーな立ち位置の作家さんなんですかね。
この漫画に教育的要素はほとんどないですもんね。ただリューシカが自由気ままに遊んでるだけ、っていうか。
周りの人物も、二アのまゆ子的な、ツッコミ的なポジションですし。見守るのではなく、あくまでツッコミ役。
二アがもう少し有名でヒットしてたら、反応も違ってそうな気はしますけど。
ただまあ、何にせよ面白いっていうのは変わらないし、色々発見のある漫画なのは確かですからね。
その辺は時間を掛けて分かってもらうしかないのかな、って感じですかね。

自分も両方好きな漫画家さんですよー。
ちなみに今は半分自重中なのでアマゾンレビューは書いてないですけど
1巻と2巻に自分が書いたものが残ってるので、気が向いたら観てやって下さい。
コメントどうもでした!
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