羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

とと姉ちゃん……福助人形

2016年05月18日 08時18分53秒 | Weblog
 NHK朝の連続ドラマを見ていて、ずっと気になっていたものがある。
 今朝も同様。
 ドラマのはじまりから、数分くらいたったころだろうか。
 そのものがアップになった。
「なんだっけなぁ~、あの人形?」
 しばらく考える。
「アッ、福ちゃんだッ!」
 ドラマを見ながら思い出そうとする。
「あの足袋の会社はなんていったっけ?」
 まだ白黒テレビ時代にスポンサーになっていた有名企業だ。
「もしかして会社はなくなったのかなぁ~」

 ドラマも8時14分で、本日分は終了。
 と、そのとたん思い出した。
「足袋の福助だ」

 インターネット検索をしてみると、あるではありませんか。
 渋谷の京セラビルが所在地になっていた。
 昔は足袋がなくては暮らせなかった。
 それによく伝線した女性のストッキングもここで製造されていたのかな。

 ……新宿駅の南口から甲州街道を初台方向に向かって坂をおりる途中に、婦人雑貨の店ああって、そこではストッキングの伝線をなおしてくれていた。子供だったわたしには関係なかったが、学校の帰りにその店の中をよくのぞいていたことを思い出した。懐かしい!……

 とにかく「足袋の福助」は、女たちにとってとて身近な会社だったのだが、あの人形とともに健在だったのだ。
 名前の通り、幸福を呼び寄せる伏見人形「福助」のお顔は、みているだけであったかい気持ちになれる。
 そういえば邦楽の家・西山家のお玄関には、ガラスケースのなかににたくさん並べられていたような記憶が甦った。

 出演者の役どころに、ちぐはぐさを禁じ得ないが、丁度、昭和11年が描かれているために見てしまう。
 帝都を揺るがした「2・26事件」では、今時、赤いシャツなんか着て!と言わせ、酔っぱらいには巷間で人口に膾炙した「阿倍定事件」をにおわせる。
 ドラマにはないけれど、「上野動物園のクロヒョウ脱走事件」
 この“昭和11年三大事件”を機に、日本が破綻へと向かう時代。 
 科白にはその時代が散りばめられているが、小物に凝った小道具さんに「よッ、座布団一枚!」

 それはそれとして、福助人形の置物に懐かしさを感じる私も、年をとったもの。

 足袋ねぇ~。生活から失われて久しいー。
コメント
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